沙漠之月 (東京都豊島区)

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中国本土の焼きそば特集。締めのお店はこちら!


池袋に沙漠之月という中国西北家庭料理店がある。「そのうち行こう」とGW前後から思っていたのだが、6月頭に店主が本国に帰省して長期休業に入ってしまった。そして6月も終わる頃、今週の水曜からようやく再開するとの報が。喜び勇んで再開初日に予約して訪問してみた。

池袋 中国西北家庭料理店 沙漠之月

池袋駅の東口を出て明治通りを北へ。六つ又交差点を過ぎて100mほど進んだ左側にある、細長い雑居ビルの3階が目的の店だ。路上の看板が辛うじて目印になっている。

沙漠之月 店頭のメニュー

螺旋階段を登り、屋号が書かれた扉を開けて「こんばんはー」とご挨拶。店を切り盛りするのは甘粛省出身の女将、英英(インイン)さん。元バックパッカーだそうで、敦煌で日本料理のカフェを営んでいたこともあるそうな。日本語ぺらぺら、明るく朗らかな話好きの女将さんである。

先客は中国出身という常連の某大学院生さんが一人。沙漠之月はカウンター5席だけの小さな飲み屋さんなので予約してから訪問するのが良い。またメニューも食べたいものがあるのなら予約のときに確認した方が良い。この日も前日に電話で食べたい品をリクエストしておいた。とりあえずエビスビール(小瓶・450円)を注文。お通しの春雨サラダを添えて出してくれた。

エビスビール(小瓶)とお通し

「さっそくあれ作ります?」
「はい、お願いします!」

リクエストしておいたのは「炮仗面(パオチャンミェン)」。「炮仗」は「爆竹」のことで「爆竹麺」を意味する。お店のブログではこの日のメニューとして「张掖炮仗子(チャンイェーパオチャンツー)」という名前で紹介されていた。「张掖(張掖)」は甘粛省の地名で英英さんの出身地だそうだ。

お喋りしつつも手は止まらず

油を塗って馴染ませた棒状の麺生地をさらに細長く伸ばし、手で千切って沸騰したお湯に次々と投げ入れる。茹だった麺をザルにあげる。その間に具材を刻む。手を動かしつつも会話が途切れることがない。

张掖炮仗子(チャンイェーパオチャンツー)

具と麺を炒めて味付けし、「炒炮仗(チャオパオチャン)=爆竹麺炒め」の出来上がり。しずく型の白皿に盛り付けて供された。かなりのボリュームだ。麺は前述の炮仗面=爆竹麺。たしかに形が爆竹に似ている気がする。

炮仗=爆竹に似た形の麺

この日の具は豚肉・玉葱・ピーマン・キャベツ。刻んだニンニクとショウガ、トマト缶、黒酢、砂糖や醤油で味付けされている。食感も味わいもイタリアンぽい。特に麺はモチモチ・シコシコした独特の食感でとても美味しい。酒も進む。ワインがあれば注文していたかも知れない。

食べているうちに若い日本人の常連さんもやってきた。みな中国語で会話してるのがうらやましい。俺もちゃんと中国語を覚えたいなあ。

さて次の注文。何にしようかと迷っていたが、自分が焼きそば好きということで、この日のメニューには無かった「炒面片(炒麺片・チャオミェンピェン)」を作ってくれた。ありがたや。

茹で上げた麺片と夏野菜などの具材

さっきと同じ麺生地を今度は平らに薄く伸ばす。それを手で千切って茹でるなど、あとの手順は炮仗面と同様だ。

「西北の人は麺をとにかく沢山食べます。お米だけの食事だと食べた気がしない、力が入らないという人もいますよ」とは女将さんの弁。日本と真逆で面白い。

炒面片(チャオミェンピェン)

できあがりはこれまたかなりのボリューム。「面片(麺片)」は薄く平たい麺で、前回紹介したウイグル料理店の炒麺とほとんど同じもの。これまた食感が面白い。具は茄子とトマトなどの夏野菜が中心で、あとは豚肉や玉ねぎなど。その辺はその日の気分次第らしい。

面片(麺片)=薄く平たい麺を使用

味付けはニンニクやショウガの他、豆板醤も使っていた。麺の形状とトマトのせいか、ラザニアっぽくもある。炒めるときに麺の茹で汁をちょっと加えたりするところもイタリアンぽい。

イタリアンぽい味わい

「さっきのもこれもイタリアンぽいですねー」
「イタリアのパスタは西北地方が発祥という人も地元にいました」
「あー、そういう説は私も聞いたことあります」
「張掖はマルコポーロが滞在した町で銅像も立ってるんですよ」
「へーそうなんですか! それは面白いですねー」

自家製ラー油、これを使った四川料理も食べてみたい

「ラー油や黒酢を掛けるのもオススメですよ」と言われて自家製ラー油を少し垂らしてみたり。なるほど、不思議に円やかな辛味だ。美味しい。ますます酒が進む。このラー油を使った麻婆豆腐なども食べてみたいなあ。

手製の餃子も美味しそうでした

他のお客さんの注文した餃子も美味しそうだったが、すっかり満腹でさすがにもう食べらない。エビスと紹興酒を5~6杯飲み、2時間あまり滞在して会計は丁度5000円也。

まさに「家庭料理」と呼ぶに相応しい和やかな雰囲気の楽しいお店だった。7月15日から夏休みで、また長期休業に入ってしまうそうだが、その前にもう一度訪れておきたいなあ。また予約しなきゃだわ。

沙漠之月


10週に渡ってお送りした中国本土の焼きそば特集もようやく終わりました。さすが麺料理発祥の中国大陸、まだまだ底が知れませんけど、とりあえず一区切りということにいたしましょう。

その前の上海風焼きそば特集や広東料理の老舗特集なども含めると、3月の頭から4ヶ月あまり、18週=54件も中華系の焼きそばを紹介し続けたことになりますね。我ながら良うやるわ……。中国の多様な麺食文化については、『麺の文化史 (講談社学術文庫)』や『誰も知らない中国拉麺之路―日本ラーメンの源流を探る (小学館101新書)』がとても参考になります。興味のある方はどうぞ。

さーて、来週からはガラッと趣向を変えまして、都内と中心に割りと新しめの焼きそば専門店、あるいは焼きそばが主力の店をご紹介します。お楽しみに!

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店舗情報TEL:080-6634-9898
住所:東京都豊島区東池袋2-63-15 3F
営業時間:18:30~23:00
定休日:日曜・祝日(長期休みあり)
ホームページ
主なメニュー※麺類で食べたいものがある場合は要予約
张掖炮仗子(チャンイェーパオチャンツー) ?円
炒面片(チャオミェンピェン) ?円

四川汁なし担担麺 600円 麻婆豆腐 500円
餃子6ヶ 400円
エビス(小瓶) 450円 紹興酒・陳8年(半合) 450円
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