Manchu WOK 横須賀米軍基地内

前回紹介したPANDA EXPRESSを除くと、日本で食べられるアメリカ中華(American Chinese)のファストフードチェーンはたぶん無い。ただし例外もある。たとえば横須賀のアメリカ海軍基地内にあるManchu WOK(マンチュ ウォック)だ。普段はもちろん入れないが、年に3回ある開放イベントで利用することができる。というわけで、今年8月6日の「ヨコスカフレンドシップデー」に、一人でフラッと行ってみた時のレポートをお届けしよう。

三笠公園から米軍基地へ入ります

入場は三笠公園ゲートから。戦艦三笠を横目に入場待ちの行列に並ぶ。このイベントは横須賀市の開国祭りに合わせて開かれるため、観光客も想像以上に多かった。ただし行列の進むのも案外早かった。基地への入場にはパスポートを持参することとされていたが、基本的には手荷物検査のみで済んだ。

YOKOSUKA FRIENDSHIP DAY MAP

ここから先は日本ではなくアメリカだ。サブマシンガンを肩から下げ、軍用犬を連れた迷彩服の憲兵もウロウロしている。ただし、もちろんお祭りなので全面的に浮かれ気分。たぶん部隊ごとなのだろうが、趣向を凝らした料理やTシャツなどの露店が並び、「美味しいよー」「かもーん」と客を呼び込んでいる。

大量に焼かれる七面鳥の足

巨大な七面鳥の足=Jumbo Turkey Leg($11または1100円)も大量に焼かれていた。なんというか、「うわー、アメリカだー」って感じがする。そういえば海に面した東屋がいくつかあったが、全てにBBQの台が設えられていた。どんだけ肉を焼くのが好きなんだ。

Anthony's Pizzaが大人気

料理のブースで人気なのは「Anthony's Pizza」。この記事によると、このピザ目的で開放日に来る人も多いらしい。実際に多くの人が買い求めて、紐でくくったケースをぶら下げて歩いていた。他にもビールやソーセージ、バーガーなど、目移りして本来の目的を忘れそうになる。

Main Street Food Court

その本来の目的=Manchu WOKは、メインストリート沿いのフードコート(Main Street Food Court)に入っている。Manchuは「満州」、WOKは「鍋」。冒頭ではアメリカ中華と書いたが、調べてみたら実はカナダが発祥らしい。1980年にカナダ国オンタリオ州のピーターボロという街で一号店を開き、カナダやアメリカでチェーン展開しているようだ。

Manchu WOK 横須賀米軍基地内

メニューはもちろん中華系。単品注文も可能だが、PANDA EXPRESSと同じく2アイテムコンボ(3item combo/820円)や3アイテムコンボ(2item combo/930円)が人気である。ヌードル(Noodle)かフライドライス(Fried Rice)を選び、2品か3品のおかずを指定する。せっかくの機会なので3品でいこう。

Manchu WOK いろいろ選べます

WOK=鍋と名乗っているだけあって、おかずは炒め物が多い。ポトスティッカーズ(POTSTICKERS/揚げ餃子)やエッグロール(Egg Role/春巻き)、シーフードラングーン(Seafood Rangoon)などの揚げ物もあったが、今回は前者でまとめてみた。

バドワイザーをプシュッとな

ずっしり重いパッケージを受け取り、テーブルの並べられたエリアに移動。混雑していたがちょうど空いた席に腰掛ける。とりあえずバドワイザーの缶をプシュっと。入場してすぐにビールを飲んだのだが、8月の暑さですぐに汗になって流れてしまった。

3item combo $9.00 または 930円

蓋を取るとドーンと盛られたアメリカ中華が並んでいる。メインはもちろんヌードル(Noodle)だ。副菜はオレンジ・チキン(Orange Chicken)、ガーリック・シュリンプ(Garlic Shrimp)、モンゴリアン・ビーフ(Mongolian Beef)をチョイスしてみた。

ヌードル(Noodle) 焼いてないかも?

ヌードルは全体的にソース焼きそばに似ている。しかしFried Noodleと書かれていないので、もしかしたら和えているだけの撈麺(Lo-mein)かも知れない。仮に炒めているとしても、麺に焦げ目がみあたらないから炒める時間はわずかだろう。でもまあ見た目も味も焼きそばそのものである。

見た目も味も焼きそばそのもの

麺は中太麺を使用。具はキャベツと玉ネギのみ。味のベースは醤油と砂糖だろうか、ほんのり甘塩っぱい味で、油脂のコクも感じる。旨味はスープストックかな。「No MSG Added」と書かれていたので、化学調味料は一切使用していないはずだ。

オレンジ・チキン(Orange Chicken) アメリカ中華の傑作

オレンジ・チキン(Orange Chicken)は前回の記事でも紹介したアメリカ中華の代表的な料理だ。揚げた鶏肉にオレンジの酸味と甘味を効かせた餡を絡めたもの。酢豚に似た味わいだが、柑橘類ならではのフルーティな香りが風味に彩りを添える。そしてやっぱり美味しかった。日本の普通の中華屋でも出してくれないかなあ。

ガーリック・シュリンプ(Garlic Shrimp) ハワイの名物料理

こちらはガーリック・シュリンプ(Garlic Shrimp)。エビとセロリとズッキーニの炒め物だ。そんなに大きいエビではないが、数が沢山入っていた。ガーリックとセロリの風味を生かした醤油ダレは、後を引く味わいでなかなか美味しい。これは日本の中華料理店で出されても、違和感がないと思う。

モンゴリアン・ビーフ(Mongolian Beef) ジンギスカンぽい

最後はモンゴリアン・ビーフ(Mongolian Beef)。これもアメリカ中華を代表する料理だ。牛肉と玉ねぎ、人参を炒め、ジンギスカン風味のピリ辛タレで味付けしたもの。モンゴルだったら牛肉じゃなくて羊肉だろうと突っ込みたくなったけど、これはこれで十分あり。ご飯にも絶対合う。

箸は使い方の解説付き

焼きそばとおかず3品でですっかり満腹になってしまった。アメリカ中華はやはりこうでなくては。ほかにもいろいろ美味しそうな食べ物が売られていたが、胃袋の空きがなくなってしまい、物理的に入らないので今回は諦めた。

日差しがあまりに強く、食べているとき太陽側に向けていた半身が集中的に焼けてしまった。あしゅら男爵かよ、と自分に突っ込みつつ、ぐるっと基地内を散策してから帰路に着いた。今度来るときは「Anthony's Pizza」と「Jumbo Turkey Leg」を食べてみたいなあ……一度には無理だろうけど。

店舗情報住所: 神奈川県横須賀市本町1 横須賀ベース Main Street Food Court内
※一般人はイベント時以外は入場不可
ホームページ
主なメニュー3item combo $9.00 または 930円
2item combo $8.00 または 820円
Fried Rice 440円
Noodle 500円