ロッジ赤石

2018年8月21日

浅草の観音裏にロッジ赤石という喫茶店がある。創業は昭和48年。焼きそばでご縁のあるライターの小石原はるかさんから、「洋食で有名だけど焼きそばも美味しい」と勧められ、ふらーっと訪れてみた。

ロッジ赤石 店頭のガラスケース

場所は言問通りを渡ってすぐの裏通り。訪れたのは日曜の昼下がりで、店内はほぼ満席だった。かろうじて空いていたテーブルへと案内されたが、後から来た客は何組か断られていた。ちなみにここでも店内のテレビで競馬中継を流していた。いかにも浅草らしい。

浅草 観音裏 ロッジ赤石

さてメニュー。小石原さんに勧められたのは焼きそばだが、気になるのは店頭のサンプルケースにも飾られていたパリジェンヌ風ヌイユ(950円)だ。ヌイユ(nouille)はフランス語で「麺(Noodle)」のこと。フランス料理では添え物的に使われることが多いらしいが、こちらではそれをパスタ風に具と炒めている。いわば焼きそばの一種と言えなくもない。

ロッジ赤石 メニューの一部

そんなわけでパリジェンヌ風ヌイユを注文。喫茶店なので飲み物も頼もう。選んだのはアイスアーモンドオレ(650円)。それにしてもドリンクは1ページしかないのに、フードは4ページもある。やはり喫茶店というより洋食がメインの店なんだな。

アイスアーモンドオレ 650円

注文してすぐにアイスアーモンドオレが運ばれてきた。こういうところへ来ると何か変わった飲み物を探してしまうのだが、アーモンドオレは初体験だ。風味がまさにアーモンドで香ばしい。とんと見かけたことがないが、かつてこれが流行った時代もあったのかな。もう少し涼しい季節ならホットでも良いな。

パリジェンヌ風ヌイユ 950円

そしてパリジェンヌ風ヌイユ。麺は玉子と小麦粉を練った玉子麺という。幅広く、麺の表面には筋が入っている。もちっとした食感だが、ほかの麺とも異なる食味の不思議な麺だ。ボリュームは軽め。たぶんあらかじめある程度の分量を茹でおいているんじゃなかろうか。

玉子と小麦粉を練った玉子麺

具はエビ・貝柱・玉ねぎ・ピーマン・マッシュルーム。カニカマをほぐしたのも入っていた。味付けは塩コショウだけでシンプルだが、魚介・玉ねぎ・マッシュルームの味わいが麺に滲みている。食べ飽きない美味しさだ。試しに注文して正解だった。

焼きそば 700円

食べ終えてもまだ胃袋に余裕がある。ならばと追加で焼きそば(700円)を注文。麺は中細の蒸し麺でゴワっとした噛み応え。具は豚肉、ざく切りキャベツ、モヤシ。海苔をトッピングして、紅生姜を添えてある。

蒸し麺とウスターソースの正統派焼きそば

味付けは酸味のきいたウスターソース。オーソドックスなソース焼きそばなのだが、具に豚肉を使い、キャベツを大きめにカットしてある辺りに昭和40年代っぽさを感じる。戦前や終戦直後の焼きそばだと仮に肉を使っていても牛肉のそぼろだったり豚挽き肉だったりする。キャベツもざく切りではなく千切りや短冊切りのところが多い。そんなことを考えつつ完食。いやー、どれも美味しかった。

最後は寄席へ

お会計を済ませ、待乳山聖天や今戸神社を散歩した後、久しぶりに浅草演芸ホールで落語を楽しんだ。夜の部は林家一門がずらっと高座に上がり、トリは九代目林家正蔵。演目は私の好きな「西行鼓ヶ滝」。和歌をテーマにした噺だけあって、下げにも詩心を感じる。やはり寄席は楽しい。ここ最近ずっと忙しかったが久しぶりにのんびりできた日曜だった。

店舗情報TEL: 03-3875-1688
住所: 東京都台東区浅草3-8-4
営業時間: 9:00~翌4:00(日祝~翌1:00)
定休日: 月曜
主なメニューパリジェンヌ風ヌイユ 950円
焼きそば 700円
アイスアーモンドオレ 650円