東京シェフズキッチン 焼きそば (東京都大田区)

羽田空港の第一旅客ターミナル。その地下に東京シェフズキッチンというフードコートがある。私も最近知ったのだが、昨年の10/7、このフードコートに焼きそば専門店がオープンしたらしい。これも第4次焼きそばブームの余波だろうか。どんなお店かを確認しに行ってみた。

羽田空港第一T フードコート

2月中旬、平日の10時半ごろに訪問。この日、別にどこかへ旅立つ予定があったわけではない。焼きそばを食べるだけのために羽田空港までやってきた。そんなことするのはたぶん私くらいなものだろうな、と自嘲気味に目的の店を探す。

東京シェフズキッチン 焼きそば

焼きそばのブースはフードコート突き当りの一番左側にあった。スタッフは男女二人。他のブースはちゃんと屋号があるが、ここは単なる「焼きそば」だ。小さく頭に「こだわりの」が付いているだけで、一般名詞なのがちとさびしい。しかしまあ、分かりやすいと思えば良いか。シンプル・イズ・ベストってやつだ。

東京シェフズキッチン 焼きそば メニュー

メニューは「ソース焼きそば(750円)」と「釜揚げシラス塩焼きそば(860円)」の2つだけ。普段なら初訪問時は基本のソースを注文するのだが、この日はあえて釜揚げシラス塩焼きそばを注文。それとメニュー下部に載っているコッペパン(200円)も付けてみた。支払を済ませると「出来上がったらお呼びします」と呼び出しブザーを渡される。セルフサービスのお冷を汲み、適当な席に腰掛けて待つ。

5分余りでブザーが振動した。焼きそばとコッペパンの乗ったトレイを受け取る。カウンターには紅生姜、青海苔、マヨネーズが置かれていた。紅生姜と青のりをトッピングして席へと戻る。

塩焼きそばとコッペパン

麺は中太の蒸し麺。こういうフードコートだともっと細い麺が一般的なのだが、モチモチ感のある太さで、しかもきっちり焼いてある。カリカリ感にまで気を配っているあたりに店側の本気度を感じた。

釜揚げシラス塩焼きそば 860円

具は釜揚げしらすにざく切りキャベツ、ニラ。天辺に糸唐辛子。青海苔を掛け、紅生姜も添えてみたが、塩焼きそばはそのままで良いかも知れない。

麺がしっかり焼かれているのが嬉しい

味付けはしらす本来の旨味を活かしたシンプルな塩味。説明書きによると昆布と鰹節の出汁を効かせているそうだ。大ぶりに刻まれたキャベツや、適度に火の通ったニラの甘味も風味を増している。フードコートということで正直あまり期待していなかったのだが、これは美味いなー。

コッペパン(200円)を付けて手製焼きそばパンに

そしてコッペパン。このパンもちゃんと温めなおしてあり、表面はカリッとしている。適当な量の焼きそばを挟み、手製焼きそばパンにして食べてみた。お、結構いけるぞ。

パンを付けて自分で挟むというスタイルは野郎ラーメン中目黒店で経験済みだ。ソースなら間違いないのだろうが、意外と塩味との相性もよかった。あとから看板を読み返したら「マヨネーズを塗ったコッペパンに……」と書いてあった。あー、確かにマヨ塗った方が馴染みそうだ。

旅の前と後にどーぞ

こういうフードコートに、オリジナルのちゃんとした焼きそば専門店ができるなんて、実はなかなか画期的な出来事だと思う。国内線ターミナルなので「帰国直後に日本の味を懐かしんで……」とはならないだろうが、フライトまでの時間が余ったらぜひ寄ってみてほしい。その際はどうぞコッペパンも忘れずに。

焼きそば

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真打みかさ 渋谷店 (東京都渋谷区)

2/25(土)、あの自家製麺やきそば専門店、真打みかさの新店がオープンした。しかも場所はなんと渋谷だ。人気の焼きそば専門店が、いよいよ渋谷に進出という点だけでも話題性は十分。早速、オープン当日の昼前に訪問してみた。

並木橋交差点 真打みかさ 渋谷店

っと、本題に入る前に「真打みかさ」について軽くおさらいしておこう。真打みかさは昨年4月、神保町の超人気店・みかさを立ち上げた福島三郎氏が高田馬場に開業した焼きそば専門店だ。ただし神保町みかさ真打みかさは互いに独立した経営で系列店ではない。別に喧嘩別れではないし今も店主同士の交流もあるそうだが、あくまでも別の店だ。

その高田馬場の真打みかさから、暖簾分けという形で昨年7月、真打みかさ自由ヶ丘店がオープン。オーナーは本田さんという女性で、ここ渋谷店もその本田さんによる出店だ。ちょっとややこしいが、自由ヶ丘店の分店みたいなものと思っておけばよい。たぶん。ま、私もただの客なので、あまり突っ込んで聞けてないのだ。

真打みかさ渋谷店 店内の様子

さて、その真打みかさ渋谷店。場所はウインズ渋谷からもほど近い、並木橋交差点の脇にある。角にあるターリー屋から青山学院方向に上る坂を見上げれば、ビルの看板が目に入ることだろう。客席はカウンターのみで10席足らず。腰掛けた時の背中側のスペースが割と広いので、圧迫感がないのが嬉しい。

真打みかさ渋谷店 券売機

オーダーは食券制で店頭に券売機がある。味付けはソースやきそばと塩やきそばの2種類で、どちらも750円。中盛も大盛も同価格。エビ・イカ入りは100円増しとなっている。小盛やサイドメニューは無いが、基本的には自由ヶ丘店と同じメニュー構成で価格設定だ。今回はソースやきそばのエビイカ入り、中盛(850円)を選択した。

自家製生麺を鉄板で調理!

注文を受けて早速寸胴に麺をパラパラと投入。その脇で鉄板に油を引き、野菜や豚肉、玉子など焼き始めた。焼き手はオーナーの本田さん。「この鉄板、とても調子が良いんですよ」と笑いながら、楽しそうに調理を進める。茹で上げた麺を野菜に乗せ、混ぜ炒めてソースで味付け。皿に盛り付け、もろもろトッピングして出来上がり。

ソースやきそばエビイカ入り(中) 850円

麺は茹でたての中太麺。具はモヤシとキャベツ。トッピングは適度に火を通した白髪ねぎ、カリッと焼いた豚肉、柔らかく焼き上げた剥きエビやイカの切り身、半熟気味で黄身を崩した目玉焼き。カウンターのイカ天かす、紅生姜も乗せてみた。ステンレスの楕円皿を含め、「これだよ、これ!」というビジュアルである。

モチモチ生麺が癖になる

真打みかさは自家製の生麺が最大の特徴だが、ここ渋谷店は自由ヶ丘店から麺を運んでいるらしい。一度食べたら忘れられないモチモチの食感は相変わらずだ。1月に『櫻井・有吉THE夜会』というTV番組で平愛梨さんを自由ヶ丘店にお連れしたが、平さんもこの麺を絶賛していたっけ。また、その折の「シャキがネギネギ!」というコメントも忘れられない。

たまにはからしマヨネーズで味変も

途中でからしマヨネーズも掛けてみた。マヨネーズは嫌いじゃないのだが、食材やソースの持ち味を覆い隠してしまうため、普段はあまり掛けない私。たまに掛けるとやっぱり美味い。焼きそばのついでに注文した缶ビール(300円)にも合う。

ビールがあるのも嬉しいですねー

ウインズ渋谷の近くなので週末の需要も見込めるのだが、当面は日曜が定休日で11時オープン、麺切れ終了という営業スタイルだそうだ。都内でも有数のターミナル駅だけあって、初めてみかさ系の焼きそばを食べるという人も大勢訪れることだろう。この地のお客さんとどんなお店を作り上げていくのか、今後がとても楽しみだ。

【2017.3.18追記】
塩焼きそばもいただきました。麺そのものを味わうには、ソースより塩が良いでしょうね。目玉焼きの黄身は基本的に崩さないスタイルに落ち着いてきたようです。

塩焼きそば(大) 750円

真打みかさ 渋谷店

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甘太郎商店 (千葉県旭市)

年始に訪れた千葉県銚子方面の焼きそば3連発。3軒目は銚子から少し西へ移動して旭市にある甘太郎商店というお店へ。食事もできる甘味処だ。前回のユノリリを出たあと、ウオッセ21や犬吠埼などを腹ごなしに観光し、夕方になってから訪問した。

旭市 甘太郎商店

甘太郎商店の店舗は旭中央病院のすぐ近くにある。周りは薬局だらけだった。ちなみにこの店の住所の地名は旭市「イ」。こちらの記事によると「千葉県の旭市や、八街市、香取市、匝瑳(そうさ)市などにはイロハ順で名付けられた、イロハ地名が点在している」らしい。へーーー。

甘太郎商店 店内の様子

店舗は飾り気のない外観で、客席はテーブル7卓ほど。1月初旬、土曜日の午後4時過ぎ。日が西に傾いた半端な時間で、ほかに客はなし。店もそろそろ暖簾を下げようという雰囲気だった。

甘太郎商店 メニュー

ラーメン・そば・うどん・カレーライスと幅広いメニューがある中で、注文したのは甘太郎(100円)と焼きそば(350円)。この店の屋号にもなっている甘太郎というのは、大判焼きや今川焼と呼ばれるアレの地方名の一つだ。以前、京成津田沼前の「あま太郎焼」を紹介したが、千葉県内ではこの呼び方が一般的らしい。そしてそれがこの店の看板メニューなのだ。

甘太郎 100円

甘太郎は黒あんと白あんがあり、黒を指定。焼き加減のせいか、あるいは材料の配合か、外側は普段見慣れている大判焼きよりも色が白い。厚みがあって、ふかふかの生地だ。割ってみると中の餡もアツアツで湯気が立ち上った。ほどよい甘さの粒あんがたっぷり使われている。

粒あんの甘さが冷えた身体に沁みます

ふーちゃんユノリリとここまでソース味が続いたので、久しぶりの甘味にほっとする。ホール担当の女性が出してくれた、温かいお茶を啜りつつ、ペロリと平らげた。寒い中をバイクで一日走って冷え切った体が、芯から温まっていくのを感じる。

焼きそば 350円

続いて焼きそば。麺は茹で麺っぽい中細麺。蒸し麺を湯通ししてるのか、ラーメンと同じ麺なのか。具はナルトとキャベツ。粉海苔が掛けられ、脇に紅生姜が添えてある。甘味処の焼きそばは、やはりこういうスタイルであってほしい。

麺は茹で麺なのかな?

味付けは酸味勝ちかつスパイシーなソースを使って、しっとりした仕上がり。ナルトがなかなかいい味を出している。結構ボリュームもあり。これで350円は安いなあ。って、銚子の3軒とも「安い安い」と言ってるな、オレ。

ナルトが良い味出してます

焼きそばもささっと平らげてお会計。焼きそばだけで3軒なら割と楽なのだが、どんどん焼きや甘太郎などコナモンのサイドメニューですっかり満腹になってしまった。温まった身体をなるべく冷やさぬよう、防寒装備に身を包んで東京への帰途に就いた。このエリアにはまだまだ廻りたい店が残っているので、また近いうちに来なきゃなあ。

甘太郎商店

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【TV出演】2/24 TBSテレビ「白熱ライブ ビビット」

TV出演のお知らせです。直前のお知らせですみませんけど、明日2/24(金)、TBSテレビの朝の情報番組「白熱ライブ ビビット」の「カトシゲのお取り寄せハウス」というコーナーに出演します!

【出演番組】白熱ライブ ビビット@TBSテレビ
【出演コーナー】カトシゲのお取り寄せハウス
【放映日時】 2017/2/24(金) 8:00 ~ 9:54
【公式サイト】http://www.tbs.co.jp/vivit2015/

同番組には昨年12月に電話インタビューで出演させていただきましたが、今回はNEWSの加藤シゲアキさんが担当するお取り寄せのコーナーです。もう収録済みなので気持ちも穏やかです(笑) 良かったらご覧くださーい。

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ユノリリ (千葉県銚子市)

年始に訪れた千葉県銚子方面の焼きそば3連発。2店目は銚子大橋の南端近くにあるユノリリという駄菓子兼居酒屋さん。前回紹介したふーちゃんや以前紹介した宮内焼そば店から1.3㎞ほどの近距離に位置する。

銚子市 駄菓子居酒屋 ユノリリ

訪れたのは1月初旬、土曜日の午後一時過ぎ。昭和感のある渋い建物の前には「焼きそば」と染め抜かれた赤い幟が掲げてあった。看板のロゴが特殊すぎて読みにくいぞ。

駄菓子スペースはこんな感じ

店内も昭和な雰囲気の造りだ。入って右手がホール、左手が駄菓子スペース。ホールの客席はテーブルが2卓に小上がり2卓、あとカウンター席もあった。先客はいなかったが、後から2組ほど入ってきた。

ユノリリ メニューの一部

カウンター上部には品書きがびっしり貼ってある。基本的には居酒屋なので酒の肴が充実している。ビールはサッポロラガー、いわゆる赤星も用意されているようだ。セルフサービスのおでんもあるのか。バイクでなければ飲みたいところだ。

ユノリリ 店内の様子

注文したのは焼きそばの中サイズ(300円)とどんどん焼き(60円)。そう、前回のふーちゃんと同じく、ここにもどんどん焼があるのだ。価格は60円でマヨネーズやチーズ、紅生姜、ネギなどのオプションもあるが、とりあえずノーマルにしておいた。

焼きそば 中 300円

まずは焼きそばが運ばれてきた。麺は細い蒸し麺。具は挽肉とキャベツ。そして縁に紅生姜が添えられた、オーソドックスなスタイルのソース焼きそばだ。これで300円って、安いなあ。

あっさりめの味付けで、ふんわりした口当たり

酸味がちのソースを使ったあっさりめの味付けで、ふんわりした口当たりだ。食べ飽きない味わいで素直に美味しい。あとから来たご婦人の二人連れも焼きそばを頼んでいた。やはり利根川流域には焼きそば文化が根付いているのかな。

どんどん焼きはこの店でも紙経木で提供された。直径は25センチほどで、大きすぎて紙経木からはみ出ているのがほほえましい。そのはみ出た部分を補うためか、あるいは昭和的な演出なのか、ちばあきお著『キャプテン』のコピーをそのしたに敷いてある。

どんどん焼き 60円

そういえば全くの余談になるが、『キャプテン』『プレイボール』の続きの連載が、集英社の「グランドジャンプ」という雑誌で始まるらしい。もちろん著者は故ちばあきおではないが、個人的にものすごく好きな作品なので楽しみだ。……っと、それはさておき。

裏面の揚げ玉が味の決め手なのかな?

どんどん焼きは小麦粉の生地を薄く延ばし、表裏に天かすを塗して焼きあげてある。味付けはソースではなく醤油と青海苔のみだ。ノスタルジックな味わいを嚙み締めつつ、ペロリと平らげた。これが60円でいいのだろうか。安すぎる。

どんどん焼きにはスパイシーなチリソースを使った「どんチリ(100円)」や、焼きそばとか肉が入った豪華版の「ユノリリどんどん(700円)」なんてバリエーションもあるようだ。居酒屋としての利用もきっと楽しいだろう。いつか近所に宿を確保して、夜に来てみたいなあ。

ユノリリ

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ふーちゃん (千葉県銚子市)

今年1月上旬の土曜日に、日帰りで千葉県の銚子まで行ってた。今週はその折に回った3軒をご紹介しよう。

銚子市 駄菓子屋 ふーちゃん

まず1軒目は銚子市本城町にある「ふーちゃん」という店。食事処を併設している駄菓子屋さんで、国道356号線の脇道を入ったところにある。開業は2014年だが、その前に銚子駅前で食堂をされていたそうだ。

ふーちゃん 食事スペースの様子

時刻は12時半ごろのお昼時。YAMAHAの文字がうっすら見えるから、もともとはバイク屋でもあったのかな。先客は駄菓子目当ての小学生が2人ほど。食事スペースはテーブルが3卓と小上がりが2卓、カウンター席が数脚ある。

ふーちゃん メニューその1

駄菓子屋で提供している食事というとコナモンがメインになるのだが、ここはかなり幅広い。焼きそば、もんじゃ、お好みはもちろん、ラーメンやおつまみ類も充実している。あとからやってきた近所の常連さんは、もんじゃやワンタンメンをたのんでいた。

ふーちゃん メニューその2

そしてそしてこの店には、なんと希少種のコナモン、どんどん焼があるのだ。以前、同じく銚子にある宮内焼そば店の記事でも触れた1枚数十円の激安コナモンで、「全国イイ味ハマる味」のこの記事で実物も紹介されている。山形などでは割り箸に巻いたものが売られているが、見ての通りそれとは違う平たい品なのだ。むしろ盛岡の薄焼きの方が近い。

その後、宮内焼そば店が2014年ごろに閉店し、すでに絶滅したかと思っていた。しかし最近この店に存在することを知り、今回やってきたというわけだ。そんな前置きを踏まえつつ、焼きそば(450円)とどんどん焼き(70円)を注文した。

どんどん焼き 60円

どんどん焼は紙経木で供された。小麦粉の生地をフライパンを使って大きく丸いぺらぺらのシート状に焼き上げてある。焼き面には天かすが塗してあり、表面にはソースと醤油が塗られている。素朴な和風クレープという味わいで、竹串で食べるというスタイルも面白い。これが70円かー。安いなー。

焼きそば 450円

そして焼きそば。麺はストレートの細麺でシコシコした食感。茹でた麺を水で締めて炒めていた。宮内焼そば店は乾麺を使っていたが、ここももしかしたら……いや、あまり自信がない。

茹で麺を使った酸味勝ちのソース焼きそば

具はキャベツと豚肉。脇に紅生姜が添えてある。ボリュームは駄菓子屋にふさわしくほどほどの量。ソースは酸味が強めのタイプだ。茹で麺という点を除けば、このエリアらしいオーソドックスな焼きそばだった。

調理の合間に子供たちのお菓子の計算したりで大忙し。いろいろとお話を伺ってみたかったが、お昼時を避ければよかったなあ。お会計は520円。個人的に親しくしているラーメンマニアの山本剛志さんらんちばさんなど、実はラーメン目的の方々も訪れているらしいので、興味のある方はそちらもぜひチェックを。

ふーちゃん

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焼きそばと生パスタ ニコル (東京都千代田区)

今月初旬、岩本町に「焼きそばと生パスタ ニコル」という店がオープンした。2017年になってまだ1月半だが、学芸大学の「やきそば専門店 ぼんの」や門前仲町の「鉄板バル 魂の焼きそば」に続いて、新規焼きそば店3軒目である。焼きそばと生パスタ。同じ麺とはいえ、これまでに聞いたことがない面白い組み合わせだ。個人的に事前情報を得ていたので、2月3日のプレオープン初日、ランチタイムに早速伺ってみた。

岩本町 焼きそばと生パスタ ニコル

場所は岩本町一丁目交差点の角、弁当屋のHOTMOT岩本町店の地下に店舗はある。たぶん最寄駅は小伝馬町か。JR神田駅や地下鉄馬喰町駅など、付近のどの駅からも数百mなので、交通の便は申し分ない。

プレオープン初日の立て看板

店頭の看板には「日本初? 本格焼きそば・生パスタの両方を食べることのできるお店です」とある。日本で初なら、たぶん世界でも初だろう。2月7日がグランドオープンなのね。2ヶ所ある入り口のうち、南側に面した階段を降ると、すぐ右手に店舗があった。

焼きそばと生パスタ ニコル 店内の様子

店内は思ったよりも広かった。客席はカウンター6席にテーブル3卓。平日のランチタイムで半分ほどの入り。スタート直後のためか厨房もホールもちょっと緊張気味のようだったが、慣れるのも時間の問題だろう。

初日なのでメニューは2種のみ

この日はプレオープン初日ということで、ランチのメニューはソース焼きそばとペペロンチーノの2種のみだった。どちらも並が700円。どっちにしようか少し悩んで、結局両方を頼んでしまった。なおメニュー表記が「ペロンチーノ」だが、これただの書き間違えだったらしい。わはは。私もよくやるケアレスミスってやつだ。

ペペロンチーノ(ランチ) 700円

まず運ばれてきたのはベーコン&キャベツのペペロンチーノ。麺は普段食べているスパゲッティより一回り太めの生パスタ。ピッツァ用のデュラム100%のセモリナ粉を使っているそうで、もっちりした歯応えの美味しいパスタだ。ちなみに麺の量はパスタも焼きそばも、茹でた後の重さで並が300g、大盛が450gとのこと。

もっちり生パスタが美味しい

具はメニューの通り、ベーコンとキャベツ。トッピングに刻みパセリ。味付けはオリーブオイルにニンニク、唐辛子のシンプルな構成だが、味付けがちょうどよい塩梅でコクがある。パスタは専門外だが、ロメスパ的な味わいの美味しいペペロンチーノだ。

ソース焼きそば(ランチ) 700円

続いてソース焼きそば。こちらは国産の小麦に全粒粉をブレンドした生麺を使用。太さはさっきの生パスタと同じかな。モチモチした歯応えしなやかなコシで、パスタとは違った食感が楽しめる。具は豚肉、ウインナー、キャベツ、人参、玉ねぎ。トッピングに青海苔。味付けはソースで、爽やかな酸味のあとに、フワッと甘味が追いかけてきた。熱々の鉄板で供されているおかげで、コゲもいい感じについている。

焼きそばも生麺を使用、モチモチシコシコで美味しい

焼きそばは割り箸で、パスタはフォークでと忙しい。どっちが主食でどっちがおかずかわからないが、とりあえず2杯食べ切った。「ニコル」なので「2個食べる」のが、たぶん正解なのだ。さすがに満腹でちょっと苦しいけど、どちらも美味しく満足満足。店長さんに挨拶してお会計。

ニコルだから2個食べる!

この記事が公開される頃には通常メニューも提供されているはず。そのうち試しに行きたいと思う。しかしまさかこのブログでぺペペロンチーノを紹介することになるとは。ま、たまに食べるパスタも良いものだ。焼きそばと生パスタ、どっちが人気になるのかな。焼きそば、がんばれー!

焼きそばと生パスタ ニコル

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鉄板バル 魂の焼きそば (東京都江東区)

先週はじめのこと。食べあるキング・激辛担当の姫さんから、「こんな店を見つけましたよー」との連絡がきた。今年の2月1日に門前仲町でオープンしたばかりの鉄板バル「魂の焼きそば」というお店で、教えてもらったのは開業5日目のこと。その日の夜に早速行ってみた。

門前仲町 鉄板バル 魂の焼きそば

訪れたのは平日の夜、午後8時半ごろ。目的の店は深川不動尊の西側、赤札堂深川店の裏手の静かな一角にあった。モノクロ2階調のスタイリッシュな外観だ。内装も落ち着いた感じで、いかにも鉄板バルという雰囲気。

客席は厨房前の鉄板をL字に囲むカウンターが7席と、テーブルが5卓ほどで6割ほどが埋まっていた。テーブルの多くには鉄板が付いているが、自分で焼くためではなく、熱々で食べるためのようだ。店は3人で切り盛りしていて、女性がオーナーだそうだ。

お通しは煎餅状に焼いた薄い粉モン

鉄板正面カウンターの特等席に腰掛けて、まずはビールを注文。生ビールはプレミアムモルツで、瓶はアサヒスーパードライ。とりあえず生の中ジョッキ(550円)をいただいた。お通しはピザ生地を煎餅状に伸ばして鉄板で炙ったもの。添えられたトマトソースとオリーブオイルをつけていただく。ピタっぽい味わいで、なかなか美味しい。

さて。メニューの1ページめによると、こちらのお店はオリーブオイルにこだわっているらしい。一部料理の香りづけ用ごま油以外は、鉄板に馴染ませる油も全て100%ピュアオリーブオイルを使っているそうだ。

本日の気まぐれアヒージョ 1280円

ならばオリーブオイルを味わってみようと「本日の気まぐれアヒージョ(1280円)」を注文。しばらくしてグツグツ煮え立つスキレットが目の前に置かれた。オリーブオイルとニンニク、唐辛子でエビ・イカゲソ・シメジを煮込んである。鉄板でカリッと焼いたバケットに、熱々のオリーブオイルをしみしみさせる。これはワインだなと、グラスワインの赤を注文。お手頃価格のハウスワインが実に合う。

ちなみにこの店、著名なワイン評論家の田崎真也氏が出入りされているそうで、氏が選んだワインリストもある。白金高輪のBARチェローナのようにワインで焼きそば、という焼きそばバルがこれから増えて行くのかも知れない。

とん平焼き 580円

アヒージョを平らげて、とん平焼き(580円)とスーパードライ(600円)を追加注文。とん平はマヨ抜きでお願いした。生地を細長く伸ばし、少し厚めの豚肉を焼いて、生地に揃えて乗せる。玉子で巻いて、ソースとケチャップ、マスタードで味付け。豚肉と玉子のシンプルな味わいは、いつ食べても落ち着くなあ。

鉄板バル 魂の焼きそば 焼きそばメニュー

そして締めの焼きそばだ。種類がいくつかある中から選んだのは「魂の塩焼きそば(780円)」。麺は生麺をその場で茹でて使っている。鉄板にオリーブオイルを引いて茹で上げた麺を広げ、モヤシとざく切りキャベツを乗せる。脇で豚肉スライスを数枚焼き、その横で細かく刻んだ油カスも熱する。

調理中の様子をかぶりつきで見学

肉の両面に火が通ったらコテで切り分け、油カスともども麺と合体。麺の片面に焼き目がついた頃合いを見てひっくり返し、全体を解して混ぜ炒め。塩ダレで味付けし、カッティングボードに盛り付け、大葉と白ゴマをトッピングして出来上がり。

魂の塩焼きそば 780円

麺は中太の生麺。かん水入りの中華麺なのだが、断面は丸く、パスタマシンを使った押し出し麺ぽくも感じる。もちシコした良い塩梅のコシがあり、なかなか特徴的な麺だ。カリッとした焼き目もアクセントになってる。

特徴的な生麺が塩ダレにマッチ

具は豚肉、モヤシ、ざく切りキャベツとシンプルな構成だ。油カスは意識すればわかる程度で、脇役に徹している。野菜はシャキシャキ感を残してあり食感が楽しい。塩ダレと大葉、白ゴマの風味が調和していて、締めでもモリモリ食べられる。油がラードではなく、オリーブオイルなのもプラスに働いてそう。いろいろ細部に気を使った焼きそばだと感じた。

すっかり満腹になってお会計は5000円弱。ランチ営業もやっているので、昼ならもっとお手頃価格で楽しめるだろう。ここは元々鉄板焼きの店が入っていたそうで、その頃からのお客さんもいらしていた。雰囲気も良いし、BARチェローナのような人気店になるといいなー。

【2017.03.18追記】
土曜のランチタイムに再訪して、ソース焼きそば+目玉焼きをいただきました。ソースはお好み焼きと同じものを使っているそうで、やや酸味の効いたフルーティなタイプでした。わりとあっさり目の抑制された味付けで、麺とソースの調和のとれた一皿でしたよ。

ソース焼きそば780円+目玉焼き100円

魂の焼きそば

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やきそば専門店 ぼんの (東京都目黒区)

昨年、都内では焼きそば専門店のオープンラッシュが続きましたが、今年に入っても、その流れが続いているようです。というわけで、今週は今年オープンしたばかりの焼きそば専門店を特集いたします。


1月24日、東急東横線の学芸大学駅に「やきそば専門店ぼんの」という店がオープンした。横浜で同じ「ぼんの」という屋号の鉄板焼き店ほか数店舗を経営している会社が母体だとか。昨年から続く焼きそば専門店のオープンラッシュが、さらに加速しているようだ。

学芸大学 やきそば専門店 ぼんの

初訪問はオープンから4日後の土曜日、午前11時過ぎ。東横線高架下の学大横丁に、店頭に開業を祝う花輪が飾られている店舗があった。店内はこじんまりしていて、客席は厨房を囲むL字のカウンターが8席と2人掛けのテーブルが2卓。まだ早い時間だが、半分くらいが埋まってた。

店内に掲示されたこだわり

壁に掛けられた黒板には「本場京都長岡京にある小さなお店から始まった味を再現したやきそばです」「麺にこだわっており、もちもちした食感、食べやすい太さに仕上げた特製麵です」と書かれている。長岡京が本場かどうかは置いといて、とりあえず関西系のようだ。またHPによると牛は徳島の阿波牛、イカも徳島産にこだわっているらしい。

やきそば専門店 ぼんの メニュー

さて、メニュー。ソースと塩、ピリ辛、塩ホルモンとある。ミックスの並で1000円ってのはかなり強気の値段だ。塩ホルモンに「オススメ」マークが付いているが、まずはソース焼きそばのミックス・並(1000円)を注文。ちなみにオープン当初は口頭での注文だったが、最近の口コミをチェックしたところ、その後券売機が導入されたようだ。

やきそば専門店 ぼんの 調理の様子

調理はフライパンではなく鉄板だ。麺を野菜や具と混ぜ炒め。味付けしてステーキプレートに盛り付けて出来上がり。卓上には紅生姜、ソース、マヨネーズがあり。ノーマヨ派なので、紅生姜だけ脇に乗せてみた。

ソース焼きそば(ミックス・並) 1000円

麺は中太麺を使用。具は基本の豚肉・天かす・キャベツ・モヤシに、エビ、イカ、油カス、スジコン、竹輪。微塵切り紅生姜も一緒に炒めてある。トッピングは目玉焼きに青海苔。モヤシだけ盛り付け用の鉄板で別に炒め、麺の下に埋めるスタイルが面白い。

モチモチ中太麺が美味しい

麺は蒸し麺のようだが、茹で麺ぽいモチモチ感もあり。蒸し麺を湯がいて使用しているっぽい。しなやかなコシで、ズルズルっと啜るのが楽しい麺だ。ソースは爽やかな甘さの関西系。スジコンの甘味も加わって、多層的な味わいだ。最後に残った微塵切りの紅生姜や賽の目に刻んだこんにゃくを、箸でチマチマつまんで平らげた。

塩ホルモンやきそば(並) 1000円

そしてオススメの塩ホルモンを食べに翌々日再訪。我ながらマメである。麺はソースと同じ中太のモチモチ麺。具は牛ホルモン、天かす、キャベツ、モヤシ、スジコン、竹輪、青ネギ、微塵切り紅生姜。

阿波牛のホルモンがプリプリで旨い

味付けはコクのある塩ダレだ。脂の乗ったプリプリの牛ホルモンの甘味と歯応えが風味を増している。なるほど、これは美味い。さすがオススメだけのことはある。後を引く美味しさで一気に食べてしまった。

全般的に価格が高めなのが気になるが、まあ東急線だからこんなものなのかな。なお、現在は昼営業のみで、麺切れ終了とのことなので訪問の際はご注意を。自由が丘の真打みかさに、中目黒のめっちゃらんまん食堂、そして学芸大学のぼんの。目黒区の東急東横線沿線がなかなか熱いことになりそうだ。

ぼんの

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キムガネ 大学路本店 (韓国 - ソウル)

韓国の旅、4日目の最終日は朝から雪だった。ホテルをチェックアウトして広蔵市場(광장시장/クァンジャンシジャン)などをウロウロと散歩。11時過ぎ、ブランチを食べにキムガネ(김家네)の大学路本店(대학로 본점/テハンノ ポンジョン)へ向かった。

キムガネ(김家네) 大学路本店

キムガネ(김家네)は先週紹介したキムパッ天国と並ぶ、韓国で有名なのり巻チェーンだ。業態もほとんど同じで、のり巻以外に粉食(분식/プンシク)や鍋(찌개/チゲ)など、幅広いメニューをお手頃価格で提供している。

キムガネ 大学路本店 店内の様子

地下鉄の恵化(혜화/へファ)駅からほど近い大学路本店は、昨年8月にリニューアルされたばかり。それを機に一部メニューも変わったらしい。入店すると前の客がカウンターで注文していたので、自分も真似たが、それは持ち帰りの場合だったようだ。イートインの場合はテーブルに着いて普通に注文すればOKだと後から知った。

さてメニューだが、ありがたいことにハングルに加え、英語・中国語・日本語も併記されている。選んだのは屋号を冠したキム家のり巻(김가네김밥/キムガネキンパッ/₩2,900≒290円)と焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン/₩6,000≒600円)だ。

キムガネ 大学路本店 メニューの一部

前回の記事で軽く触れたが、韓国でも日本風の「うどん」は「우동/ウドン」として普及している。この店のメニューでも、焼きうどんのすぐ上に刻んだ油揚げ(유부/ユプ/油腐)の入ったうどん=きつねうどん(유부우동/ユプウドン)が載っていた。ちなみに焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン)の漢字表記は「炒烏冬面」。大邱の焼きうどんのような「辣」の文字はなく、辛さを示す唐辛子マークも付いてない。その辺りから推測するに、この焼きうどんも日本風なのだろう。こんな寒い日は辛い汁物でも食べたいけれど、日本風焼きうどんがどの程度アレンジされているのかにも興味がわいたので、これにした。

たくわんやキムチは食べ放題

お冷のほか、キムチ・たくわん・スープなどは全てセルフサービスでお代わり自由になっている。スープは全く具無しのだし汁だが、温かいのがありがたい。テーブルの脇が引き出しになっていて、箸やスプーン、紙ナプキンが入っていた。ふーむ、いちいち面白いな。

キム家のり巻(김가네김밥) ₩2,900

キム家のり巻(김가네김밥/キムガネキンパッ)は、着席してすぐに運ばれてきた。割りと太めで、ボリュームあり。これとキムチ・スープだけでも、食事として成り立ちそうだ。

なかなか豪華なのり巻の具

具は玉子、カニカマ、たくわん、人参、ゴボウ、ほうれん草、オデン(練り物)など。色とりどりで期待以上の豪華さ。キムパッ天国の元祖のり巻きに比べると価格は倍近いが、値段なりの満足感が味わえた。

そして出てきた焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン)。配膳されたときに「え? これオレの?」と内心で驚いてしまった。スキレット風のパンに盛り付けられ、これまた真っ赤なスープに浸っている。おいおい、辛い汁物、そのものじゃないか。しかも物凄く具沢山だぞ。

焼きうどん(볶음우동) ₩6,000

前回、大邱で食べた焼きうどんは韓国式ちゃんぽんのアレンジ風だったが、この焼きうどんはラッポッキのうどんバージョンのようだ。焼き蕎麦炒麺が焼きうどんだったり、焼きうどんが真っ赤なスープ入りだったり、ことごとく予想を外してくるのが面白いなあ。

麺はもちもちのうどん玉

麺は太くてモチモチしこしこのうどん玉。具はマンドゥ(餃子)、トック(餅)、イカ、イ貝、オデン(練り物)、ゆで卵、キャベツ、玉ねぎ、ほうれん草と盛りだくさん。ゴマとネギがトッピングされている。味付けはコチュジャンがベースで、赤と青の唐辛子も入っており、ニンニクも効いている。キムパッ天国で食べたラッポッキと同様、辛さの中に甘味もあり、さらに魚介の旨味も加わっている。

韓国の餃子=マンドゥが具として入っている

韓国の餃子=マンドゥを食べたのも実はこれが初めて。包んだ両端を丸くくっつけた帽子型で、それが具として使われているのも意外だった。その他の具もたっぷり使われていて食べ応え満点。現地スタイルに倣ってのり巻きをスープに浸してみたが、それもなかなか美味しい。2品を食べ終えてすっかり満腹。身体も温まった。

現地スタイルでいただいてみたり

11時半を過ぎると若者で混んできた。この辺りは元々ソウル大学のあった場所で、現在の多くの大学がある学生街だ。彼らにとって、こういう店の存在はありがたいんだろうなあ。

店を出た後は南大門市場や仁寺洞あたりを観光してから帰路につき、空路を経て日付が変わるころに帰宅した。韓国での4日間、そもそも少ない焼きそば系の麺料理をあちこち探して食べてみたが、ラッポッキを除いてどれも麺が太かったのが興味深い。もちろん日本食レストランへ行けば事情が違うのだろうけど、全体的に太麺のモチモチした食感が好みなのだろうと感じた。また辛くない場合でも、辛さを増すオプションが必ず付いているのも、この国らしくて面白かった。

海外での食べ歩きは、日本以上に驚きに満ちていて楽しいものだ。次はどこへ行こうかな。

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中和飯店 (韓国 - 大邱)

韓国旅行3日目の続き。龍宮海鮮チェンバンチャジャンで昼食をとり、龍宮寺(ヨングンサ)を参拝したあとはバスで釜山市街へ戻った。富平市場(부평시장/プピョンシジャン)を夕方までウロウロ。その後、釜山駅からソウル方面のKTXに乗り、1時間ほどの距離にある東大邱(동대구/トンデグ)駅で途中下車した。

ソウル・釜山に次ぐ韓国第3の都市、ここ大邱(대구/テグ)市には、「大邱10味(대구10미/テグシンミ)」と呼ばれる10個の名物料理がある。そのうちのひとつが日本語そのままの「ヤキウドン(야끼우동)」なる品なのだ。当ブログとしては放っておけず、わざわざ途中下車して元祖の店へ寄り道してみた。

大邱 中和飯店

東大邱駅から地下鉄で最寄りの中央市場駅へと移動。大邱の街は想像以上に栄えていた。1954年創業の韓国式中華料理店、中和飯店(중화반점/チュンファパンジョム)は繁華街にあり、すぐ見つかった。1973年にこの店の初代シェフがヤキウドン(야끼우동)を考案し、その後、大邱の中華料理店に広まったという。そのため看板にも「元祖(원조/ウォンジョ)야끼우동(ヤキウドン)」を掲げている。

大邱 中和飯店 店内の様子

入店したのは平日の18時半ごろ。広いフロアにはテーブルが多数並んでいて、そのほとんどが埋まっていた。当たり前のように皆ヤキウドンを食べている。待たされるかと思ったが、入り口近くのテーブルの客がちょうど入れ替わりで出て行ったため、すんなりと着席できた。

中和飯店 メニューの一部

メニューにはこの店の名物、「特味焼きうどん(특미야끼우동/トゥクミヤキウドン/₩9,000-)」が、とりわけ大きく載っていた。韓国でも「うどん」は「우동/ウドン」と呼ばれ、太い小麦麺と醤油出汁で一般的に食べられている。またウドンと同様の麺をあっさりスープで食べる「カルグクス/칼국수」という麺料理もある。しかし大邱のヤキウドン(야끼우동)は真っ赤で辛いのが特徴だ。漢字表記は「辣水炒麵」。「饂飩」でも「烏龍面」でも「刀切面」でもなく、辛さが強調されている。

ビール ₩4,000-

その特味焼きうどんと一緒にビール(₩4,000-)も注文。ビールは青島・Cass・hiteがありCassを指定。グラスはhiteなのは見なかったことにしよう。韓国式中華の定番、生玉ネギとたくわん(단무지/タンムジ)、カクテキをツマミに飲む。玉ネギとたくわんはお代わり自由なので、バランスを考えて「チョギヨー、リピルジュセヨー」とビールもお代わりした。たくわんがやけに瑞々しかったり、玉ネギに付ける味噌が甘くなかったり、細かな点だがこれまでの韓国式中華店とひと味違うのが面白い。

特味焼きうどん(특미야끼우동) ₩9,000-

特味焼きうどん(특미야끼우동/トゥクミヤキウドン)が配膳されたのは注文からたっぷり20分ほど経ってから。前述の通り料理名は「ヤキウドン」となっているが、日本の一般的な焼きうどんとは似ても似つかない。炒められた麺と具が、真っ赤なつゆに浸っている。見るからに辛そうで、汁少な目の韓国式ちゃんぽんと呼んだ方がよさそうだ。新宿の香港飯店0410で食べた焼きちゃんぽんよりもそれっぽい。

辛さの旨味の調和が素晴らしい

麺はモチモチの太麺。うどんではなく、チャジャンミョンなどで使われる手述べ風の中華麺だ。具はイカ・ブタ・玉ねぎ・人参・ほうれん草。味付けはニンニクと唐辛子に海鮮の旨味が効いたスープで、見ての通りのつゆだく状態。ただ、それぞれの味の要素が主張しつつも不思議に調和していて、しかもあざとくない。一口食べただけで、「あ、これは日本でも絶対に受ける」と唸ってしまった。

モチモチ麺と具・味のバランスが絶妙

大ぶりの具や、長細く刻まれた豚肉も、もちもち麺との食感の相性を考えてのことだろう。辛さも含めて期待を大きく上回る好みの味だ。食べ歩きなのにボリュームが多い点を嬉しいと感じるほど、辛い物好きの自分にはドンピシャだった。他の客を観察したらご飯と焼きうどんを混ぜて食べたりしてる。あの食べ方もいいなー。いつか機会があればまた食べに来たいぞ、これ。

焼きうどんとビール2本でお会計は₩17,000≒1700円。「マシソッソヨー(美味しかったですー)」と告げて店を出る。いやあ、わざわざ途中下車して来た甲斐があった。元祖を名乗る店は多いけど、やはり地域の味の原点ともいえる真の意味での元祖の店ってのは凄いなあ。

KTXのチケット コレールパスで分割予約

地下鉄で東大邱駅に戻り、KTXに再び乗って、ソウル駅へ到着したのは22時近くのこと。「コレールパス(KORAIL PASS)」でKTX乗り放題って便利なんだけど、いちいち乗る便の座席を確保しなければならないのが、ちと面倒くさいね。

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龍宮海鮮チェンバンチャジャン (韓国 - 釜山)

韓国旅行3日目は韓国高速鉄道=KTXを使い、日帰りで釜山まで行ってみた。「コレールパス(KORAIL PASS)」という外国人向けの周遊券があり、KTXを含めた韓国内の鉄道がお得な価格で乗り放題になるのだ。ヘトヘトの身体をベッドから引きはがすようにして起床し、もろもろ準備してソウル駅へ。初日の空港でコレールパスは受領してある。その際に予約したKTXに滑り込んで、ソウルから釜山まで400kmあまりを2時間半ほど揺られた。

龍宮海鮮チェンバンチャジャン

さらに釜山駅から地下鉄と路線バスを乗り継いで龍宮寺バス停で下車。停留所の名前にもなっている龍宮寺(용궁사/ヨングンサ)という海辺の寺院の門前にあるのが、今日の目的の店、龍宮海鮮チェンバンチャジャン(용궁해물쟁반짜장/ヨングンヘムルチェンバンチャジャン)だ。

観光バスが何台も停まっている人気店

新宿のジャジャンハウスの記事で紹介した通り、コリアン中華で人気のチャジャンミョン(짜장면/炸醬麵)には、チェンバンチャジャン(쟁반짜장/托盘炸酱)という焼きそば的なバリエーションがある。「チェンバン(쟁반/托盘)」は「大皿」を意味し、チャジャンミョンに魚介類を加えて混ぜ炒め、大きなお皿に2~3人前を盛り付けるのが一般的なスタイルだ。

広いフロアは団体がはけたタイミングで空いていた

今回訪れたこの店は、そのチェンバンチャジャンを目的に韓国全土から客が訪れる超人気店なのだ。ソウルから釜山までわざわざ来たのも、ここのチェンバンチャジャンが目的である。駐車場には観光バスが複数停まっていて人気のほどがうかがえる。着いたのが午後1時ごろで、ちょうど団体客がはけたところだった。

龍宮海鮮チェンバンチャジャン メニュー

手近なテーブルへと促されて着席。すぐにコリアン中華の定番、たくあん=タンムジ(단무지)と生玉ネギが出てきた。目的の海鮮チェンバンチャジャン(해물쟁반짜장/ヘムルチェンバンチャジャン)は、メニューの1ページ目に載っている。日本語表記は「海鮮大皿ジャージャーメン」。1人前(₩7,000≒700円)から頼めるのが嬉しい。人気店なので常に準備してあるのか、注文してわずか3分ほどで配膳された。早っ!

海鮮大皿ジャージャー麺(해물쟁반짜장) ₩7,000

麺は中太麺。緑茶が練りこまれているそうで、少し緑色がかっている。手打ちなのか、モチモチで伸びやかなコシだ。切り分けるためのハサミを渡されたが特に使わず。餡の具はイカ・エビ・チュクミ(小さなタコ)の魚介類に玉ネギ。さらにキュウリ、紫キャベツ、グリンピースにコーンがトッピングされている。

麺を炒めてないだとっ!

そしてここで初めて気付いたが、なんと麺を炒めてない! 普通のチャジャンミョンのように、茹でた麺に餡を掛けているだけだ。チェンバンチャジャン=麺と餡の混ぜ炒めというイメージがあったが、なんてこった、ここのは違うのか。うーん。焼きそばではないので当ブログの対象外なのだが、まあせっかく時間とお金を掛けてやって来たので、例外的に参考として紹介を続けよう。

チュクミ(小さなタコ)が美味しい

ものはとても美味しい。餡のベースはチュンジャン(춘장/春醤)で、味付けが甘いのは変わらないが、ここのは辛味を加えてあるそうだ。そのおかげで最後まで食べ飽きない。イカもチュクミも柔らかく、しかもたっぷり使われていた。一皿で満腹感を味わえるボリュームだし、これは人気になるよなあ。

海辺の寺、龍宮寺(용궁사/ヨングンサ)

食事を終えて、龍宮寺(용궁사/ヨングンサ)を参拝。日本の名所旧跡と同じく参道には土産物屋が軒を連ね、大声で呼び込みをしていた。寺院自体もそこかしこに俗っぽさを感じたが、日本海を背景にした眺めはなかなか壮観だ。もし誰か釜山へ来ることがあったら、食事も含めてお勧めしたい。焼きそばではないけどね。

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キムパッ天国 明洞本店 (韓国 - ソウル)

韓国旅行2日目の続き。明洞のFRESH WILLで昼食を済ませたあと、ソウル市郊外の高尺スカイドームを訪れた。この日の夜にこの会場で開催されるMetallicaの韓国公演と、そのオープニングアクトのBABYMETALが今回の旅の最大の目的だ。熱狂的なライブは11時過ぎまで続き、市街地中心部へ戻る地下鉄は終電車ギリギリの時間だった。スタンディング席で疲労度はMAX。その上、夕食を食べずに0時を回って、お腹はすっかりペコペコだ。

キムパッ天国 明洞本店 24H営業

実はこの状況を見越して24時間営業の店を下調べしたおいた。それがキムパッ天国(김밥천국/キンパッチョングッ)の明洞本店だ。同店は韓国全国に展開しているのり巻き(김밥/キムパプ)のチェーンで、のり巻以外にも粉食(분식/プンシク)や鍋(찌개/チゲ)、丼物・トンカツなどを提供している。新宿の明洞のり巻を紹介した記事でも触れたが、韓国ではこのスタイルの店がファストフードとして定着しているのだ。

キムパッ天国 明洞本店 店内の様子

明洞方面への乗り換えはもう終わっていたので、最も近い駅で地下鉄を降りた。凍てつく寒さのソウルをトボトボ歩き、キムパッ天国・明洞本店へ着いたのは0時半過ぎ。有名チェーンの本店の割に、ずいぶんと小さな店舗だ。テーブルが10卓あまり並んだ店内はかなり殺風景で、個人経営の気安い食堂という雰囲気。深夜なので客はガードマン姿のおっちゃんが一人だけ。夜勤の休憩時間なのか夜食を食べ、同僚の分をテイクアウトしていた。

注文は伝票にチェックを入れて

適当な席に腰掛け、伝票にチェックを入れ、「チョギヨー」と店員を呼んで渡す。注文したのは、元祖のり巻き(원조김밥/ウォンジョキンパッ/₩1500≒150円)とラッポッキ(라볶이/₩4000≒400円)。店頭の日本語表記が「元祖のり巻き」ではなく「援助のり巻き」となっていたが、たぶん誤訳だろう。ちなみにちゃんと日本語メニューも用意されているらしいので、その辺はご安心を。

ビールは持ち込み可能なのです

事前に調べたところ、この店では飲み物の持ち込みが基本的に許されているらしい。なので私もCass Freshのロング缶をコンビニで購入して持参した。韓国ビールのもう一つの人気ブランド・Hiteも試したが、私的はCass Freshに軍配が上がった。ぶっちゃければ日本ビールの方が好みで、韓国のコンビニでも普通に売っているのだが、ま、せっかくの旅行だからね。夜道で冷えたビールが、ライブで疲れ切った身体にシュワシュワと滲みてゆく。

元祖のり巻き(원조김밥/ウォンジョキンパッ) ₩1,500

のり巻き(김밥/キムパプ)は店頭の台で巻かれて、たくあん(단무지/タンムジ)と一緒にすぐ出てきた。細巻きと太巻きの中間ほどの太さで、ひと口サイズに切り分けてある。具は玉子焼き、ハム、人参、ほうれん草、たくわん。ご飯と具のバランスがちょうど良く、落ち着く味わいだ。

一方のラッポッキ(라볶이)は注文から20分近く掛かった。「身体が冷え切っているなあ、辛くて熱いのが食べたいなあ」「ビールのツマミに、のり巻より濃い味のが欲しいなあ」と待ちわびたので、写真を撮るのももどかしい。湯気をかき分け、さっそくいただこう。

ラッポッキ(라볶이) ₩4,000

明洞のり巻でも紹介したが、ラッポッキ(라볶이)は、韓国餅を真っ赤なスープで辛く炒め煮したトッポッキ(떡볶이)に、インスタントのラーメン(라면/ラミョン)を入れたものだ。この店のラッポッキは汁気も少なく、期待以上に焼きそばっぽさ満点の品だった。

汁気も少なく、焼きそばっぽさ充分

具はうるち米を使った韓国餅=トック(떡/打糕)が3本ほどと、キャベツ、そして韓国式の練り物=オデン(오뎅)がたっぷり入っていた。味付けはコチュジャンベースで辛いのだが、甘味や旨味もしっかりある。明洞のり巻のはあまり口に合わなかったが、ここのラッポッキはかなり好みの味だ。辛い物好きとしては普通に美味しい。

ラッポッキのタレをのり巻にからめるもよし

そしてこのラッポッキのタレをのり巻きにつけて食べるのが、本場の流儀だとか。真似してみるとなかなかイケる。ビールのツマミ兼夜食にピッタリの組み合わせだな。アルコールと炭水化物とカプサイシンで、どうにか身体も温まった。「ケサンヘ、ジュセヨ」とお会計をお願いし、2品合計で₩5,500≒550円。缶ビールの₩2,600を足しても、800円余りで済んでしまった。安あがりな晩飯だ。

外へ出ると雪がチラチラ。入店時より寒さがまた一段と増したようだ。ホテルまで1㎞弱の道のりを歩き、シャワーを浴びて2時ごろ就寝。疲れ切っていたせいで、この夜はすぐに眠りに落ちた。

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FRESHWILL ロッテ百貨店本店 (韓国 - ソウル)

明洞のロッテ百貨店本店の地下にフードコートがある。このフードコートに目当ての店があったのだが、事前調査によるとどうも数年前に撤退してしまったらしい。念のため韓国へ渡った初日に訪れてみたが、やはり見当たらず。気落ちしつつも、他にどんな店が入っているのか眺めて回ったら、フロアの一角に気になる店を見つけた。

FRESHWILL ロッテ百貨店本店

FRESHWILL(프레쉬윌/フレッシュウィル)というのが屋号で、"NOODLE & GRILL"とのキャッチフレーズが付いている。見た感じでは、どうやら炒麺と炒飯がメインの鉄板焼き専門店らしい。その後、ホテルへ戻ってから調べたところ、Well Food System(WELL FS)というグループのブランドのひとつで、韓国各地のロッテ百貨店のフードコートに何店舗か出店しているようだ。どんな品か確かめたくなり、韓国滞在2日目の昼食に再訪してみた。

FRESHWILL 店頭の食品サンプル群

メニューの代わりに日本ではおなじみの食品サンプルが、店頭にずらっと並んでいた。炒麺系はヘムル・ヤキミョン(해물야끼면/海鮮炒面)、プルコギ・ヤキミョン(불고기야끼면/烤肉炒面)、トッカルビ・ヤキミョン(떡갈비야끼면/打糕猪排炒面)の三種類。価格は全て9000₩≒900円。見た目に加え、ハングルに漢字や英語が添えてあるので、どんな品か分かりやすい。「焼き(야끼/ヤキ)」は韓国でも一般的に通用しているんだね。

呼び出しブザーを渡されます

ちょっと迷ってトッカルビ・ヤキミョンを注文。ついでにChilsung Cider(チルソン・サイダー)という炭酸飲料も購入して、合計で₩11,000。レシートと缶とストローと呼び出しブザーを渡され、カウンターの端っこの椅子に着席して待つ。サイダーは日本の三ツ矢サイダーを思わせる予想通りの味だった。

目の前の鉄板で焼き上げます

眼の前の鉄板で小手を器用に使って焼き上げる。熱したステーキプレートに盛り付けると、すぐに手元のブザーが鳴った。受け取ったトレイには、ステーキプレートと一緒にキムチ、スープ、そしてチリソースが乗っていた。

トッカルビ・ヤキミョン(떡갈비야끼면) 9000₩

前回紹介した明洞屋台の焼きそば(焼蕎麦)と同じく、ここも麺はうどん玉を使っている。店頭の食品サンプルの写真をあとで拡大して気が付いたが、英語表記は「Grilled Short Rib Patties Yaki Udon」で、実は「焼きうどん(Yaki Udon)」と最初から書いてあった。モチモチのうどん玉と一緒に炒めてある具はモヤシ・玉ねぎ・人参・コーン・インゲン・キャベツなど。野菜は8割はモヤシだったが、たっぷり使われているので全体的にヘルシーな印象を受けた。

トッカルビを含めて、かなりのボリューム感

トッピングはトッカルビとカイワレとサラダ菜。トッカルビ(떡갈비)はカルビ=バラ肉を使った韓国風のハンバーグのことだ。「トッ」はトッポギの「トッ」と同じく、「餅(떡/打糕/トック)」を意味する。カルビをミンチにして餅のように丸めたので、こう呼ぶようになったらしい。一般的な焼肉屋だとカルビ=牛バラ肉だが、この店は漢字表記が「猪排」なので豚バラ肉を使っている。マルシンハンバーグを思わせるパテには甘辛のタレが掛かっていて、案外厚みもある。小手で上から押さえて、焼き目をちゃんと付けていたのも好印象。

麺はモチモチうどん玉

全体の味付けは甘塩っぱく、割と甘めに寄っている。モチモチの太麺が美味しい。焼うどんとしてなら、日本で出されても全くおかしくない味わいだ。付いてきたチリソースを混ぜると、なかなかの辛さになった。前回紹介した明洞屋台ではコチュジャンベースのソースだったが、ここのはタイ料理やベトナム料理などで使われるスイートチリソースだ。この国では辛さを増すソースが必須なのだろう、きっと。

スイートチリソースで辛さ増しもオススメ

スープは葱と揚げ玉入り。すっきりあっさりした味わいでよい箸休めになる。キムチもなかなかいけた。コスパ的にバランスのよい焼きそば……もとい、焼きうどんだった。前日の明洞屋台もそうだったが、焼きそばと思わせといて焼うどんばかりだな。ま、予想を裏切られるのが旅の面白いところだ。

明洞 ロッテ百貨店本店

ラオスのタラート・サオ・モールでもそうだったが、デパートのフードコートはその国の飲食サービスを手っ取り早く知るには最適かも知れない。現地の人たちが普段から利用しているので、最大公約数的な食事が集まっていて、バリエーションも一通りそろっている。今後、海外を訪れる際は意識しておくようにしよう。

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明洞屋台 (韓国 - ソウル)

1月10日から13日まで、BABYMETAL目当てで韓国へ行ってきた。今週・来週は、その韓国で食べた品々をご紹介しよう。なお、韓国の焼きそば系メニューのいくつかは、事前に東京で予習して先々週にまとめて紹介した。未読の方はそちらをご覧いただいておくと、より楽しめるかも知れない。

明洞 屋台(露店/ノジョム)街

さて。まず紹介するのはソウルを代表する繁華街・明洞(명동/ミョンドン)に毎夜現れる屋台街だ。ロッテ百貨店本店と明洞聖堂、明洞駅をT字状に繋げた一帯では、夕方から屋台(露店/노점/ノジョム)がポツポツと出始め、様々なストリートフードを商っている。その中に焼きそばもあると知り、初日の夕方に訪れて何軒か食べてみた。

センサムギョプサル焼蕎麦の屋台

1軒目は丁字路の中心近くに出店していた焼きそばの屋台。商っているのは野菜焼蕎麦(야키소바/₩3000≒約300円)とセンサムギョプサル焼蕎麦(삼겹살 야키소바/₩4000≒約400円)だ。焼き上げる様子は日本の焼きそばの屋台とあまり変わらないのだが、よーく観察するとやはりいろいろと気になる点が出てくる。

焼き上げる様子は日本の屋台とあまり変わらない

まず麺。看板には焼蕎麦と書いてあるが、蕎麦でも中華麺でもなく、うどん玉を使っている。ハングル表記は日本語を音写した「야키소바/ヤキソバ」。漢字表記は「炒拉面」。店員も「好吃ー、炒拉麺ー!」と中国人に狙いを定めて呼び込んでいる。英語は「Pork belly Yaki Noodles」。「Yaki」だけ日本語という、その基準がよくわからない。またセンサムギョプサルのカタカナ表記には「生で新鮮」を意味する「생/セン」が付いているが、ハングルだと付いてない。ただの「サムギョプサル/삼겹살」だ。

センサムギョプサル焼蕎麦(삼겹살 야키소바) ₩4000

サムギョプサル焼蕎麦の方を指差して「イゴ ジュセヨ(これ、ください)」と注文すると、樹脂製の器にビニールを被せて盛り付けてくれた。「辛い(の入れる)?」と訊かれ、うなずくと真っ赤なチリソース(コチュジャンソース)も、ちょろっと掛けてくれる。こんな風に、容器にビニール袋をかぶせるのが韓国の屋台の一般的なスタイルらしいが、理由がよくわからない。容器を使いまわしている様子はなかったから。テイクアウトしやすくするためだろうか。

ちょっと寂しい肉の量だが味は美味い

麺は前述の通りうどん玉。チャジャンミョンで使われる手打ち麺のようなコシを期待したが、ごく普通の茹で置きうどん玉だ。具は薄い豚バラ肉、モヤシ、人参、ニラ。味付けは甘辛で、コチュジャンソースを混ぜると、あとからジワっと辛さが来た。味付け自体は好みの味だ。サムギョプサルと呼ぶには、肉の量がちょっと寂しく、全体のボリュームは軽めだが、まあ屋台だからこんなものだろう。なかなか美味しい焼蕎麦ならぬ焼きうどんだった。

明洞元祖 焼蕎麥

2軒目はロッテ百貨店本店からほど近い場所に出店していた焼きそばの屋台。看板には「明洞元祖(명동원조/ミョンドンウォンジョ)」を掲げているが、韓国の飲食店はやたら「元祖」を名乗りたがるらしいので、たぶん深い意味はない。ただ周辺の屋台の中では、ここだけ特に人混みができていて、リピーターらしき韓国人もいたので普段から人気なのだろう。

手書きメニューでは「やきうどん」

売り物は焼蕎麥(야키소바/₩3000≒約300円)で、「麦」の字が、日本ではほぼ見ない異体字の「麥」になっている。しかし麺はやはりうどん玉で、さらに手書きのメニューでは「やきうどん」となっているのが面白い。「ヤキソバ、ジュセヨ」と注文すると、「辛い(の入れる)?」とここでも訊かれた。うなずいて返すと、やはりコチュジャンソースを掛けてくれた。

焼蕎麥(야키소바) ₩3000

具はキャベツ、人参、モヤシ、ニラで肉は入っていない。そしてなんと、かつお節と青のりが掛かっている! うーむ、そこだけは期待以上にちゃんとした焼きそば、もとい焼きうどんではないか。ベースの味は甘じょっぱい。そのままでも美味いが、スパイシーなコチュジャンソースもなかなか合う。ボリュームはやはり軽め。食べ歩きでなければ、もう一杯食べたいところだ。

なかなか美味しいやきうどん

最後はT字路の交差点から少し明洞聖堂寄りに出店していたチャプチェ(잡채/雜菜)専門の屋台。新宿にある韓国料理店・ハヌリを紹介した記事で詳しく書いたが、チャプチェに使われる春雨は、韓国語で「タンミョン(당면)」=「唐麺」と呼ばれるので、焼きそばの一種と言えなくもない。しかも通常はご飯のおかずとして消費されるが、この店では主役なのだ。

チャプチェ(잡채/雜菜)専門の屋台

売り物は野菜チャプチェ(야채잡채/ヤチェ・チャプチェ/蔬菜杂烩/₩3000≒約300円)と、肉チャプチェ(고기잡채/コギ・チャプチェ/荤杂烩/₩4000≒約400円)。英語表記は「Chop suey vegetables」と「Meat dishes commonly prepared are japchae」。うーむ。JapchaeとChop sueyは違うし、「Stir-fried Glass Noodles」とか「Japchae with Meat」でいいような……。だがまあ、日本でも変な英訳はよくあるので気にしないでおこう。

ここではチャプチェが主役

注文したのは肉チャプチェ。店頭にはコチュジャンソースと、辛そうな味噌っぽいのが置いてあったが、今回は敢えて使わないでおいた。麺は弾力のある細い春雨。具は玉ねぎ、人参、キクラゲ。香菜か三つ葉か春菊か、香りの強いセリ科らしき葉物も入っていた。味付けはかなり甘め。すき焼きでよーく割り下が滲みた白滝のような味わいだ。そこにニンニクと生姜が利いた煮汁で煮込まれ牛肉がトッピングされている。もろに日本人好みの食味で、とても旨い。小さな屋台ながらもさすが一国一城の主、主役を張るチャプチェだけのことはある。

肉チャプチェ(고기잡채) ₩4000

普段ならコンビニでビールでも買って、これらをツマミに飲みたいところだ。しかし気温が0℃を下回る冬のソウル、しかも野外はさすがにツい。座って飲める居酒屋スタイルの「ポジャンマチャ」もあるが、ぼったくりの危険があるので素直にホテルに戻って、近所の店で飲み直した

ほかの屋台は海鮮や肉の串焼き、スイーツなどが多かった。それにしても「焼蕎麦」と書いておきながら実体は焼きうどんだったり、やはり実際に来て見ないと分からないことが多いなあ。

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