Phở Xào Bắp Bò

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしょう? おせちもいいけど、焼きそばもね♪

さて、年末年始の特別企画、海外編も今週でラスト! ベトナムのハノイで食べた焼きそばを紹介して締めといたします。


前回に引き続き昨年……じゃなかった、一昨年2014年11月のこと。ラオスから日本へ戻る際、ベトナムの首都・ハノイでトランジットする必要があり、もののついでで3日ほど滞在することに。そのハノイ初日の夜、同行者と夕食を食べたあとに一人で町をうろついてみた。

ハノイの喧騒に圧倒されます

南部のホーチミンには及ばないらしいが北部ベトナム最大の都会だけあって、朝まで居たビエンチャンとは比べ物にならないほどの喧騒だ。クラクションの音と物売りの呼び声が絶え間なく聞こえてくる。前後左右、どこからスクーターが現れるか分かりゃしない。対向車線も平気で逆走してくるので油断ならない。

Phở Xào Bắp Bò, Hàng Buồm

そんなハノイの町中のハンブオム(Hàng Buồm)通りでフォー・サオ・バップ・ボー(Phở Xào Bắp Bò)の幟を掲げる食堂を見つけた。料理名がそのまま屋号になっているようだ。

フォー(Phở)は平たいライスヌードル。サオ(Xào)は「炒める」。バップ(Bắp)はトウモロコシでボー(Bò)は牛なのだが、バップ・ボー(Bắp Bò)という熟語で「牛すね肉」を指すらしい。(帰宅して調べた)

大繁盛で忙しそう

(フォー炒め! 繁盛しているし、看板メニューらしいし、これは食べねば!)

「ハロー」と声を掛け、「Can I have 'PHO XAO BAP BO' ?」と訊いてみる。「あっちに座って待ってろ」とおばちゃんが空いている席を指差す。座りづらい小さなプラスチックの椅子にちんまりと着席。

「ビール要るか? ハノイビアどうだ?」
「いらない」
「そうか(チッ」

そんなやり取りをしている間にフォー・サオが出てきた。うほ、こりゃ美味そう!

Phở Xào Bắp Bò / 60,000đ

麺は3~4mm幅くらいのフォー=平たいライスヌードル。具は軟らかく下処理された牛スネ肉と小松菜チックな菜っ葉で、炒めたフォーを蓋うように盛られている。平たいライスヌードルだと干炒河麺やパッタイ、前回紹介したフー・クアなど具と混ぜ炒めるイメージしか無かった。あんかけ焼きそば的な使い方は斬新だなー。

フォー炒めを牛スネ肉と青菜が覆う

味付けは中華料理っぽく、油ギトギトで醤油系のこってりした味わいに仕上がっている。フォーというとスープで食べるのが一般的だが、こうして炒めたフォーは歯応えや風味の印象がガラリと変わる。米と油の相性が悪かろうはずがない。中華鍋の底に張り付いたのか、フォーが固まっている部分もあるが、お焦げのような香ばしさで良いアクセントになっていた。

炒めたフォーも美味しいですよ

そしてテーブル上の薬味の類が、このフォー・サオを中華料理ではなくベトナム料理たらしめている。果物のスライスの浮いたスイートサワーソースにライムやナンプラーも用意されていた。これらで味を調えるとギトギト感が緩和され、爽やかな口当たりになる。これが東南アジアなんだなあ、と妙に感心した。

ベトナムならではの薬味が並ぶ

お会計はベトナムの通貨単位・ドン(đ)で60,000đ。日本円に換算して約330円。あとで調べたら現地の人たちの口コミも多い店だった。やはり人気店だったのね。食べておいて良かった。量はほどほどだったが、ちょうど良い夜食になった。満足満足。

ちなみに細いライスヌードルはベトナム語でブン(Bún)と呼ぶ。フォーもブンも中国語に由来していて、漢字だとそれぞれ「河」「粉」という字になる。この辺の話は干炒河粉の記事なんかを参照して欲しい。

ハノイ名物、ブン・チャー(Bún Chả) ※後日、別の店にて

ハノイでは焼いた豚バラ肉の入った漬けダレとブン(Bún)が別盛りになったブン・チャー(Bún Chả)という料理が名物だ。今回紹介した店には無かったけど、ハノイへ行くことがあったら、このブン・チャーもお忘れなく。

店舗情報住所: 11 Hàng Buồm, Quận Hoàn Kiếm, Hà Nội, Việt Nam
営業時間:18:00~23:30
ホームページ
主なメニューフォー・サオ・バップ・ボー/Phở Xào Bắp Bò
フォー炒め牛すね肉のせ 60000đ