慶楽

2016年6月16日

有楽町に慶楽という広東料理の有名店がある。創業は1950年(昭和25年)。小説家の池波正太郎や芥川賞作家の吉行淳之介、落語家の9代目林家正蔵など、この店の焼きそばのファンという著名人も多い

有楽町 純廣東料理 慶楽

2月中旬、土曜の黄昏時に訪問。JRの高架に面した地味な色合いの建物が目的の店舗だ。「純廣東料理 慶楽」の看板が掲げられてはいるが、間口がとても狭いので一度見落として通り過ぎてしまった。

フロアにはテーブルが多数並んでいて、上の階には宴席用の個室もあるらしい。実はこの日昼時にも来てみたのだが、満席だったため時間をずらした。お陰で席も空いていた。

吉行淳之介が愛用した席

吉行淳之介が好んだ会計カウンター横の席には龍のレリーフが飾られていた。維新號と同じく、椅子には屋号が入っているなど、調度にも凝っている。

慶楽 炒麺メニュー

和英中文で書かれているメニューをチェック。今回は吉行淳之介の好物だったという蠔油牛炒麺(カキ油牛肉ヤキソバ・1080円)とビール(520円)を注文。

キリン・クラシックラガー中瓶 520円

すぐにキリンクラシックラガーの中瓶が運ばれて来た。グビリと一口。入り口に一番近い席で寒かったが、喉が乾燥していたのでとても美味しく感じる。焼きそばは10分ほどで到着。

蠔油牛炒麺(カキ油牛肉ヤキソバ) 1080円

麺は広東独特のゴワゴワした細い蒸し麺。牛肉とレタスを炒めた餡が掛かっているが、餡と言ってもいわゆる餡掛け焼きそばとは違う。油通しして炒めたら多少の汁気とトロミが付いたという体の餡だ。

独特な麺に独特な具と味付け、美味い!

味付けは勿論蠔油=オイスターソースが主体。牛肉の旨味とレタスのシャキシャキした歯応えを活かす絶妙な味加減。後を引く美味しさだ。特徴的な麺との相性も良く、ビールにも合う。

辛党は赤唐辛子の酢漬けも試そう

ところで卓上にある赤唐辛子の酢漬けもこの店の名物の一つ。昔、この店で働いていたタイ人留学生が置かせたものらしい。せっかくなので焼きそばに小さじで一杯入れてみた。種も混じっているので余程辛いかと思ったが、油分でコーティングされたのか程よい辛さだった。

ビールと焼きそばを堪能して、お会計は1600円。ちなみに池波正太郎の大好物だったという肉絲炒麺(豚肉トモヤシヤキソバ)も後日食べてみた。

肉絲炒麺(豚肉トモヤシヤキソバ) 980円

こちらはシンプルながらも味わい深い焼きそばで美味しかった。やはり麺が肝要なのだろうなあ。癖になりそう。

次回以降も広東料理の老舗をしばらく続けて紹介する予定なのだが、焼きそばというとこの肉絲炒麺が出てくる店が半分くらいに至った。その辺を意識しておくと、より楽しめるかも知れない。

慶楽

店舗情報TEL:03-3580-1948
住所:東京都千代田区有楽町1-2-8 慶楽ビル
営業時間:11:30~21:45
定休日:日曜日
ホームページ
主なメニュー蠔油牛炒麺(カキ油牛肉ヤキソバ) 1080円
肉絲炒麺(豚肉トモヤシヤキソバ) 980円

上湯炒飯(スープ入ヤキメシ) 1030円