きんぐ

2014年3月21日

島根県出雲地方の旧大社町周辺にもソースを後から掛けるスタイルの焼きそばを供する店がいくつかかある。まとめて「大社焼きそば」とも呼ばれているらしい。出雲大社から500mほど離れた小路沿いにある食事処きんぐはその代表的な店だ。

出雲市大社町 きんぐ

訪れたのは四月下旬の平日。11:15に入店したが、どうやら自分が口開けらしい。焼きそばやラーメンで有名な店なのだが、中は意外なほど和風の造りだ。奥にはかなり大きな宴会もできそうな広さの座敷がある。

玄関からすぐ右手に曲がってカウンターに腰掛けたが、客が入店したことに店員が気付いてないようだ。まずは手元のメニューを確認。焼きそばは並550円に始まって、大、特大、超特大の700円まで四段階のサイズが用意されている。ふむふむ。

メニューに記載されているのは麺類やご飯ものばかりだが、ホワイトボードにはいろんな魚介類の刺身のメニューが記載されている。おまけにふぐ調理の免状まで飾られている。ここまで本格的に鮮魚を扱ってる料理屋だとは思わなかった。

サイズを決めて「すみませーん」と奥へ声をかけると「はーい」と厨房から女性が現れた。「ごめんなさい、おまたせしました」とお茶を出されつつ焼きそばの並550円を注文。お茶を啜りながらカウンターで静かに待つ。やがてジャーと炒める威勢の良い音が厨房から聞こえてきた。卓上には「ソース」「辛いソース」と記された2つの小瓶の他、塩、胡椒、醤油刺しが置かれている。なるほど、このソースを使って味付けするのだな。

大社焼きそば(並) 550円

5分ほど経って焼きそばが到着。麺はやや細めでところどころ焦げ目がついてる。情報によると生麺を一度ゆでて乾燥させたものを調理しているそうだ。具はかまぼこ、人参の輪切り、青ネギ・玉ねぎに、やや厚めの豚肉。パッと見、プレーンな塩焼きそばだが、具もかなり特徴的だ。

さて味付けだが、まず試しにそれぞれ少量を掛けてみた。「ソース」の方はまろやかな酸味が利いている。「辛いソース」はパンチの効いた酸味と辛味だ。柔らか目だがコシがある麺にどちらのソースも良く馴染んで美味い。自分の好みで辛いソースを多めに掛けて平らげた。量は軽めですすっと食べてしまえた。

出雲と言えば割子蕎麦だが、こちらのサイトのきんぐ店主のインタビューに面白い見解が載っている。

やきそばに後からソースをかける理由ははっきりとはわかりません。ただ、恐らくは割り子そばと同じ感覚で“後かけ”になったんじゃないですかね。

割子蕎麦に飽きた向きには大社焼きそばも良いかも知れない。出雲大社への縁結び祈願のついでにいかがだろう。

きんぐ

店舗情報TEL:0853-53-2473
住所:島根県出雲市大社町杵築東599
営業時間:1100~2300
定休日:水曜日
ホームページ
主なメニュー焼きそば 並550円 大600円 特大650円 超特大700円
ラーメン 並550円 大600円
かつ丼 並700円 大800円
きんぐ定食 1150円