かさや

2016年1月21日

上総一ノ宮の玉前神社のすぐ近くに「かさや」という焼きそば専門店がある。あるのだがその店を見つけるのが難しい。前回紹介したもりたやも見つけづらかったが、その比ではない。

「暖簾も看板も無い」
「昼時の数時間しか営業してない」
「営業しているか外からじゃ全く分からない」

ネットではそんな口コミが散見される。私もGPSを頼りに周辺をぐるっと一周したがやっぱり見つけられなかった。現地でスマフォを使用して情報を再確認し、「コーラの自販機が目印」という手掛かりでようやく辿り着いた。しかし、やはり営業しているようには見えない。

上総一ノ宮 かさや

頃は土曜日の午後2時過ぎ。もう終わっちゃたかな、今日は休業なのかな、と思いつつダメ元で引き戸を引くと鍵はかかってなかった。「ごめんください」と中へ入ると椅子とテーブルがある。先客が一人、丁度会計をして帰るところだった。

「いらっしゃいませ」

物静かな女性店主に挨拶された。どうやら営業中らしい。焼きそば専門店は一見が入り難い店が割りと多いが、ここまでの店は初めてだ。5卓ほどあるテーブルのひとつに腰掛けて壁のメニューを確認。

かさや メニュー

メニューは焼きそばのみでサイズごとに値段設定されている。肉や玉子のオプションすらないシンプルな構成だ。大盛(350円)を注文し、セルフサービスのお冷やを飲んで待つ。

やきそば 大盛り 350円

出てきた焼きそばはソース後掛けタイプだ。麺は中太のストレート。モチモチ・シコシコした食感や白い色から上総に多い乾麺かと思ったが生麺だそうだ。具はキャベツのみで歯応えが残る程度に火が通っている。ラードだろうか、油の風味と塩・コショウの味付けが利いていて、そのまま食べても十分美味しい。卓上のソースは酸味がやや強めだ。少量ずつ加減を確かめながら掛けて食べると、味わいが一変してさらに美味しく感じた。大盛でもペロリと食べ切ってしまった。

麺とキャベツのみでソース後掛け、肉どころか青海苔や紅生姜の類も無い、とてもストイックな焼きそばである。壁のメニューには「昭和30年代からのやきそばです」との断り書きがあるが、戦後の食糧難の時代の名残だろうか。なにはともあれ安くて美味い。お店に入るまでの難易度は高いが、近くまで来ることがあるならランチの候補に如何?

かさや

店舗情報TEL:0475-42-3776
住所:千葉県長生郡一宮町一宮3051
営業時間:10:30~15:30
定休日:水曜日、第2・4火曜
主なメニューやきそば 250円 大盛り 350円
ジャンボ 430円 スーパージャンボ 600円