かたの

小樽に来たからはあんかけ焼きそばも食べておきたい。今回選んだのは「かたの」さん。2013年度小樽商科大学第13期江頭ゼミが、小樽であんかけ焼きそばを提供している当時の63店舗をまとめた『小樽あんかけ焼そば事典』という小冊子があるのだが、その冊子でも紹介されている店だ。隠れた名店ということで、前々から来てみたかった。

小樽運河は人気の観光スポット

前回紹介した「どんど」の入っている長崎屋を出て、中央通りを海の方へと降ると小樽運河に出る。観光スポットとして知られているエリアで人通りも多い。「かたの」そこから3㎞ほどの距離だ。運動と腹ごなしを兼ねて運河沿いに歩いてみた。

小樽市 高島漁港

45分ほど歩き、正午近く「かたの」に到着。高島漁港に面したプレハブ建ての小さな店舗だ。堤防には釣りをする家族連れの姿もある。暖簾を潜って入店。客席はカウンター7席に小上がり2卓。先客が2人いたが、ちょうど入れ違いで出ていくところだった。

小樽市 ラーメン・焼きそばの店 かたの

お店はご夫妻2人で切り盛りされていて、ご主人が調理、奥さんがホールや出前を担当している。こう見えて、ご主人はかつて小樽駅前にあった「小樽国際ホテル」で中華料理の修業を積まれた方で、味には定評がある。

かたの メニュー

カウンターの端っこの席に腰かけてメニューを確認。「ラーメン・焼きそばの店」を謳っているが、帯広で食べられている中華チラシもあった。焼きそばは左上、メニューの筆頭に書かれていて、五目焼きそばとエビ焼きそばがある。初訪問なので無難に五目焼きそば(750円)を注文した。

かたの 店内の様子

店内には芸能人の色紙がたくさん飾られていた。ご主人に訊くと、このあたりは映画やドラマの撮影が多いとのこと。先日は北海道が誇るスター、大泉洋が映画『探偵はBARにいる』最新作の撮影で訪れたそうだ。また、建物の構造のせいで壁に近い方が床が高く、中央は低くなっている。そのせいでカウンターも微妙に傾いているのが面白い。

五目焼そば 750円

焼きそばは出前の分を作ったあとに取り掛かり、数分で配膳された。麺は中細の玉子麺。中華鍋で表面をカリッと焼き上げてある。具はエビ・イカ・ホタテ・豚肉・ハム・白菜・モヤシ・キクラゲ・タケノコ・人参・サヤエンドウ。海の幸、山の幸が盛りだくさんだ。端っこに紅生姜も乗せてある。

カリッと焼かれた中細の玉子麺

餡は甘めの醤油餡。ほどよい粘度で麺にいい具合で絡む。具沢山で、ホタテもまるまる使われているのが港町らしくて、とても嬉しい。甘さに飽きたら、途中で酢とカラシで味変するのも良い。熱々の餡が絡んだ麺をハフハフ言いつつ頬張り、汗だくだくで食べ終えた。

ホタテもまるまる使われている

お腹も膨れてお会計。出前から戻ってきた奥さんが、電話でまた別の出前注文を受けていた。市街地中心部からだとちょっと辺鄙なエリアだが、地域密着のちょっと傾いた町中華を堪能できて大満足。小樽のあんかけ焼きそばは地元の人にしっかり愛されているんだなー。

かたの

店舗情報TEL: 0134-22-9313
住所: 北海道小樽市高島1-5-17
営業時間: 11:00~19:00
定休日: 木曜
主なメニュー五目焼そば 750円
エビ焼そば 800円
中華チラシ 750円