松屋甘味店

2014年3月22日

板橋区が誇る巨大商店街・ハッピーロード大山に、松屋甘味店という甘味処がある。昭和20年(1945年)創業らしいので、今年で67年目か。地元に長年愛されてきた店で、アド街っく天国の大山の回でも紹介されたそうだ。大学芋が名物だが、店内では焼きそばやあんみつ、お汁粉なども食べられる。

ハッピーロード大山 松屋甘味店

訪れたのは6月中旬、土曜日の昼過ぎ。大山は20年も前に一度だけ来ただけだから、ほとんど初めてと言っても良いだろう。物珍しくて大山駅から川越街道までアーケードを一往復してみたが、随分とパチンコ屋が多い。立ち食い蕎麦屋が評判だった記憶があるが、今日の目的は焼きそばなので我慢我慢。

さて、大山駅の近くまで戻って、いよいよ松屋甘味店へ。店頭のケースには大学芋が大・小のパックに詰められて並んでいる。

松屋甘味店 店頭ショーケース

大700円、小350円。これがしばしば売り切れるほど人気らしい。入り口の右側には心太や焼きそば用の麺なども並んでいた。

店内へ入ると右手に厨房があり、左側が客席で4人掛けテーブルが6つほど並んでいた。女性の店員さんが二人、一番奥のテーブルで丁度お昼を食べていた。他には男性客が一人、常連さんらしく店員さんたちと話をしている。店舗そのものは時代を感じさせる造りだが小奇麗な印象を受けた。

「いらっしゃいませ」

店員さんの一人が箸を置いて、お冷を持ってきてくれた。その間に壁のメニューをざっと眺める。

松屋甘味店 メニュー

食事と呼べそうなのは焼きそばのみで、あとは安倍川・磯辺・雑煮・汁粉の餅関係と甘味・ジュースの類で、コーヒーも無い。焼きそばは小が370円、大が550円となっている。

「お決まりですか?」
「えっと、焼きそばをひとつ」
「大きさは普通(小・370円)で?」
「はい、あ、あと大学芋(350円)も」

もう一人の女性が店主なのだろうか、立ち上がって焼きそばの調理に取り掛かり始めた。その間、注文を取った店員さんは表のケースの大学芋を皿に移して黒胡麻を振り掛け、煎茶と一緒に持ってきてくれた。

大学芋 350円

外側はカリッとした歯応えで砂糖が良い具合に滲みている。薩摩芋自体の甘さを生かした、程よい味付けだ。黒胡麻も香ばしい。ただ、さすがに一人では量が多く、後半はちょっと食べ飽きてしまった。大学芋をあらかた平らげた頃に焼きそばも出来上がった。口直しに煎茶を啜って、さて、いただこう。

焼きそば 小 370円

麺は中太でややコシがある。外で売られていたのと同じ麺だろう。具はキャベツのみで、刻み海苔がトッピングされ、紅生姜が脇に添えられている。ソースはマイルドな味わいで、化学調味料なのか、旨味が前面に出た味付けだ。頗るシンプルだが素朴で美味しい焼きそばである。焼きそば自体のボリュームはほどほどだったが、先に食べた大学芋との併せ技で腹はくちくなった。

実は今更だが私はそれほど甘いものが好きなわけではなく、大学芋をわざわざ注文して食べるのもこの日が初めてだった。普通に持ち帰って家で食べた方が商店街の名前通りハッピーになれたかも知れないが、まあ、面白い経験をしたってことで結果オーライ。今度訪れる機会があれば、外で売っている焼きそばの麺を買ってみたい。

松屋甘味店

店舗情報TEL:03-3956-5072
住所:東京都板橋区大山町6-8
営業時間:10:00~20:00
定休日:火曜日
主なメニュー大学芋 小350円 大700円
焼きそば 小370円 大550円
あべ川、いそべ、おしるこ、おぞうに 400円
みつ豆、あんみつ 400円