海員閣 (神奈川県横浜市)

8月8日、焼きそばの日まで、あと一ヶ月を切りましたねー。皆さんも焼きそば食べましょうね。


横浜中華街の香港路にある老舗の広東料理店、海員閣。「海員」とは船長を除く船員さんのこと。国際的な港町らしい屋号だ。公式サイトによると昭和11年(1936年)の創業という。

横浜中華街 海員閣

横浜中華街でも指折りの人気店で前々から訪問してみたかったのだが、代替わりに伴うリニューアルで昨年6月末で一旦閉店し、長期休業に入ってしまった。どうなることかと心配する声もあったが、今年5月29日に無事営業を再開した。

海員閣 営業再開のお知らせ

当面はランチタイムのみで客席も1階10席のみ試運転営業らしいが、とにかくめでたい。7月上旬の日曜、13時半頃にに訪問してみると、20人ほどの入店待ちができていた。リニュ―アル前と同様の人気ぶりだ。1人客ということで2組ほど飛ばして案内していただけたが、それでも20分近く待った。

海員閣 メニュー

1階は壁に面したカウンターが10席あり。唯一空いていた椅子へ案内されて着席。メニューはご飯類や麺類などに限定されている。その中から揚州炒麺(五目かたやきそば/850円)と焼売(シューマイ/500円)を注文。

厨房からゴォォォ……という音が聞こえてくる。こちらはコークス窯が有名だったが改装を期に廃止されたそうだ。それに代わる強い火力のガスレンジを使っているのだろう。

揚州炒麺と焼売

っと、7~8分で焼売が来た。焼きそばと一緒に食べようと手をつけずにおいたが、焼きそばが出てきたのはそれから30分後。すっかり冷えてしまったが、現在厨房は1人で廻してらっしゃるそうなので時間が掛かるのは仕方がない。

揚州炒麺(五目かたやきそば) 850円

揚州炒麺はパリパリの揚げ麺を使ったカタ焼きそばだ。麺の揚げ方によるものか、最後までパリパリだった。具は豚肉・イカ・エビ・ナルト・モヤシ・キャベツ・玉ねぎ・さやえんどう。味付けは淡白なスープがベース。割と甘めに味付けしてある。

揚げ麺は最後までパリパリ

以前、コラムで詳しく書いたが、戦前の支那料理店で焼きそばと言えば、この揚げ麺に餡を掛けたスタイルが標準だった。特に「揚州炒麺」という呼び名も往時を偲ばせる。「揚州」の意味については諸説あり、揚州商人の富貴にあやかって「豪華絢爛な」という形容を込めているという説もある。

揚州炒麺の餡は、アメリカ中華のチャプスイ(什碎)がルーツなのだが、この店には什碎飯(五目うまにごはん)や什碎麺(五目うまに麺)も置いてあるのが珍しい。具は豪華だが広東らしい淡白な味わいで、安心できる美味しさだ。

焼売(シューマイ) 500円

そしてお土産としても人気の焼売。「肉塊」という表現がしっくりくるボリューム感で食べ応えのあり。ちゃんとグリンピースが埋められているのが面白い。今回は卓上にあった酢と醤油とカラシでいただいたが、近代食文化研究会さんの調査によると、戦前は焼売にソースを掛けて食べることも多かったようだ。

肉の塊、食べ応え充分

しかも、かた焼きそばにウスターソースを掛けるレシピも見つかったというから面白い。現代でも長崎皿うどんでは同様の食べ方をするし、松阪の不二屋でもウスターソースが定番だ。お好み焼きからソース焼きそばが派生する前に、中華料理店で焼きそばとソースの出会いがあったというのはとても興味深い。

そんな感じで支那料理の揚州炒麺からソース焼きそばの誕生に想いを馳せつつ完食。この日のお会計は1350円。「お待たせしてしまって、すみません」という言葉に恐縮してしまう。現在はランチのみの営業だけど、いつかディナーでしか味わえない名物の一品料理も食べてみたいなー。

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隆意小吃店 (東京都杉並区)

とある週末、高円寺でランチを食べようと南口をウロウロしてたら線路沿いに気になる看板を見つけた。

高円寺 隆意小吃店 店頭メニュー

羊肉の串焼きや麻辣烫(マーラータン)などの品揃えからすると、中国の東北料理店らしい。焼きそばもある。

高円寺 隆意小吃店

店の名前は隆意小吃店(ロンイーシャオチーディエン)。新大久保や池袋西口の周辺だとそんなに珍しくも無いのだが、高円寺にまでこういう店が現れたとは。

高円寺 隆意小吃店 店内の様子

狭い階段で2階へ登り、店内へ。奥に長い造りで厨房に面したカウンターが7~8席。一番奥の窓際には4人掛けのテーブルも一つある。カウンターの頭上にもメニューが幾つか貼られていた。

高円寺 隆意小吃店 日本語メニュー

手元のメニューは表面が日本語で写真付き、裏面が中国語で書かれている。初めて訪問した日は店頭の看板にあった羊汤包子(ヤンタンパオズ・600円)を注文した。

羊汤包子(ヤンタンパオズ) 600円

「羊汤」はラム肉スープのこと。あっさり出汁で豆腐とラム肉を煮込み、香菜を浮かべたシンプルな品。滋味あふれる味わいだ。

手頃なサイズの肉まん 3個

「包子」は肉入りの饅頭。手頃なサイズ3個を蒸篭で温めなおしてくれた。芯の方はまだちょっと冷えていたが、ホカホカで美味しい。千切ったのをスープに浸して食べても美味い。

そして2週間後くらいに再訪。今度は焼きそば(500円)と焼き魚(380円)、生ビールを注文。

高円寺 隆意小吃店 中国語メニュー

焼きそばは中国語メニューで「炒方便面(チャオファンビェンミェン)」と表記されていた。「方便面」とはインスタントラーメンのことで、袋麺で使われるタイプの麺を使った焼きそばなのだ。

焼きそば(炒方便面) 500円

こちらでは茹で上げたインスタント麺を水で締めてから、具と炒めていた。中国ではインスタント麺は「意麺」とも呼ばれ、通常の麺と同様に使われる。特に香港では日本の出前一丁が人気で、通常のインスタント麺より高くなる場合もある。

野菜と玉子のシンプルな焼きそば

使われている具は具は玉子、モヤシ、青菜、玉葱、人参。味付けは中華醤油がベースで、ちょっとだけスパイシー。ゴマ油が香る乙な味の焼きそばだ。特に玉子が全体の味わいをベースアップしている。シンプルだが美味い。ビールにもあう。

焼き魚(烤鱼) 380円

焼き魚は中国語で「烤鱼(カォユィ)」。カワハギっぽい白身魚を串焼きにしている。味付けはタレを塗って、ゴマとクミンシードを塗してある。スパイシーだが白身魚の淡白な風味を殺さない程度の控えめな味付けだ。小骨が多めだがこれも美味しかった。

ネットで調べたところ、お店の方は黒竜江省の出身で、昨年2017年の9月ごろにオープンしたらしい。店員の女性は日本語が喋れないようだが、調理担当の男性は日本語も達者だ。エスニック料理が充実している高円寺に、東北料理店が増えたのはとても嬉しい。また夜にでも訪れて、他のメニューも試してみたいなー。

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鉄板家シュウ (東京都渋谷区)

渋谷の並木橋で営業している真打みかさ・渋谷店が、2月末に「鉄板家シュウ」へと屋号を変えた。自由が丘店も同様で、そちらは昨年8月に先んじて変更されている。

並木橋 鉄板家シュウ 渋谷店

これまで通り、自家製麺を使った焼きそばを提供するとともに、ディナータイムは鉄板焼系のメニューも加わったのが主な変更点だ。いろいろツマミに飲んで、締めに焼きそばという楽しみ方ができるようになった。

屋号変更の経緯

鉄板家シュウを最近訪れたのは先週の木曜日。店頭に券売機があるけど、飲む際は口頭での注文もOK。

厚切り牛上タン 1,400円

この日は生ビールと厚切り牛上タン(1,400円)をいただいた。柔らかく分厚い牛タンをワサビと塩でいただく。シンプルに美味い。

いいだこ焼き 600円

店主が韓国出身なので韓国系のおつまみも多い。日本ではあまり見かけない、いいだこ焼き(600円)なんて品もある。ピリ辛でコクがある。玉ねぎとの相性ばっちり。

ハラミ 1,000円

以前いただいたハラミ(1,000円)も絶妙な焼き加減で美味しかった。自由が丘の方は常連さんもついていて人気らしいが、渋谷も飲み屋としての使い勝手も良さそうだ。

鉄板家シュウ メニュー

焼きそばは前と変わらずソース味と塩味があり、中盛・大盛の値段も同じ。この日の締めは塩焼きそばの中盛(750円)に、スライスチーズ(100円)をトッピングしてもらった。

塩焼きそば(中盛750円)+スライスチーズ(100円)

その場で茹で上げた自家製麺のモチモチ食感は相変わらず。モヤシやネギのシャキシャキした歯応えに、トローッと溶けたチーズと卓上に置いてある辛味の唐辛子が風味を増す。

溶けたチーズが風味を増す

以前いただいたソース焼きそばも変わらぬ美味しさだった。ここで私からのお願いが一つ。「神保町・みかさ」と「高田馬場・真打みかさ」と渋谷のここは同一視や混同をされがちだ。しかし実際の焼きそばはだいぶ異なる。どこか一ヶ所を食べただけで、みかさ(あるいは真打みかさ)の焼きそば全体を評すべきではない。できれば食べ比べて欲しい。

ソース焼きそばも変わらぬ美味しさ

この日はビールをガンガンお代わりして、お会計は5千円ほど。すぐ近所にある鉄板やきそば酒場・しぶやきや、宇田川町のホルモン千葉など、焼きそばを楽しめる飲み屋が渋谷に増えてきた。未訪問だが、ぼっかけ焼きそばを味わえる「3・6・5酒場」という大箱もできた。ほんの2年前に「渋谷のラジオ」へ出演した際に、渋谷駅周辺の焼きそば店が全く無くて困った頃とは隔世の感がある。どの店もこの地で長く愛される店になって欲しいなあ。

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トーキョービーフン (東京都中央区)

今年の3月16日、銀座にビーフン専門店がオープンした。屋号はトーキョービーフンで、虎杖(いたどり)という飲食グループが母体。知ったきっかけはフォーリンデブはっしーさんのこのツイートだ。どんなお店なのか、確かめに行ってみた。

東急プラザ銀座店B2 トーキョービーフン

訪問したのは6月上旬の平日夜、19時半頃。東急プラザ銀座店の地下2階へエスカレーターで降りると、目の前にその店があった。客席は正面のカウンターが5席と壁際に2席ほど。先客1人。

看板には「ビーフン専門店」の文字

ご存知の通り、ビーフンは小麦粉ではなく米粉を使ったライスヌードルの一種だ。こちらでは国産米100%の米粉を使っていて、もちろんグルテンフリー。ビーフンを看板メニューに掲げる店というと新橋のビーフン東神戸のYunYunを思い出すが、専門店は実に珍しい。

トーキョービーフン メニュー

台湾や厦門、香港などが本場とされるビーフンだが、こちらのトーキョービーフンでは創作系のメニューを提供している。パクチーに担々、しらすに鯖オリーブオイル煮。種類が多くて目移りしてしまう。スムージーも飲んでみたい。

バターしょうゆが香ばしい炙りうにビーフン 1500円

注文したのは「バターしょうゆが香ばしい炙りうにビーフン(1500円)」。それと生ビール(アサヒ琥珀の時間/650円)だ。ビーフンには大山鶏のスープがセットになっている。さらに炙りうにビーフンは柚子の皮を削って掛けてくれた。爽やかな香りが食欲をそそる。

うにと野菜がたっぷり

ビーフンはちょっと太めだが湖南省の米線よりは細い。モチモチしたビーフン独特の食感だ。具はビーフンと別に調理されている。豚肉、桜えび、ズッキーニ、金針菜、インゲン、キクラゲ、山クラゲ、ピーナッツスプラウト、人参、ピーマン、赤パプリカを炒めた上にウニをトッピングして炙ってある。

ビーフンはちょっと太めでモチモチ

ガストーチで炙ったウニは期待以上の量で、文句なしの主役だ。母体の虎杖(いたどり)は築地場外でウニ専門店まで出している。それ以外の系列店にも、ウニを乗せた鯛ラーメンウニつけ蕎麦など、ウニを使った看板メニューが目立つ。グループとして、ウニに自信があるのだろう。この店にも単品メニューに炙りウニ(680円)があるので、それをツマミに飲むのも良さそうだ。

珍しい野菜も使われてます

味付けはメニューの通りバターしょうゆ。さらにカリッと焼いた薄切り豚肉と桜エビが風味と食感を添え、主役のウニを下から支えている。そこに加わるたっぷりの野菜。金針菜やピーナッツスプラウトなど、食材の選び方にも相当な拘りを感じる。ウニ抜きでも驚きに満ちた一皿だ。

スープでつけ麺風に食べても美味い

スープは滋味に富む味わいだ。「つけ麺のように食べても美味しいですよ」と勧められるままに試してみる。なるほど旨い。これまで何度かつけ麺風の焼きそばは食べてきたが、麺の味付けがあっさりしている方が合うことが多い。こういう遊び心も楽しい。

ビールと合わせてお会計は2150円。グルテンフリーで野菜たっぷり。女性を意識してそうなビーフンだが、食べ応えもあって美味しかった。他の具も食べに来なきゃだな。

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宝来軒 (山梨県大月市)

5月下旬の週末、山梨県南部にキャンプツーリングに出掛けた。帰りに寄ったのが大月にある宝来軒という大衆中華店。塩見なゆさんのSyupoの記事によると、ここにちょっと変わった焼きそばがあるらしい。

大月市 宝来軒

訪れたのは良く晴れた日曜日の昼下がり。大月駅の南にある商店街から路地を入ると、趣のある看板と出前用のカブが出迎えてくれた。

宝来軒 店内の様子

店内に足を踏み入れると、古びた冷蔵庫が目に飛び込んできた。時間が培った存在感。客席は店内テーブルが2卓と座敷席が幾つか設えられていた。常連らしき先客グループは既にビールを何本か空けている。正しい日曜の午後の姿だ。

宝来軒 メニュー1

テーブルに着席にし、お冷を片手にメニューを確認。ラーメンやご飯ものが並んでいる。「芋揚げラーメン」や「馬刺(時価)」なんて品が気になる。

宝来軒 メニュー2

一品料理に「もつ煮」もある。山梨県は馬のモツ煮を出している店も多いが、こちらは馬ではなく豚だそうだ。ここ大月や都留のある郡内地方は、甲府盆地と気候や食文化が少し異なっているが、そのせいだろうか。

こがね焼きそばとスープ

注文したのはこがね焼きそば(800円)と餃子(500円)。10分ほどで焼きそばと付け合せのスープが、さらに5分ほど経って餃子が運ばれてきた。

こがね焼きそば 800円

こがね焼きそばは中細麺をカリカリに焼き、周りを玉子で固めてある。麺の中には具材たっぷりの中華餡。あの梅蘭の両面焼きそば的な品なのだ。

麺にはしっかり焼き目が

麺にはしっかり焼き目が付いていて香ばしい。餡の具はキャベツ、人参、モヤシ、キクラゲ、タケノコ。天辺だけでなく、中にも紅生姜が入っていた。

麺はかなり酸味が効いてる

餡の味付けはかなり酸味が効いてる。紅生姜か、キュウリの漬物か、それともザーサイか、漬物汁のような酸味だ。油っこくて思った以上にこってりしているが、その酸味で幾分か爽やかな味わいに。玉子もたっぷり使われているため、食べ応えがある。

餃子 500円

餃子は焼き面が素晴らしい。モチモチの皮とパリッとした焼き目。ニンニクが香るパンチの効いた餡で、こちらも食べ応えあり。Syupoによると、注文が入ったら皮を広げるところから始めるそうだ。本格派~。

地元密着型の食事処

お腹も膨れて、お会計は1300円。自分の嗜好にピッタリの地元密着型の食事処だった。東京から微妙な距離だけど、またツーリングの帰りにでも寄らせてもらおうっと。

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Shaka Noodle Shack (アメリカ - カンザスシティ)

長かったアメリカ東海岸の焼きそばレポートも今回が最後です。はー、長かった。楽しんでいただけましたでしょうか?


グァテマラのチャオミン・トスターダに、フォールリバーのチョウメン・サンドイッチ。世界には思いもよらないスタイルの焼きそばパンがある。カンザスシティで見つけたローメン(Lo Mein)・ブリトーも、かなり変わった品だった。

Kansas Cityの場所

今回のアメリカ旅行では、ニューヨーク・ボストンのあと、カンザスシティへ寄った。北アメリカのど真ん中。ミズーリ州の州都とはいえ、ニューヨークやロザンゼルスに比べると小さな街だ。目的はBABYMETALのライブで、滞在も2泊のみ。短期間だったが名物のカンザス式BBQを食べたりして楽しんだ。

せっかく訪れるのだからと、カンザスシティの焼きそばについても調べてみた。変わり種はあまり期待していなかったが、なんと焼きそば入りのブリトーを売ってる店が見つかった。店の名前はShaka Noodle Shack。場所は市街地中心部から離れた北の郊外、North Kansas Cityだ。3ドルの一日乗り放題券(Day Pass)で路線バスを乗り継いで訪問してみた。

Kansas City の路線バス

滞在しているホテルから1時間ほどでNorth Kansas Cityへ到着。店から最寄りのバス停で降車した。しかし何だか様子がおかしい。なんと、ほんの2ブロック先で火災だ!

目的地の近所で火事でした

消防車が次々とやってきて消火活動を行っている。その様子を心配そうに眺める地元住民。大変な事態だが、時間も限られている。他のブロックへの延焼は無さそうなのを見届けてランチへ向かった。まさかこの火事が後で影響しようとは……

Shaka Noodle Shack, North Kansas City, MO

Shaka Noodle ShackはNorth Kansas Cityのアーマー・ロード(Armour Rd)沿いに店を構えている。屋号にShaka(釈迦)と付けているだけあって、東洋趣味がコンセプトらしい。 FBの指摘で知ったのだが、屋号の「Shaka」は「釈迦」の意ではなく、ハワイで普及しているハンドサインのことらしい。

Shaka Noodle Shack 店内の様子

内装も黒澤明にゴジラ、ブルースリーなどの映画ポスターや、日本を中心としたアジア圏のグッズが飾られている。センスもあり格好いい。こういうのがめっちゃ好きなんだろうなあ。

Shaka Noodle Shack メニュー

メニューには麺料理やサンドイッチなどが並ぶ。Thai Kick Noodles w/ Meatballs や Bollywood Udon、Hot Dog Musubiなどユニークな名前かつ、エスニック・テイストの品が並んでいる。

Lo Mein Burrito メニュー詳細

その中の一つが目的のローメンブリトー(Lo Mein Burrito $7.99)だ。具(Meats)とソース(Sauces)を選べ、具は豚肉(Pork)、ソースはピーナッツソース(Pinuts Sauce)を指定。ドリンク($1.55)と併せて、税込みで合計$10.25。

「名前は?」
「Sony」

海外のテイクアウト中心の店では、出来上がったら呼ぶために名前を訊かれることが多い。以前はちゃんとした本名を伝えていたが、聞きなれない日本名だと全く通じず、余計なやり取りが発生する。なのでこういうときは「Sony」とか「Toyota」とか、日本を連想する大企業の名前などを使うようにしている。

空っぽの容器を渡され、ドリンクバーではダイエットペプシを汲み、席で待つ。500mlくらい入りそう。しばらくして「Sony!」と呼ばれた。

アルミホイルの包みを渡された

受け取りカウンターへ行くと、アルミホイルの包みを渡された。予想以上にずっしりと重い。サイズも重さも、500gの乾麺パスタの包みと同程度だろうか。ホイルを開くと薄いパンの包みが露わになった。

薄いパンで包んだブリトー

ブリトー(Burrito)は小麦粉を使ったトルティーヤのこと。そのトルティーヤ=薄いパンに色んな具を包んだ料理だ。日本のコンビニでも販売しているが、本来はこのサイズ。だいたい2.5倍くらいの太さがある。

Lo Mein Burrito $7.99

ナイフで2つに切り分けて断面とご対面。中にはローメンなどの具がみっしり詰まっている。このブログでも何度か紹介したが、アメリカのローメン(Lo Mein)は一般的に混ぜ炒めた焼きそばを指す。ってことは、これも焼きそばパンの一種なわけだ。

中には混ぜ炒め焼きそば=ローメンが

麺はうどんのような、やや平打の柔らかい麺を使っていた。具は人参、セロリ、茹で卵のスライス、豚ひき肉など。斜めに切ればもっと分かりやすかったな。次から気を付けよう。

ピーナッツソースほか、エスニックな風味

味は普通に美味しい。ベースの味付けはややスパイシー。ピーナッツソースはインドネシアのサテアヤムなんかに使われるやつか。芝麻醤にも似た風味で香ばしい。ただ一口でかぶりつけない太さなので食べるのに難儀する。

2分の1を食べた段階で、かなりお腹一杯。残り半分は食べるペースも落ちてきた。この薄いパン自体もかなり食べ応えがある。巻く前の状態はお店がFBにアップしていたこの写真が分かりやすい。

最後に残る端っこは具がなくなってほぼパンだけ。ちょっとつらかったが、どうにか完食。空腹から一気に満腹に至るボリューム満点の焼きそばパンだった。他のメニューも試してみたいが、もちろんそんな余裕はない。

店を出ても火事はまだ鎮火していなかった。火災に伴う交通規制で路線バスが本来のルートからズレてしまい、捕まえるのに一苦労。2本乗りそこねて、予定より1時間帰りが遅くなった。

今回の11泊12日間のアメリカ旅で食べた焼きそば系料理は15品。ようやく記事も書き終えた。今回も世界の広さと焼きそばの可能性を感じる旅だった。次はブラジルへ行きたいな……

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Sarku Japan, Corner Mall (アメリカ - ボストン)

Sarku Japanは、TeriyakiやSushiなどを提供しているアメリカの日本料理チェーンだ。公式サイトでは「米国で最も成功した最大の日本ファストフードチェーン」を謳い、――たぶん経営に日本人は関わっていないだろうけど――日本の食文化について語っている。本社はカナダにあるが、こちらの記事によると設立は1987年のボストンらしい。

The Corner Mall, Downtown, Boston, MA

ボストン滞在中に調べてみたら、市街中心部にあるThe Corner Mallのフードコートに、そのSarku Japanの店舗があると分かった。Yelpでの評判はあまり芳しくないけど、ロンドンのWagamamaと同様、どんな日本食なのかはチェックしておきたい。あまり気乗りはしないが、ボストン最後の夕方に行ってみた。

The Corner Mall Food Court

目的のフードコートは地下鉄のDowntown Crossing駅のすぐ近くにあった。閉店時間が18時半と早いのだが、日曜ということもあり、家族連れでかなり混んでいる。海外のフードコートは、現地の生活を目の当たりにできて面白い。

Sarku Japan, The Corner Mall

フードコートにはSubwayやDunkin’ Donutsなどおなじみのチェーンが出店している。それに混じってSarku Japanは奥まった一角にあった。今さらだが、”Sarku” の読み方が分からない。「サーク」で良いのかな? どんな意味だろ? 日本語って難しいね。

Sarku Japan メニュー

Teriyakiの中でもChickenが代表メニューで、基本はご飯に乗せられて提供される。50セント払うと、ご飯の代わりに炒めた麺(Soba Noodle)も指定できる。そう、つまりそれは焼きそばだ。

この日注文した品々

寿司や揚げ餃子とセットになったBENTO BOXを注文するつもりで来たが、残念ながらこの店舗ではやってなさそうだ。Chicken Teriyaki($6.99)をWith Noodles($0.50)で。あとSmallサイズのコーラ($1.69)を注文。サイドオーダーだろうか、「野菜は要るか?」と訊かれたので「No, thanks」と答える。

調理は鉄板で

調理人は中国系っぽく、他の店員も日系人は皆無。注文を受けると、右側の鉄板で麺とテリヤキがそれぞれ調理される。写真はスクレイパーで鉄板を掃除してるとこだが、調理器具はターナーと呼ばれる縦長のフライ返しを使っていた。中華鍋ではないし、お好み焼用のヘラでもない。

なぜ容器につまようじを刺すのか

焼きあがったら発泡スチロールの容器に麺とテリヤキを盛り付けて出来上がり。それにしても、なぜ容器につまようじを刺すのか。しかも2ヶ所。謎だがそれは見なかったことにして、手近なテーブルに移動していただきます。

テリヤキチキン焼きそばとコーラ

容器は弁当用に作られたもので仕切りもあるが、それを全く無視してドサッと盛り付けられている。使われている食材は麺と鶏肉のみという、めちゃくちゃ偏った構成だ。さっき「野菜は要る?」と訊かれたのは、どうやらサイドメニューではなく無料トッピングだったらしい。

Teriyaki Chicken w/ Soba Noodles

「あのときYESと答えておけば良かった」

そう思ったが、この投稿を見る限りだと仮に野菜をお願いしても大した違いは無かった。前回紹介したhoneygrowとは好対照だ。『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』という本があるが、食が両極化しているのは日本だけでは無さそうだ。

鶏肉が期待より美味しい

まずは鶏肉をひとくち。あ、思ったより美味しい。甘辛のテリヤキ味で、味わいに深みは足りないが、焦げた部分のクリスピーな焼き加減なんかは期待以上だ。なかなか、やるじゃん、Sarku Japan。

麺は正直美味しくない

続いて麺をひとくち。あ、美味しくない。中太の玉子麺で麺自体は悪くないが、下味も何もなく、ただ油で炒めてあるだけだ。炒め方も特に工夫は感じられない。他の食材を同じ鉄板で焼いたあとの掃除が甘いのか、微妙な生臭ささえ感じる。

ただ不味いというほどではない

麺にせめて塩・コショウくらいは振って、油ももう少し控えればもっと美味しくなるだろう。ただ、トータルでいうと不味いというほどではない。Wasabiには及ばないが、Wagamamaよりは全然ましだ。予想通り量が多く、途中で食べ飽きはしたが問題なく完食。

食べ飽きはしたが完食

日本語が通じそうな店員は一人もいないし、こんな料理を日本で見たこともないけれど、味とボリュームという点ではアメリカで受けるのも納得できる。

Wagamamaもそうだが、たとえ日本と無関係で自分の口に合わなくても、海外で成功した日本食チェーンには見習うべき点が多い。特に海外への展開やインバウンドには不可欠だと思う。寄ってみた甲斐はあった。他人にオススメはしないけど(笑)

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honeygrow, Brooklyn (アメリカ - ニューヨーク)

長かったアメリカの焼きそばレポートもあと3回を残すのみとなりました。これまでに紹介しきれなかった各滞在地の品々を取り上げます。

それにしても週に3回更新ってのは、今の私の生活リズムだとやはりキツイですね。特にアメリカの記事は文章量や写真点数も多くなりがちで、1つの記事に時間が掛かっちゃいますし。残り3回のうち現段階でまだ今回分しか清書が終わっていません、そろそろ日本の焼きそば情報も出したいし、今週中に紹介し終えるように頑張ります。


ニューヨーク市ブルックリン。ファッションや飲食など、最先端の流行の発信源として注目を集めるエリアだ。観光としても、マンハッタン島からブルックリン橋を徒歩で渡るコースが人気である。

ニューヨーク、ブルックリン橋にて

今回紹介するのは、そのブルックリンにあるhoneygrowというお店。honeygrowは2012年にフィラデルフィアで設立された飲食チェーンで、フィラデルフィアやニューヨーク、シカゴやボストンなど、アメリカ東部を中心に約30の支店を展開している。

honeygrow, Brooklyn, NY, US

honeygrowのブルックリン店は地下鉄・Borough Hall(ブルックリン区庁舎)駅から徒歩1分の距離にある。オーガニックやフェアトレードなどを強く意識した経営方針と斬新な食体験というコンセプトがこのブランドの特徴だ。この動画を見ると、なんとなく方向性が分かるのではなかろうか。

斬新な食体験という点では、例えば注文方法からして独特だ。店内にはタッチパネル式の端末が用意されていて、ここで注文を行う。

honeygrow 注文カウンター

客はスマホアプリの要領で端末を操作し、品物や味付け、好みのトッピングを指定する。決定して、クレジットカードを通せば、そのまま会計まで済ませてくれる。

honeygrow 端末のUI

具体的なメニューは頭上の壁にも貼りだしてある。大きく分けて”Stir-Fry”と”Salads”に区分される。”Stir-Fry”は食材を文字通り混ぜ炒めたもの。”Salads”はサラダ。そのまんま。”V”や”GF”の記号は、ヴィーガン(絶対菜食主義者)向けやグルテンフリーを示している。

honeygrow メニュー

食材は食物繊維が豊富だったり、高淡白・低カロリーだったり、総じてヘルシー志向だ。例えばStir-Fryに加える炭水化物だけでも、玉子麺・全粒麺・玄米・ライスヌードル、さらにケール入りの麺などが用意されていた。麺を選べばStir Fry Noodles。つまりは焼きそばだ。

今回の注文票

他の食材や味付けも自由にカスタマイズ可能だが、オススメの組み合わせも用意されている。今回はその筆頭、スパイシー・ガーリック(Spicy Garlic $10.49)と”green is good($5.99)”というドリンクを注文した。

honeygrow カウンター

端末で注文した内容は厨房へ自動的に送られる。”stir-fry”と呼ぶだけあって、調理は中華鍋を使っていた。ちなみにスタッフの福利厚生が充実しているのもhoneygrowの売りのひとつだ。

honeygrow 飲食スペース

客は料理が出来上がるのを飲食スペースで待つ。この空間もスタイリッシュだ。区分としてはファストフードなのだろうが、それを感じさせない。今回は開店直後の口開けだったので先客はいなかったが、ピーク時はかなり混雑するらしい。

番号の呼び出しはクラシカル

料理が出来上がるとレシートに記載された注文番号で呼ばれる。その仕組み自体は他でも良くあるが、ここの番号呼び出しはとてもクラシカルな表示だ。デジタルとアナログのギャップが面白い。

調味料も置かれてます

「カシャカシャカシャ……」っと番号が表示されたら、カウンターへ行ってトレイを受け取る。先ほどの番号表示のところに調味料や箸・フォークなどが置かれているので、必要なものを取ろう。割り箸もあったが、今回はあえてフォークを使用。あとシラチャソースを小カップで貰った。

Stir-Fry: Spicy Garlic & green is good

こうして受け取った、Stir-Fry: Spicy Garlic。パッと見はカラフルな焼きそばだ。器が変わった形で、どんぶり状だが縁が2ヶ所向き合う形で凹んでいる。箸を置くための窪みか、はたまたレンゲ用か。分からん。

Spicy Garlic $10.49

麺は中細の自家製玉子麺。生茹でかと思うほど、コシが強い。あらかじめ固めにボイルした麺を、軽く湯掻いているのかな。自分で解しながら食べないと、具と絡んで玉になってしまう。

麺は中細の自家製玉子麺

具は鶏肉、赤玉ねぎのみじん切り、ほぼ生のピーマン、ブロッコリー、パセリ、そして角切りのパイナップル。鶏肉もただの鶏ではなく、防腐剤などを含まない無添加の鶏肉(all-natural chicken)だそうだ。メニューに食材が全て書かれていると、メモを取らなくていいから助かるなあ。

味付けはSpicy Garlic Sauce

味付けはSpicy Garlic Sauce。具体的な内容は謎だが、スパイシーというだけあって辛い。ソイソース・ケチャップマニス・シラチャソースあたりが頭に浮かぶ。パイナップルの味を全面に出ている一方で、動物系の旨味は感じず。未経験の不思議な味で正直あまり好みではないが、「こういうのもありか」とも思わせる。何度も味わうと癖になるのかも知れない。

green is good $5.99

“green is good”というドリンクは、文字通り緑の野菜を中心にしたジュースだ。緑の他に、赤とオレンジもある。キュウリの青臭さが最初は気になったが、飲むうちに慣れてきた。ビタミン不足になりがちな旅なので助かる。

全体的に麺や肉より野菜が多く使われているのが印象的だった。欧米で創作系の焼きそばを食べると、大量の麺にそれと同量の肉が入っているケースが多かった。honeygrowの場合は健康志向の強い客層をターゲットにしているのと、ブルックリンという土地柄もあってのことだろう。

スタッフも親切で好印象。他の店でも感じたことだが、今のニューヨークに飲食系で受け入れられるためには、健康志向であることが不可欠に思う。あとは見た目や食べ応え、体験としての食事という観点かなあ。焼きそばのみならず、飲食のこれからの方向性を考えさせてくれる示唆的な店だった。東京にも出店しないかな。

minigrow, W29th St & 7th Ave

ちなみにhoneygrowにはminigrowという持ち帰りメインのブランドもある。そちらはどんなものだろうとマンハッタンの7番街(7th Ave)西29丁目(W29th St)の支店に行ってみた。

minigrowはこんな感じ

こちらも基本的なシステムやコンセプトはhoneygrowと同様だ。炒めていないので焼きそばではなく混ぜ麺・和え麺なのだが、味自体は美味しかった。興味のある方は両方チェックしてみてね。

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Classic Cafe (アメリカ - メドフォード)

アメリカ式中華料理、チャプスイ。野菜や肉を炒めてとろみをつけたごった煮料理で、前回はサンドイッチの具だったが、本来はご飯に掛けるのが一般的な食べ方だ。揚げ麺に掛けることでカタ焼きそばが誕生したこともあり、焼きそばとも関係が深い。例えば日本でも「チャプスイ麺」という名前であんかけ焼きそばを提供している店があるし、インド中華ではカタ焼きそばをそのままズバリ「アメリカン・チャプスイ(チョップシ)」と呼んでいる。

ボストン オレンジライン

ところで、ここから話がややこしくなる。ボストンのあるマサチューセッツ州を含む、アメリカ合衆国北東部のニューイングランドと呼ばれる地域にも、実は「アメリカン・チャプスイ(American Chop Suey)」と呼ばれる家庭料理が存在する。これがマカロニをトマトベースのソースで煮込んだ、全く中華料理とかけ離れた品なのだ。

Classic Cafe, Medford, MA

実際に食べてみたいが、家庭料理のためか提供している店の情報がほとんど無い。それでもボストン近郊を丹念にリサーチしたところ、ボストン市街の北西5マイルの距離にあるメドフォード市(Medford)に、Classic Cafeという店を見つけた。ニューヨークからボストンへ移動した当日、地下鉄とバスを乗り継いで訪れてみた。

Classic Cafe 店内の様子

Classic Cafeに到着したのは13時半過ぎ。店舗は閑静な住宅街の1角にあった。営業時間が朝7時から午後3時までだが間に合ってよかった。店内は落ち着いた雰囲気でボックス席が幾つか置かれている。先客は1人だけだったが、あとからポツポツと地元のお年寄りが訪れてきた。BGMは低音量の無難なポップス。文字通りクラシックなカフェだ。

ホワイトボード メニュー

手近な窓際のテーブルに着席。ウェイトレスさんがメニューを持ってきてくれたが、目的の品はホワイトボードの「おばあちゃんの料理(Grandmother’s Dishes)」に書かれていた。左半分の上から7品目、”American Chop Suey with Parmesan ($9.99)”。パルメザンチーズ入りなのね、と頷きつつ、アメリカン・チャプスイとブラックコーヒー($1.99)を注文した。

Coffee $1.99

ブラックコーヒーはマイルドで量たっぷり。日本で「アメリカン」と呼ばれるタイプによく似ている。そういえばアメリカ人は一般的に紅茶よりコーヒーを好むそうだが、それが今回滞在したボストンと無関係では無いらしい。

ボストン茶会事件の記念館

1773年、イギリス政府が定めた植民地に不利な紅茶への課税(茶法)に対し、アメリカでは「代表なくして課税なし」をスローガンにイギリス政府に対する反感が高まった。その流れでイギリス東インド会社の船に積まれた紅茶を海に全て投げ捨てた、あのボストン茶会事件が発生する。イギリスへの対抗意識から紅茶の不買運動も起き、代わりにコーヒーを愛飲する人が増えたそうな。

American Chop Suey with Parmesan $9.99

そんなエピソードを思い出しつつコーヒーを啜ること、たっぷり15分以上。ようやくアメリカン・チャプスイが出来上がった。事前の情報の通り、中華料理のチャプスイの面影は全くなく、インド中華のアメリカン・チャプスイとの関連性もなさそうだ。とりあえずいただこう。

マカロニと牛ひき肉、トマトソースのごった煮

使われている食材はマカロニと牛ひき肉、トマトソース。パルメザンチーズは混ぜ込んであるのかな。それらを深みのある耐熱容器に入れてオーブンで焼き上げた、いわゆるキャセロール料理の一種だ。肉の煮物という意味ではラグーと呼んでも良いのかな。

味付けの塩梅が絶妙でめちゃウマ

肉とトマトの他にもいろいろ香辛料も加えているのだろう。味付けの塩梅が絶妙でめちゃウマい。緑の野菜も混じっていたが、これはグリーントマトっぽい。アンチョビが香るガーリックトーストが添えられていて、それに乗せても相性バッチリ。卓上のチリソースを加えても良し。量たっぷりでパット見は大丈夫かなと思ったけど、こんなに美味しいなら文句なし。問題なく完食した。

ガーリックトーストとも合う

それにしてもこれを「アメリカン・チャプスイ」と名付けるセンスがやはり面白い。こちらの記事でも分析されているが、たぶん「ごった煮」的な意味合いで「チャプスイ」という名前がつけられたのだろう。同じくマカロニを使ったマカロニ・アンド・チーズを先日紹介したが、個人的にはこっちの方が好みだな。美味しければ結果オーライ。

お会計は$12.82

ウェイトレスさんもさり気なくコーヒーのお代わりを注ぎに来てくれたり、接客も素敵なカフェだった。お会計は$12.82+チップ。滞在期間がもっと長ければ、こういうお店をもっと丹念に食べ歩いてみたかったなあ。

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Salem Lowe (アメリカ - セイラム)

前回、マサチューセッツ州フォールリバーという町のチョウメン・サンドイッチを紹介した。似たような品になるが同じ州のセイラム(Salem)という町には、チャプスイ・サンドイッチを名物にしている店がある。アメリカ式中華料理の代表的な料理、あのチャプスイのサンドイッチだ。

マサチューセッツ州 セイラム(Salem)

セイラム(Salem)はボストン中心部から北に25㎞ほどの距離にある。ボストンのNorth Stationから、Newburyport/Rockport Lineという鉄道でセイラム駅へとやってきた。この町では17世紀にセイラム魔女裁判と呼ばれる事件があったのだが、現在はそれを観光資源にしている。なんともたくましい。

干潟で貝を掘ってる人たち

駅に着いたらZagsterというアプリを使って自転車を借り、海岸沿いの自転車用ルートを伝って目的地へ移動。干潟では地元の人が貝を掘っていて、その周りには海鳥がお裾分けを狙っていた。長閑な港町の風景を眺めつつ自転車を漕ぐ。

Salem Willows Park, MA

セイラム・ウィローズ・パーク公園(Salem Willows)に到着したのは正午近くの時間帯だった。1858年に設立された公立公園でメリーゴーランドなんかも設置されている。地元では郷愁を唆るスポットとして知られているらしい。

セイラム・ロウ(Salem Lowe), Salem, MA

園内へ入ると広い駐車場になっていて、それに面して入り口から海岸までレストランや売店が一直線に並んでいる。突き当り少し手前の右手に店をかまえるセイラム・ロウ(Salem Lowe)が、今回の目的の店だ。夏期だけここで営業している中華料理の売店で、基本はテイクアウトだが、店内に飲食スペースもある。

セイラム・ロウ(Salem Lowe) メニュー1

メニューには昔ながらのアメリカ式中華料理が並んでいる。どの品の値段も安く、いかにも地元密着店という感じでお客さんがやってくる。Sandwichesの欄の筆頭にあるのが、ここの名物、チャプスイ・サンドイッチ(Ch. Chop Suey Sandwich $2.29)だ。

セイラム・ロウ(Salem Lowe) メニュー2

さすがにサンドイッチだけだとこのブログの趣旨から外れるので焼きそばもいただこう。サイドオーダーとして選んだのは一番小さなロースト・ポーク・ローメン(Roast Pork Lo Mein $2.24)。さらに缶のコカ・コーラ($1.12)も注文して、お会計は税込みで6ドルちょっと。うーん、安い。

こんなパッケージで渡されます

注文した品はすぐに出てきた。受け取って、適当なテーブルを探す。着席すると早速カモメが舞い降りてきた。獲物を狙う肉食獣の目だ。掠め取られないように注意しながらいただきます。

チャプスイ・サンドイッチ&ロースト・ポーク・ローメン

まずはチャプスイ・サンドイッチ。このブログでは何度も紹介してきたが、チャプスイはアメリカ式中華料理で、肉や野菜を炒めてとろみのついたスープを絡めた旨煮のこと。ご飯に掛ければ中華丼、揚げた麺に掛ければかた焼きそばだ。

Ch. Chop Suey Sandwich $2.29

ここのチャプスイの具はほとんどモヤシで、ほんの僅か、鶏肉も混じっている。メニューの正式名称 “Ch. Chop Suey Sandwich” の冒頭に”Ch.”って頭についてるのはチキンを指す。この量ではたしかに”Chicken”じゃなくて”Ch.”表記が相応しい。モヤシはぐずぐずになるまで加熱されている。しかし鶏出汁に塩味が程よく効いてて、これが実に美味い。

ほとんどモヤシ、わずかに鶏肉

バンズは表面カリッとしてフワフワやわらか。下側のバンズは、前回のチョウメン・サンドイッチと同じく、チャプスイに埋もれている。もちろんデロデロ。でもチャプスイとの相性はバッチリ。期待以上に良い味わいだ。人も食べ物も見た目やスペックで判断しちゃいかんね。

Roast Pork Lo Mein $2.20

ロースト・ポーク・ローメン(Roast Pork Lo Mein)は小さな紙の箱に入っている。映画やドラマでよく見るやつだが、こんなに小さなサイズもあるんだね。麺は平打麺で、具が赤いチャーシューとモヤシを使用。本来の中国語「撈麵(捞面/ローメン)」は混ぜ麺・和え麺で炒めていない。しかしアメリカでは混ぜ炒め焼きそばをローメンと呼ぶことが多く、この店もたぶん炒めている。

麺とチャプスイを絡めて食べても旨い

味付けは甘じょっぱくちょっとオイリー。醤油もついてくるが使わずじまい。ローメンにチャプスイを絡めて一緒に食べるのもなかなかいけた。手頃なセットだし、味以上に体験として大いに満足できた。味や価格などではなく、思い出と共に語られる食べ物。こういう品は国が違っても大切にしたいなあ。

麺とチャプスイを絡めて食べても旨い

ちなみにこのセイラムという町は、ラヴクラフトという作家が創作した『クトゥルフ神話』に登場する都市「アーカム」のモデルらしい。前回の経由地、プロヴィデンスはラヴクラフトの出身地ということもあり、同作品群が好きな方にとっては聖地巡りとしても楽しめるだろう。

そんなわけで、もしセイラムを夏に訪れる機会があれば、ぜひチャプスイ・サンドイッチをどうぞ。

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