シルクロード・タリム

中国本土の焼きそば特集、10週目! ラストは新彊(ウイグル)など西北地域の焼きそば(炒麺)です!


西新宿にシルクロード・タリムという店がある。東京唯一の貴重なウイグル料理専門店で、店長もシェフも新疆ウイグル自治区の出身。ちなみに店名の「タリム」はウイグルを流れる川の名前が由来だそうだ。

西新宿 ウイグル料理 シルクロード・タリム

ウイグルというとどうしても政治的な問題のことを考えてしまうが、このブログの趣旨から外れてしまうのでそれは脇に置いとこう。この店でウイグル独特の「炒麺」を食べることができると知って訪れてみた。

甲州街道の看板

6月下旬、日曜日の17時半ごろ訪問。最寄り駅は初台だが新宿駅から歩けない距離でもない。甲州街道の看板を目印に横道へ折れて30mほど先に、オアシスとキャラバンを描いたファサードが目に飛び込んできた。

店内の様子

フロアにはテーブルが多数置かれ、カウンターも5席ほどある。厨房に3名、ホールに1名。先客が数組居たが、まだディナーには早い時間で予約席はガラガラ。自分は1人客ということでカウンターへと促された。厨房の様子が良く見えるので大歓迎だ。

生ビール(450円)とお通しの豆豆

まずは生ビール(450円)と羊肉の串焼き(シシ カワプ・1本200円)を2本注文。すぐにジョッキが運ばれて来た。お通しの茹で豆の和え物をつまみにグッとビールを煽る。

羊肉の串焼き(シシ カワプ) 1本 200円

羊肉の串焼きはクミンを始めとするスパイスがたっぷり塗されていた。歯を立てると肉汁が滴り落ちる。羊独特の獣臭さをスパイスが中和して実に美味い。

続いて生ビールのお代わりと大根サラダ(トゥルップ ハミセイ・380円)を注文。大根サラダは黒酢メインのドレッシング。ピーマンやパプリカが使われていて彩りも鮮やかだ。CPも良い。

大根サラダ(トゥルップ ハミセイ) 中 380円

さらにビンビール(中瓶・500円)を注文したり、オーダーミスで余った羊肉の串焼き1本を代わりにいただいたり。店内を見渡すといつのまにか満席だ。複数人数なら予約すべきだな。

シルクロード・タリム 麺類メニュー

そして締めに注文したのが今日の目的の品、切り麺炒め(コルマ チョップ・780円)。漢字表記では「炒麺(炒面)」と書くが、現地では「チャーメン」ではなく「ソーメン」と発音するらしい。うどんのような麺を細かくぶつ切りにして具と炒めた品で、中国の他地域では「新彊炒麺」「丁丁炒麺」と呼ばれている。

麺生地は乾燥しないようにラップを掛けて保存

ちょうど目の前で麺を打っていたので、お願いしてその様子を写真で収めた。麺生地は適度伸ばしてとぐろ状に巻き、乾燥しないようにラップを掛けて専用の器で保存されている。

必要な分を取り分けて手延べします

そこから必要な分をあやとりのように取り分け、麺台に打ち付けてうどんくらいの太さに伸ばす。本来の意味での「拉麺」=手延べ麺で、あんかけ麺(ラグメン)はこの麺を茹でて具を掛けたものだ。

1~2cm前後の幅に刻んでゆきます

切り麺炒め(コルマ チョップ・780円)は、その伸ばした麺を1~2cm前後に細かく刻む。漢字表記の「丁丁」は麺を刻む擬音語らしい。うん、よく分かる気がする。

その刻んだ麺を具と炒めてできあがり。具は玉葱、ピーマン、赤パプリカ、ニンニクの芽、羊肉、ジャガイモ。どれも麺と同程度のサイコロサイズに切られている。味付けは塩コショウ、赤唐辛子、ニンニクなど。トマトも使っているのかな?

切り麺炒め(コルマ チョップ) 中 780円

最初は箸で食べてみたが、すぐスプーンに持ち替えた。食感も味わいも全体的にイタリア料理のような印象だ。東北料理の炒猫耳朶とも相通じる不思議な炒麺だ。世界は広いなあ。

食感も味わいもイタリアンぽい

食べ終えてお会計は3160円。ちなみにこの店には、刻まずに茹でて炒めたウイグル風焼きうどん(タリム コルマ チョップ)という品もある。次はそれを食べてみたいなあ。また来ようっと。

シルクロード・タリム

店舗情報TEL:03-6276-7799
住所:東京都新宿区西新宿3-15-8 西新宿バールビル1F
営業時間:17:00~24:00
定休日:月曜日(祝日は営業)
ホームページ
主なメニュー切り麺炒め(コルマ チョップ) 中780円 大1200円
ウイグル風焼きうどん(タリム コルマ チョップ) 中800円 大1300円

タリム特上あんかけ麺(タリム ラグメン) 中980円 大1280円
あんかけ麺(ラグメン) 中900円 大1100円
羊肉の串焼き(シシ カワプ) 1本 200円
大根サラダ(トゥルップ ハミセイ) 中380円 大680円

生ビール 450円 ビンビール(中瓶) 500円