かどや

2014年3月22日

五智山遍照院總持寺、通称・西新井大師の門前街に「かどや」という甘味と軽食の店がある。創業は大正時代で戦後に食堂を始めたそうだ。

西新井駅と大師前駅を結ぶ東武大師線は一駅しか区間がない。精算は西新井駅の乗り換え時に済ませるため大師前駅には改札も無い。なかなかに特徴的な路線である。その大師前駅を降りてまずはお大師様に参拝。山門を潜った境内には屋台が立ち並び、まるで縁日だ。日曜日ということもあって大本堂では護摩法要が修せられ、堂内参列者で混雑していた。

西新井大師境内の様子

参拝を終え山門を出て門前街を歩く。参道沿いには名物の草団子を商う店が並び、「いらっしゃい、味見だけでもしてってー」と客を呼ぶ声が絶え間なく聞こえる。最初の交差点を右に向くと、店名通りのまさに角地に目的の店があった。鄙びた感じの建物の看板には「清涼飲料水、甘味、軽食」とカラフルに書かれ、その下に「かどや」と屋号が大書されている。

西新井大師門前街 かどや

訪れたのは11時過ぎ。店頭には「今川焼は11時30分から」と断り書きがあり、お姉さんが準備中だ。店内は四人掛けのテーブルが10卓ほど。「いらっしゃいませ」と店主らしきおじさんが温かいお茶を出してくれた。先客は無し。壁には訪れた有名人の色紙が多数飾られていた。ちい散歩も来てるようだ。

かどや メニュー

ラーメンは400円、焼きそば300円とメニューの価格帯はすこぶる安い。あとはうどんやラーメンのバリエーションが幾つかと甘味類。「酒類は取り扱っておりません」と書かれている通り、アルコールはお預け。

「ご注文は?」
「焼きそば(300円)と、今川焼はまだダメですよね?」
「(娘さんに)今川焼、どうー?」
「これからー」
「すみません、あと15分か20分くらい掛かりますね」
「あー、じゃ焼きそばだけでいいです。すみません」

おじさんが厨房に移動して調理を始めた。お茶を飲んで出来上がりをのんびり待つ。後から小さい子供もいる家族連れが入って来て、そちらは焼きそばとおしるこを注文していた。

「おまたせしました、焼きそばです」

しばらくして湯気を立てたお皿が運ばれてきた。ちなみに商品と引き換えに代金を渡すのが、このお店のお作法。では、いただきます。

焼きそば 300円

麺は標準的な太さの蒸し麺。二度蒸しされているのか、地色が茶色く一本一本が短い。具はキャベツのみで、青海苔が振り掛けられている。色は濃いが味付けは薄めだ。卓上に置かれているやや甘目のソースを適量掛けながら食べた。素朴な味わいで美味しい。

値段なりのほどほどの量で、小腹を満たすのに丁度良かった。もう少し待てば今川焼も焼きあがったろうが、それは次回のお楽しみということで。ラーメンもきっと美味しいんだろうなあ。

甘味かどや

店舗情報TEL:03-3890-2360
住所:東京都足立区西新井1-7-12
営業時間:10:30~18:00
定休日:不定休
ホームページ
主なメニュー今川焼き 100円
焼きそば 300円 大盛り 400円
ラーメン 400円 カレーラーメン 500円