S’MAC
アメリカ人が大好きな料理のひとつ、マカロニ・アンド・チーズ(Macaroni & Cheese)。「マッケンチーズ(Mac’n cheese)」という略称で親しまれ、特に子供には大人気だ。茹でたマカロニに溶かしたチーズを絡めただけのレシピもあるが、現地で高評価なのはそれをオーブンでしっかり焼き上げた伝統的なスタイルだ。つまりこれも一応は「焼いた麺」と言える。
せっかくなので本場のマカロニ・アンド・チーズを一度食べておきたい。そう考えて訪れたのは、1番街(1st Ave.) の東12丁目(E 12th St.)にある、「S’MAC」というマカロニ・アンド・チーズの専門店。そう、なんと専門店まであるのだ。”Sarita’s Macaroni & Cheese”というのが正式な屋号らしい。マッケンチーもだけど、アメリカ人て略すの好きなのね。
この夜はブロードウェイでライオン・キングを観劇した。動物のパペットを操りながら、華麗な歌とダンスを披露する演者にも、ち密に計算されつつも大胆で大がかりな舞台装置や演出にも感動した。チケット代は高かったけど、それに十分見合うだけのとても素晴らしい舞台だった。
その余韻も冷めぬまま、地下鉄で移動。22時過ぎにS’MACに到着。オレンジ色を基調とした内装はチーズをイメージしたものだろう。デザインに統一感があってとてもセンスが良い。平日のこの時間なのにテーブルは3割くらい埋まっていた。事前に評判は知っていたが、ほんとに人気店なんだな。
メニューにはマッケンチーがずらりと並ぶ。店がオススメする組み合わせ以外にも、チーズや具のカスタマイズも自由に行えるらしい。今回注文したのはベーシックな「All-Amercan」。サイズは一番小さな”Nosh”($6.50)から順に、”Major Munch”($9.75)、”Mongo”($16.75)、”PARTAY!”($43.00)と増えていく。もちろん最小の”Nosh”($6.50)をお願いした。
マカロニ・アンド・チーズにはビールが絶対合うはずなのだが、残念ながら置いていないと言われる。仕方なく無難にDr.Pepperを。フォークを渡され、空いてるテーブルに着席した。テイクアウトの注文がたくさん入ってるようで、自分の注文した品が出てくるまで20分ほど掛かった。「マッケンチー」イコール「ファストフード」という先入観があったが、伝統的なスタイルはスローフードなんだな。
S’MACのMac’n cheeseは深いスキレットで供される。持ち手に鍋つかみが被せられているが、実際、スキレットは熱々で絶対火傷するやつだ。表面はうっすらとキツネ色に焦げている。くつくつと音を立てて湯気を上げている様が食欲をそそる。
マカロニは日本のマカロニサラダでよく使われるまっすぐなタイプではなく、エルボー・マカロニ(Elbow Macaroni)やエルボー・パスタ(Elbow Pasta)と呼ばれるタイプを使用している。長さは短く、文字通りエルボー(肘)のように曲がっているのが特徴だ。
またメニューの説明文によると、「All-Amercan」はアメリカン・チーズ(≒プロセス・チーズ)とチェダーチーズをブレンドしてあるらしい。そのチーズがまるでラクレットのように、たっぷりとエルボー・マカロニに絡んでくる。分かりやすい美味しさだが、焼くという一手間でマカロニとチーズの一体感が増していて、絡めただけのマッケンチーより味わい深い。ただ濃厚すぎて食べ進めるうちに段々と味に飽きてくる。
卓上にはチリペッパーやハインツケチャップ、胡椒などが置かれている。それらを使った味変もいろいろ試してみたが、結局タバスコが一番しっくり来た。サイズが最少だったこともあって、難なく完食。とてもアメリカらしい一皿だった。
カスタマイズでブルーチーズやブリーチーズ(白カビチーズ)を選べば、より多層的な味わいが楽しめると思う。店の雰囲気ではなく単に味わいを楽しみたいなら、デリバリーかテイクアウトがオススメかも。そしてビールと一緒に味わってもらいたい。あー、ビールが欲しかった……
店舗情報 | 住所: 197 1st Ave, New York, NY 10003 TEL: (212) 358-7917 営業時間: 11:00~23:00(Fri, Sat ~24:00) 定休日: なし → ホームページ |
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主なメニュー | All-Amercan Nosh $6.50 Major Munch $9.75, Mongo $16.75 PARTAY! $43.00 etc. |
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