漢陽楼

2016年6月22日

神保町の漢陽楼は1911年(明治44年)創業の中華料理店だ。維新號揚子江菜館と同じく、創業者はやはり寧波出身。孫文や魯迅、周恩来など、中国から日本に留学していた学生たちを相手に大陸の郷土料理を提供していた。

神保町 1911年(明治44年)創業  漢陽楼

特にこの店は、周恩来が若い頃に記した日記で度々登場することで有名になった。現在の店舗は1967年(昭和42年)に移転したものだが、日中友好を象徴するスポットとして来日時に訪問する中国人も多いらしい。

訪れたのは2月下旬、平日の昼時。靖国通りから御茶ノ水方面に折れる細い道沿いに店舗はある。すぐ脇は錦華坂でここを登ると山の上ホテルへと至る。

「民国元年春」 漢陽楼

重厚な店構えの看板には屋号と共に「民国元年春」と認められている。民国元年=西暦1912年は漢陽楼の創業年(1911年)の翌年だけど、何か謂われのある額なのかな。

漢陽楼 店内の様子

店内は落ち着いた雰囲気で丸テーブルや四人掛けテーブルが並べられている。2階は宴会フロアになっているそうだ。まだ昼前で席は空いていた。窓際のテーブルに腰掛ける。

ランチタイム 麺類メニュー

さてメニュー。こちらのサイトでは宴会コースに「上海炒麺(上海風炒め焼きそば)」の料理名があるのだが、ランチメニューやグランドメニューには載っていない。コースのみかも知れないがダメもとで訊いてみる。

「すみません、上海風焼きそばって、できますか?」
「はい、できます」
「ほっ。じゃそれで」

大陸から来る中国人にあの「上海炒麺」は出しづらいもんなぁ……なんて考えながらお茶を啜る。待つこと10分ほどで配膳。少し深みのある中華皿に焼きそばがこんもりと盛られている。

上海風炒め焼きそば 1100円

麺は細麺。ゴワっとした歯応えで多少の焼き目も付いている。具は豚肉、キャベツ、ニンジン、青菜、木耳。脇にカラシが付いている。

麺は細麺、割りと薄味の醤油系

味付けは醤油とオイスターソースで割りと薄味。思っていたより油っ濃い。ボリュームはほどほど。豪華ではないが手堅い美味しさの上海焼きそばだ。

伝票には「海上」と記入

「海上」と記された伝票を渡してお会計。価格は1100円。うーん、正直、コストパフォーマンスはあまり良くないかな。

周恩来関連資料も飾られてます

レジの脇には周恩来関連の資料がまとめてディスプレイされていた。孫文ゆかりの「孫文粥」や周恩来ゆかりの「獅子頭」など、歴史に絡めた料理を楽しむ店と割り切るのが良いのかも知れない。

漢陽楼

店舗情報TEL:03-3291-2911
住所:東京都千代田区神田小川町3-14-2 漢陽ビル 1F・2F
営業時間:11:00~15:00 17:00~23:00(土~22:00)
定休日:日・祝
ホームページ
主なメニュー上海風炒め焼きそば 1100円

孫文粥(孫文のおかゆ) 1200円
清燉獅子頭(大きな肉団子の澄ましスープ蒸し) 1400円