きくや食堂

2017年4月26日

4月中旬の土曜日。掛川の実家から東京に戻るついでに駿河湾フェリーを使って西伊豆に寄り道してみた。西伊豆は東伊豆に比べると不便だが、その分自然と情緒に溢れている。上質の海と山、そして温泉。個人的に好きな地域の一つだ。

西伊豆 松崎町

その西伊豆の松崎町にきくやという食堂がある。ここの焼きそばがソース後掛けタイプで、昔から地元に親しまれてきたそうな。そうと聞いては寄らずばなるまいて。

西伊豆 松崎町 きくや食堂

土肥港から松崎町へは一時間弱で着いた。きくやは国道から山寄りに外れた場所にある。開店時間は午前十時で着いたのはその5分ほど前だったのだが既に営業中の看板が掲げられていた。

店内へ入ると丸っこい感じのおじさん店主が「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。客席はテーブルのみ5卓。先客無し。建物は決して新しくはないが明るくて清潔な雰囲気だ。

きくや食堂 焼きそばメニュー

代金は先払いで、店頭の注文カウンターの上にメニューが貼られている。定食や丼もの、麺類など品数は豊富。カツカレー焼きそばなんてのも食べてみたいが今回の目的は別の品だ。

「キャベツ焼きそば(350円)を一つ、普通盛りで」
「はい、350円になります」

他の品に比べて極端に安い。学生に人気というのも納得だ。しばらくして厨房から中華鍋の音が聞こえてきた。セルフサービスのお冷を汲んで待つ。漫画がたくさん置いてあるのが嬉しい。

「お待たせしました、キャベツ焼きそばです」

キャベツ焼きそば 350円

お盆には焼きそばの皿と御新香、そして何故かおせんべい。おばあちゃんのぽたぽた焼。350円でここまでおまけがついてくると恐縮してしまう。

「ソースなど掛けてお召し上がりくださいね」

麺は中細の蒸し麺。食べやすいように一本一本が短くなっている。具は品名通りキャベツの千切りのみで紅生姜が添えてある。

シンプルなソース後掛けタイプ

麺をそのまま食べてみると油脂の味わいと塩コショウを薄らと感じる。卓上のソースは中濃タイプだが甘味より酸味が前に来ているタイプだ。最初は少量で味を試してからタパタパっと掛けまわす。うん、美味い! このシンプルさも含めて甲賀の『スヤキ』にとてもよく似ている。カレー焼きそばはこの状態にルーを掛けたものらしい。いつかそちらも食べてみたい。

食器の下げもセルフサービスだが、その分がぽたぽた焼に変わったと思っておこう。西伊豆へ行かれる際は富士宮焼きそばだけじゃなく、こんな焼きそばもお試しあれ。

雲見港から富士山を望む

最後におまけってことで西伊豆・雲見からの眺め。薄ら見える富士山がええですな。

きくや食堂

店舗情報TEL:0558-42-1317
住所:静岡県賀茂郡松崎町江奈360-6
営業時間:10:00~14:00、16:00~19:30
定休日:日曜日
ホームページ
主なメニューキャベツ焼きそば 350円 大450円 特大550円
カレー焼きそば 600円
カツカレー焼きそば 900円