かわとみ

この春、まるか食品が金粉入りのペヤングやきそばを発売するらしい。ソース焼きそばに本物の金を組み合わせるとは、かなり突飛な発想だ。しかし世の中は思った以上に広い。なんと金粉ではなく金箔を使った焼きそばを提供している店が実在する。

ペヤングソース焼きそば 金粉入り

その店の名前は「かわとみ」。焼きそばの町・群馬県太田市にある食事処だ。公式サイトのメニューページでは、金箔に覆われた焼きそばが紹介されている。

かわとみ 金箔入り焼きそば

ペヤングの本拠地・伊勢崎市はすぐ隣だし、群馬でこれだけ金が使われるってのは、赤城山の埋蔵金伝説は真実なのかも知れない。どれほど豪華絢爛な焼きそばか確かめてみようではないか。

かわとみ 上州太田焼きそばのれん会

かわとみを訪問したのは、とある日曜のお昼前。店舗はだだっぴろい田畑の真っ只中にあった。脇を用水路が流れている。こちらの店は上州太田焼きそばのれん会に所属しているが、世間的にはむしろ「なすの蒲焼重」で有名だ。

かわとみ メニュー

注文は道路に面したカウンターで行う。お食事メニューに金箔入り焼きそば(600円)が載っていなかったが、受け付けてもらえた。それとなすの蒲焼き重(900円)を注文。受付番号札を渡された。日曜昼の開店直後なので番号は1番。適当な席に腰掛けて、呼ばれるのを待つ。

かわとみ 客席の様子

客席はカウンターの裏手のプレハブと、開放的なテラス席がある。もともともっと少ない席数だったのだろうが、蒲焼重がメディアに取り上げられて増設したのかな。壁には有名人の色紙が多数飾られている。お冷とお茶はセルフサービス。

金箔入り焼きそば 600円

しばらくして金箔入り焼きそばが運ばれてきた。ん? 思ってたより、金箔が小さいぞ? 正方形ので覆われるかと思ったら、鰹節ほどのが2・3枚揺れているだけだ。箸で触るとシワシワに萎んで、どこかに紛れてしまった。うーん、埋蔵金は幻だったか。量は原価に左右されるんだろうなあ。

思ったほどではないが金箔はちゃんと入っている

気を取り直して焼きそばを食べよう。麺はもっちりした中太の蒸し麺。ところどころ焼き目あり。具はキャベツ、もやし、細切りキクラゲ。トッピングは青海苔、鰹節、紅生姜、そして金箔。

味付けは意外にもスパイシー

味付けは意外にもスパイシー。ピリ辛のソース味があとを引く。キクラゲもこういうスタイルのソース焼きそばで使われるのは珍しい。食感がアクセントになる。これだけ美味しい焼きそばなら、金箔じゃなくて、素直にポテト入りとかにすればよかったなー。

続いてなすの蒲焼重。ウナギの代わりにナスを使った蒲焼だ。メディアに数多く取り上げられている品なので、ご存知の方も多いだろう。

なすの蒲焼重 900円

こちらはイメージ通りの見た目だ。どこからどう見てもうなぎの蒲焼にしか見えない。厚くスライスしたナスをバーナーで炙ってタレを塗っている。それ二重に重ね、下には同様にスライスした鶏肉が潜んでいる。

どう見てもうなぎの蒲焼

さらにその下は刻みのりと白飯という多層構造。実際の味はナスと鶏肉だが、香りや見た目はウナギそのもの。精進料理では椎茸をアワビに見立てたりするが、それに似た遊び心を感じる。そしてちゃんと美味しい。

ナスと鶏肉の蒲焼

ご存知の通り、ニホンウナギは絶滅の危機に瀕しており、個人的にはここ数年食べるのを控えている。漁獲量が回復するか完全養殖が可能になるまでは、毎年夏の土用が近づくたびにメディアに取り上げられることだろう。赤城山の埋蔵金より、アイデアを活かした商品開発の方が掘り当て甲斐がありそうだ。