yakisobar 直飛(ナオト)

先週紹介した群馬県伊勢崎市の老舗焼きそば店「ほその」。創業60年に及ぶ同店では、3代目が「yakisobar 直飛(ナオト)」として夜営業を始めた。こちらの紹介によると、2012年にはすでにこのスタイルを始めていたようだ。

昼はほその、夜はyakisobar 直飛

「ほその」を訪れたその日の夜、19時過ぎに「yakisobar 直飛」を訪問。駅から10分ほど歩いた場所で、繁華街のある本町通りにほど近い。こういう立地だから飲み屋としても成り立つんだろうな。

yakisobar 直飛(ナオト)

店頭の暖簾は、「裏ほその」と染め抜いたものに差し替わっている。店内へ一歩足を踏み入れると、奥座敷から団体客の賑やかな声が聞こえてきた。昼とは雰囲気もガラッと変わるんだな。

yakisobar 直飛(ナオト)

一人ということで厨房に面したカウンターへ腰掛けた。まずは生ビール(450円)を注文。ジョッキと一緒にお通しも出てきた。もやし・青菜・茄子の冷菜、3種盛りだ。ヘルシー。

生ビールとお通し

最初のおつまみは名物のおでん(5種盛り、300円)。昼も食べたがその時は煮込みだったので、今度は味噌付けをお願いした。茹でて味噌ダレを掛けた品を想像してたが、実際は煮込みおでんに味噌ダレを掛けた品だった。なるほど、最初からこっちにすればよかった。

おでん(味噌付け、300円)

近代食文化研究会さんによると、おでんのルーツの田楽は、「焼いて味噌ダレ」「茹でて味噌ダレ」「煮込み」という順で発展していったという。そんな経緯を思い出しつつ、味の滲みた大根を楽しんだ。

続いて瓶ビール(500円)と肉そば(大・500円)を注文。本来、こちらの焼きそばは麺とキャベツだけを炒めているが、肉そばは肉入りで夜営業でのみ提供されている。「ビールにあう!」という煽りに期待も高まる。

肉そばメニュー

座った席が厨房に面していたので、調理の様子を眺めた。焼きそばは巨大中華鍋で一度に何人分も大量に調理する。注文分の麺を投入し、寸胴から透明な液体(出汁)を汲んで注ぎ、蓋をして2分くらい蒸らす。

肉そば(大) 500円

その後、ウスターソースと白胡椒で味付けし、長いコテと短いフライ返しを両手に持って混ぜ炒める。ほぐしながら短く切っている風にも見える。キャベツを入れるタイミングは見逃した。頃合いを見て出来上がり。水分は飛んで、麺に旨味とコシが加わっている。

そぼろ肉の旨味が加わります

通常の焼きそばはそのまま盛り付けるのだが、肉そばは三代目が別個にフライパンで調理していた。ソース味にそぼろ肉の風味が加わり、味わいのコクがほどよく増す。つまみにピッタリ。ビールにあう、の煽りに嘘は無かった。昼のポテト入りも好みだが、現代ではこっちの肉入りの方が一般受けしそうだ。

売れ筋メニュー

焼きそばを食べてもまだお腹に余裕があったので、緑茶割り(300円)と牛スジシチュー(350円)を追加注文。他にも刺身から揚げ物、焼きそば以外の締めメニューまで、品揃えはバラエティに富んでいる。伝統の焼きそばとおでんをドーンと主軸に据えているから、何を出してもブレないんだろうな。

牛スジシチュー 350円

深みのある色のシチューに温野菜がトッピングされ、生クリームがあしらってある。柔らかく煮込まれた牛すじとデミグラスソースの濃厚な味わいで酒が進む。緑茶割りをもう一杯おかわりしてしまった。

老舗の焼きそば専門店が、お酒が主体の夜営業を始めた例としては、渋谷の「鉄板やきそば酒場 しぶやき」が思い出される。また、埼玉県行田市の「焼きそばバル 飯島屋」や同県川越市の「焼きそば居酒屋 どーも」など、北関東の地方都市でも焼きそばで飲める店が少しずつ現れつつある。

昔ながらの店が閉店というニュースが最近目立っている中、こういう新たな試みは貴重な事例だ。今後も注目していきたい。