千徳

東中野にある大盛軒という大衆中華の人気店をご存じだろうか? 看板メニューは「鉄板麺」。焼きそばを想像してしまうがさにあらず。熱々の鉄板に肉野菜炒めを盛り付け、生玉子・ご飯・半ラーメンと一緒に食べるセットメニューなのだ。私も学生の頃から何度も食べてきたが、ボリューム満点でパンチの効いた味わいが癖になる。このブログでも取り上げてみたいのだが、焼きそばではないのでずっと諦めていた。

戸越駅前 じゅうじゅう焼き 千徳

しかしその大盛軒から暖簾分けされたという、戸越の千徳という店の存在を知って風向きが変わった。この記事に暖簾分けの経緯が述べられているが、千徳では「じゅうじゅう焼き」という品名で提供しているそうだ。そしてさらにその焼きそば版もあるらしい。おー、それならばうちのブログにピッタリではないか。食べよう食べよう。

というわけで5月下旬、平日の20時過ぎに訪問。店舗は国道1号線の下り車線沿い、都営浅草線・戸越駅のA1出口とA2出口のちょうど真ん中辺りにある。

千徳 店頭メニュー

入店前に店頭に貼られていたメニューで目的の品、「じゅうじゅう麺」を確認。……が、ない! 前回の野郎ラーメンの券売機と同じ展開か! もしや止めてしまったのかも……と膨らんでくる不安感。とりあえず中に入ってみた。

「いらっしゃいませー!」

店員さんは男性二人。客席はL字カウンターのみ9席ほどで半分ほどが埋まっていた。とりあえず着席したがカウンター上にメニューはなく、さっきのメニューの裏側には全く同じ品書きしかない。

「あのすみません、じゅうじゅう麺ってやってますか?」
「はい、やってますよー」

千徳 店内メニュー

そう応えた視線の先に眼をやると、奥の壁に写真つきで紹介されていた。よかったーっと声に出さずに安堵する。ふむふむ、もともとはまかない飯なのか。

「では、じゅうじゅう麺(900円)で!」
「はいー、じゅうじゅう麺ひとつー」

もやしを敷いた鉄板をコンロに掛けて加熱。そこに茹で上げた麺を乗せ、炒めた野菜と肉を盛り付け、タレをかけて出来上がり。スープと一緒にお盆で提供された。

じゅうじゅう麺 900円

鉄板からは湯気が濛々と立ち上っている。写真を撮るのに難儀してたら、「下の方が焦げて味が濃くなりやすいので、お早めにかき混ぜて召し上がり下さい」と言われてしまった。そうだったそうだった。大盛軒での鉄板麺を思い出し、慌ててかき混ぜ食べ始める。

湯気で何も見えない

麺はラーメンにも使われている中太の平打麺。シコシコしたコシが特徴的だ。キャベツ、モヤシ、玉ねぎ、人参の上に、豚バラ肉少々が乗っている。味付けは甘辛酸っぱい特製のタレ。たしか玉ネギの摩り下ろしとか入っていたような。ジャンクかつ複雑な味わいで、これが野菜や肉に絶妙にマッチするのだ。

麺の焦げ目も良いアクセント

じゅうじゅう麺だと、鉄板で焦げた麺も歯応えと香ばしさがちょうどよいアクセントになって楽しめる。それと大きな瓶に入ったタバスコも欠かせない。大盛軒もそうだったが、途中でこれをダバダバ掛けるのがお作法なのだ。

カウンターのタバスコ大瓶、重要です

口の中を火傷しても構わずかきこむくらいの勢いも大事。ハフハフ食べてると何か物足りないことに気がついた。そうだ、玉子だ、生玉子! それも欠かせない要素だったっけ。終盤で気づいたため追加注文は控えたが、次回は絶対トッピングで忘れないようにしよう。

付け合せのスープは落ち着く味わい

付け合せのスープは醤油ベースのシンプルな品。生姜の利いた落ち着く味わいで、メインを邪魔せず、サポートに徹している名脇役。じゅうじゅう焼きセットだとこれがラーメンになるんだな。

食事中もひっきりなしに客が入ってきて途絶えず。スタッフと常連さんとが軽口を交わしている様子に、地元での人気ぶりがうかがえた。食べ終えてからお冷をお代わりし、汗をぬぐってお会計。東中野の大盛軒でもやってくれないかなー、じゅうじゅう麺。生玉子つきで。

千徳

店舗情報TEL: 03-3787-4014
住所: 東京都品川区戸越3-4-19
営業時間: 18:00~26:00
定休日: 木曜
主なメニューじゅうじゅう麺 900円

じゅうじゅう焼きライス 890円
じゅうじゅう焼きセット 890円