勝ちゃん

2014年3月22日

小松塩焼きそばを御存じだろうか? 石川県小松市では何十年も前から塩焼きそばが定着しているらしい。特に人気なのが小松駅から200mほどの場所にある中華料理屋、餃子菜館・勝ちゃん。小松塩焼きそばの元祖の店、清ちゃんとは創業者が兄弟だと言う。

小松市 餃子菜館 勝ちゃん

10月中旬の平日、17時に入店。開店直後なので先客無し。人気の店だけあって駐車場も店内も広く、カウンターもテーブルも数多く据えられている。2Fもあるようだ。

カウンターの中ほどに腰掛けてお冷やをいただきつつメニューを確認。餃子彩館と名乗っているお店なので餃子も食べてみたいのだが、食べ歩きなので諦めよう。眼の前の厨房でこちらを向いて待機していた若い中国人スタッフに「いためそば(炒麺・525円)」を注文する。ニコニコしながら「いためそばですね」と調理を始める。有名な店のはずなのにどのスタッフも笑顔で応対して気持ちが良い。

中華鍋に具材を投入してガシャンガシャンとしばらく炒め、大量に用意されているらしき蒸麺から一掴み取り分けて鍋に追加。お玉で調味料を適宜加えつつさらに炒めて出来上がり。「お待たせしました」とやはり笑顔で差し出された。

いためそば(炒麺・525円)

麺は扁平気味の中太ストレート麺でシコシコ、モチモチした食感だ。具はキャベツ、モヤシ、人参、豚肉。塩焼きそばと聞いてもっとぱさついた品を想像していたが、全体的にしっとりとした仕上がりである。味付けも塩だけでなく牡蠣油や旨味調味料が絶妙な塩梅で使われているようだ。野菜や肉の旨味も滲み出して、思っていたよりもずっと複雑な味わいである。美味しいうえに十分なボリュームもあり、とても満足度の高い焼きそばだった。

会計を済ませ外に出ると現店主と思しき男性が駐車場の私のバイクを眺めていた。

「えー、東京から来たの? 俺、埼玉の大宮出身でさ。こっちの大学に入ってそのまま居ついちゃった。あっ、ちょっと待ってて!」

駐車場奥の建物に走って行き、手に紙の包みを持って戻ってきた。

「良かったらこれもってってよ。うちの店の九谷焼の茶碗」
「うわー、なんだか申し訳ないけど、せっかくなのでいただきます」

スタッフの接客はこんな店主(たぶん)の人柄によるのかも知れない。ボリュームがあって美味しくてサービスも良い。これは人気が出るわけだ。ちなみに紙包みの中身はご当地のゆるキャラが描かれた可愛いマグカップだった。大切に使わせていただこう。

餃子菜館 勝ちゃん

店舗情報TEL:0761-22-4077
住所:石川県小松市土居原町393
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:30
定休日:水曜
主なメニューいためそば(炒麺) 525円
焼餃子 420円