プルジャダイニング

今週から4週に渡ってインドやネパールなど、南アジアの焼きそば系の料理をご紹介します!

最初に断っておきますが、私、南アジア料理については全くのド素人です。知った風なこと書いてある場合も聞きかじりの半可通程度に思ってくださいね。寛大な心でどうぞよろしく。

ディープな南アジア編。はじまりはじまりー。いきなり長文ですっ!


本場を標榜するインド・ネパール料理店でときどき見かける「チャウミン/チョウミン(Chowmein/Choumin)」という焼きそば。もともとは中国の炒麺(炒面)がネパールを経てインドに伝わったもので、ネパール人の経営する店に置いてある場合が多い。そんなルーツを考慮しつつ、南アジアの焼きそばを食べ歩くに際してネパール料理からまず押さえてみた。

最初に選んだのはカレーマニアの方々に絶賛されている巣鴨のプルジャダイニングというお店。人気カレーブロガーのはぴいさんが昨年たべあるキングの定例会で選んだのがこちらだったそうで。私は当時メンバーではなかったので勿論参加していないのだが、この記事を読んでどうしてもここのチャウミンが食べたくなってしまったのだ。

巣鴨 ネパール料理 プルジャダイニング

2月下旬、平日の19時過ぎに訪問。巣鴨駅前の国道を渡り、以前紹介したやきそバーHITを横目に徒歩数分。電飾看板のほかにはあまり飾り気の無い外観の店舗を見つけた。プルジャさんが経営しているのでプルジャダイニング。わかりやすい。

テーブルが3卓とカウンター4席ほどのこじんまりした店だが、あいにくの雨で先客は2組のみ。空いててよかった。テーブルへと促されて着席。ガレージを改造したような飲食店らしからぬ箱だ。

ムスタンビール 600円

とりあえずネパールビール(650円)とカジャセット(1000円)を注文。ビールはヒマラヤ山脈の天然水を使ったという触れ込みのムスタンビールという銘柄。お通しは豆とジャガイモのタルカリ(カレー味の惣菜)。辛さだけでなく発酵食品のような複雑な旨味を感じる。のっけから美味しい。

カジャセット 1000円

カジャセットは現地の宴会などでスターターや前菜的に食べられているというワンプレート料理だ。中央が「チウラ」と呼ばれる平たい乾飯。ポリポリした食感。左下は「バトマスサデコ」でカリッと揚がった大豆をスパイスで合えたマリネ。左上が「ムラコアチャル」。大根の漬物でネパール風のタクワンだ。右上は「チョエラ」。羊肉のカレー煮でコリアンダーが利いてる。右下が「アルコアチャル」。ジャガイモの漬物でキュウリが入っていた。

辛いけれど優しい辛さ

これらを皿の上で混ぜて食べるのがネパールスタイル。これが最高のつまみになる。スパイスのことは詳しくないが、自然体というか優しい辛さという印象でヤバいくらいビールにあう。ボリュームも結構あり。「チウラ」や「バトマスサデコ」をバリボリ噛まねばならないので少々顎が疲れた。聞き慣れない料理名ばかりで、海馬もバッファオーバーフローの寸前だ。

プルジャダイニング メニューの一部

生ビール(500円)のお代わりをいただき、カジャセットを肴にグビグビやってると、グループ客が入ってきた。進んで壁沿いのカウンター席へと移動を申し出る。ついでに目的のチャウミンを注文。チャウミンはベジタブル・エッグ・チキンの三種があり、チキンチャウミン(700円)をお願いした。厨房から中華鍋を振るう音が聞こえ、しばらくしてステンレスの皿が運ばれてきた。うーん、美味しそう。

チキンチャウミン 700円

麺は平打麺。たぶん揚げ麺を茹で戻したものだろう。ヤワヤワでところどころだまになっているが、味がよく滲みるので、これはこれで充分あり。具は鶏肉、ピーマン、赤たまねぎのスライス、人参、筍。そして立ち上る芳醇なスパイスの香り。

芳醇なスパイスに圧倒、めちゃうま

辛さはほどほどだが、味わいは複雑な刺激に満ちている。サイケデリックな映像で視覚が圧倒されるように、多種多様なスパイスで嗅覚と味覚が圧倒されてしまった。とくにクミンシードの薫りが冴えている。麺のチープさと味付けのリッチさがミスマッチで面白い。いやあ、期待通りめちゃうまだわ。これはお代わりしたくなる。

プルジャダイニング 飲み物メニューの一部

締めに酒をもう一杯。選んだのはネパールのラム酒、ククリラム。オプションに「JHWAIN KHATTE」と「スパイス」ってのがある。よくわからないまま両方を指定して注文した。ノーマルだと500円だが、両方指定だと700円になる。

ククリラム(ジャイカッテ&スパイス入り) 700円

やがてティースプーンを添えた温かいグラスが運ばれて来た。なんか黒い粒々が脂と一緒に浮いている。この粒々が玄米を黒く煎り上げ、ギーを混ぜた「JHWAIN KHATTE」=ジャイカッテというものらしい。飲んでみるとカクテルのホット・バタード・ラムに似た味わいだ。身体が内側から温まってなかなかいける。もう一方のオプション、スパイスについてはよくわからなかった。

この粒々がジャイカッテ、こんな酒初めて

約1時間の滞在でお会計は3650円。食べ物も飲み物も初めての食体験ばかりで情報を処理しきれない。南アジア料理という深みに一歩足を踏み入れた気分である。そばがきに似たディードってのもいつか食べてみたいなあ。

ちなみにメシコレキュレーターの一人、カレー細胞・Matsuさんの話によると、インドにおいてネパール人の料理人は中華を担当することが多く、タンドリー料理なんかは本来は専門外らしい。あとインド人は普段はナンを食べないそうだ。覚えておくとインド・ネパール料理店でオーダーの幅が広がるかも知れない。

プルジャダイニング