Russ & Daughters Cafe (アメリカ - ニューヨーク)

アメリカは移民の国。先週は中華系の料理店を紹介したが、今週は別の民族の料理店を紹介しよう。まずはユダヤ系アメリカ人だ。

Russ & Daughters Cafe, NYC

ユダヤ系アメリカ人は全米各地に分布しているが、中でもニューヨークは特に多いらしい。Wikipediaによれば、「ニューヨーク市はイスラエルのグッシュ・ダン都市圏に次ぐ世界第2位のユダヤ人密集地帯」だそうだ。彼らの料理は「コーシャ(Kosher/כָּשֵׁר)」と呼ばれる。概要をコーシャジャパン株式会社のサイトから引用しよう。

「コーシャ(コーシャー、コシェル、カシェル、カシュルート等と日本語表記することもある)フードとは、イスラム教徒のハラールフードのように、ユダヤ教徒が食べてもよいとされる「清浄な食品」のこと。ユダヤ教の聖典には食べてもよい食品、食べてはいけない食品が記されており、敬虔なユダヤ教徒は、5000年前の昔からその規律を厳格に守って生活しています。

ちなみにニューヨークのユダヤ人は、意外にも中華料理と関係が深い。ユダヤ人はクリスマスを祝わない。しかし飲食店は全て閉まってしまう。そんな中で営業しているのが中華料理店。結果的にニューヨークのユダヤ人はクリスマスに中華料理を食べるようになったという。現在ではコーシャに則った中華料理店もあるほど、ユダヤ系アメリカ人の間には中華料理が根付いているそうだ。

Russ & Daughters Cafe 店内の様子

今回紹介するのはユダヤ料理=コーシャフードの人気店、ラス&ドーターズ・カフェ(Russ & Daughters Cafe)だ。こちらの記事によると週末は2時間半も待つこともあるとか。日曜の朝9時に訪れたのだが、既に大勢が順番待ちをしていた。「こりゃ長引きそうだなー」と覚悟したが、1人だと告げるとちょうど1つだけ空いていたカウンター席へと促された。ラッキー♪

Russ & Daughters Cafe メニューの一部

さて、メニュー。ユダヤ料理=コーシャならではの見慣れない料理名が並んでいる。スモークサーモンがこの店の一押しだが、他にも興味深い品々ばかりだ。Noshes(軽食)の冒頭にあるKnish(クニッシュ)は、東ヨーロッパ系ユダヤ人の伝統的な具入りパン。後日、有名な老舗ベーカリーでいただいたが、どっしり重い食べ応えのある品だった。

Kasha Varnishkas & Cherry Shrub

この日、朝食に注文したのはカーシャ・バーニッシュカス(Kasha Varnishkas $7)のポーチドエッグ付き($9)。それとチェリー・シュラブ(Cherry Shrub $6)という飲み物もお願いした。

Cherry Shrub $6

「シュラブ(Shrub)」というのは飲用に甘くした酢のこと。こちらのチェリー・シュラブはさくらんぼ、白バルサミコ、花椒、そしてライムが使われている。花椒は四川料理に使われる山椒、舌が痺れるあの「麻」味の元だ。こんな組み合わせがあるのか、という味わいだが、飲み進めると美味しく感じてきた。インド料理店で飲んだジャルジーラを思い出す。酢とフルーツとスパイスのカクテル、意外にありだな。

そしてカーシャ・バーニッシュカス(Kasha Varnishkas)。「カーシャ(Kasha)」はスラヴ諸語で「粥」を意味する。これも東ヨーロッパ系ユダヤ人がアメリカに持ち込んだ料理で、カーシャ・バーニッシュス(Kasha Varnishkes)という表記もある。もともとヘブライ語は母音がないから、他の言語へ音写する際に表記揺れが多くなるのかな。

Kasha Varnishkas w/ Poached Egg $9

玉ねぎを茶色になるまで炒め、茹でた蕎麦の実とファルファッレ(蝶型のパスタ)を加えてさらに混ぜ炒めた料理だ。作り方に興味ある方はこちらの動画が参考になるだろう。皿から漂う油脂の香りが食欲をそそる。炒める際には鶏油を使うのが伝統らしい。

蕎麦の実とファルファッレという異色の組み合わせ

味付けは塩と胡椒でごくあっさり。余計なものを加えていない分、玉ねぎと鶏スープの旨味が際立って、とても芳醇な味わいだ。蕎麦の実とファルファッレという異色の組み合わせも、風味と食感を補い合って期待していた以上に美味しい。ポーチドエッグを絡めても合うなー。ボリュームも結構あって、牛丼を食べた程度の満腹感を得られた。

ポーチドエッグを絡めても合う

レバノンのレバニーズライス(Lebanese Rice)やエジプトのコシャリ(Kushari/كشرى)など、地中海沿岸には米とパスタを一緒に炒めて煮込んで炊き上げる技法がある。調理の手順や材料はだいぶ異なるが、このカーシャ・バーニッシュカスも発想が何となく似ているな、と感じた。蕎麦やパスタを一応は混ぜ炒めているので、当ブログで紹介してみたが、いかがだったろう? 日本でユダヤ料理というと中東イスラエルの料理が多いが、アメリカや東欧系の料理を食べられる店もあるようなので、機会があったらお試しあれ。

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店舗情報住所: 127 Orchard St, New York, NY 10002
TEL: (212)475-4881
営業時間: 9:00~22:00(Sat, Sun 8:00~)
定休日: 無休
ホームページ
主なメニューKasha Varnishkas $7
w/ Poached Egg $9
Cherry Shrub $6
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