東京焼き麺スタンド

都内周辺の焼きそば専門店はまだまだ数が限られている。それでも当ブログ開設当時に比べれて5倍以上に増え、特に2016年の新店オープンラッシュで急増した。一時期の勢いは落ち着き、既に閉じた店もあるが、今でも新しい専門店はポツポツ誕生している。

下北沢西口 東京焼き麺スタンド

今回紹介する東京焼き麺スタンドは、下北沢で7月1日にオープンした焼きそば専門店だ。意外かも知れないが、下北沢には焼きそばを主力にしている飲食店はこれまで無かった。この地での専門店誕生は実に嬉しい。

東京焼き麺スタンド 店内の様子

場所は下北沢駅西口側。本多劇場周辺の喧騒とは無縁の静かな通り沿いだ。居酒屋の2階への階段を上がって、右側の扉が入り口。客席は壁沿いのカウンターが5席に、2人掛けテーブルが1卓と、4人掛けが1卓。スタッフは男性3人。雨の平日夜で先客はいなかった。

東京焼き麺スタンド 券売機

正面の券売機のメニューは、スペシャル焼きそば(750円)と夜飲み5食限定のそばめし(850円)。あとはトッピングやドリンクのみというシンプルな品揃えだ。

セットドリンク 250円

千円札を滑り込ませてスペシャル焼きそば(750円)とセットドリンク(250円)の食券を購入し、スタッフに渡す。セットドリンクは生ビールかハイボールを選べ、ビールを選択。よく冷えたタンブラーに注がれたアサヒスーパードライがすぐに出てきた。

中華鍋で炒められたスペシャル焼きそば

調理は鉄板ではなく中華鍋を使っている。客席からでも火力が強いのが見て取れる。注文から9分ほどで出来上がり。トレイに載せられた焼きそばが運ばれてきた。

スペシャル焼きそば 750円

麺は太い生麺を使用。味付けはソース。具は豚肉とキャベツ。トッピングに目玉焼き、青海苔、紅生姜。構成要素はオーソドックスなソース焼きそば、そのものだ。しかし一つ一つの食材にこだわりが見て取れる。

三河屋製麺謹製のモチモチ太麺

太麺は北海道産小麦を100%使用。三河屋製麺の箱が積まれていたので、そちらに発注しているのだろう。その場で茹でた生麺ならではのモチモチした食感が特徴的だ。

中華鍋でしっかり焼き目をつけてある

しなやかな腰に加え、中華鍋でしっかり焼き目をつけてある麺には、ソースがよーく滲みている。ソースはオリジナルブレンドだそうで、甘酸辛のバランスが良い。トマトケチャップのような風味も香る。

豚肉とキャベツは一切れ一切れが大振り

具の豚肉とキャベツは麺とは別々に炒めて、盛り付けで合わせているようだ。それぞれ一切れ一切れが大振りで、豚肉の食べごたえ、キャベツの甘味が印象的だ。

過熱水蒸気で調理されたフワトロ目玉焼き

目玉焼きは壁に貼られた説明書きによると「加熱水蒸気(過熱水蒸気?)」で調理されているそうだ。絶妙な黄身の半熟具合で、麺に絡む。個人的には白身の端がカリッと焼かれた目玉焼きが好みだが、こういうフワッとした目玉焼きも美味い。

半分ほど食べたところで味変

半分ほど食べたところで、卓上の特製からしマヨネーズと七味も加えてみた。マヨの濃厚なコクと七味の辛さが食欲をさらに刺激する。全体のボリュームが結構あるので、こうした味変も楽しい。

総評としては、材料を吟味して丁寧に作った正統派のソース焼きそば、といったところか。やきそばる亀戸やきそばのようなパッと見のインパクトには欠けるが、誠実さを感じさせる美味しい一皿だった。

食後、お願いして少しお話を伺ってみた。店長の黒田康介さんはオープン直前の6月まで、大手町で証券マンをされてたという。仕事で飲食関連企業とも接点があり、前から興味があったとか。

元証券マンの店長、黒田康介さん

鉄板ではなく中華鍋で調理するのは、麺をまんべんなく焼くためと、パスタのようなバリエーションの広がりを想定してのことらしい。今はソース焼きそばと焼き飯だけだが、そのうち他の焼き麺も増えそうだ。

「焼きそばは国民食だけど、いまだ軽く見られている。その地位をもっと向上させたい」

その想いは多くの焼きそば専門店と共通しているところだ。お酒やおつまみをあまり置いていないのも、焼きそばで勝負したいから、とのこと。近々フードワゴンも始めるらしいので、そのうちそちらも訪れてみたい。下北沢へ来られた際は、ぜひ西口まで足を伸ばしてモチモチ焼きそばをご賞味ください。

店舗情報電話番号: 070-3962-6756
住所:東京都世田谷区北沢2-23-6 すみれビル2F
営業時間: 11:30〜15:30, 17:30〜23:00
定休日: 火曜
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主なメニュースペシャル焼きそば 750円
セットドリンク 250円