状元樓

上海風焼きそば特集、4週目。今週は横浜中華街の上海料理店をご紹介します。


上海風焼きそばは明治から昭和初期の神保町で生まれた」という自分の仮説。さらには終戦を経て都心周辺の上海料理店へ徐々に広まり、やがて横浜中華街へも伝播していったのではないか……そんな展開を考えている。その根拠として横浜中華街で昭和30年代に開業した上海料理店3軒を紹介してみたい。

横浜中華街 状元樓 本店

まず1軒目は状元樓。創業は1955年(昭和30年)。横浜の中華街は広東料理が主流で上海料理の店は意外と少ない。状元樓はその貴重な上海料理の老舗のひとつだ。中華街に本店、自由ヶ丘には支店もある。ちなみに「状元」は科挙で超優秀な成績を修めた合格者のこと。

状元樓 1920年代上海がコンセプト

訪れたのは2月中旬、平日のお昼時。中華街大通り沿いに建つ、高級感のある落ち着いた雰囲気のビルが店舗だ。古き良き上海というコンセプトで、1920年代上海のフランス租界にあった邸宅をモチーフにしているらしい。

状元樓 店内の様子

平日だが店内はランチを楽しむ家族連れやカップルで賑わっていた。ただ喧騒はなく、やはり落ち着いた雰囲気だ。小姐(ウェイトレス)の皆さんも品がある。

状元樓 炒麺類 メニュー

さてメニュー。ランチのセットも魅力的なのだが、注文したのはもちろん上海焼きそば(上海炒麺・1000円)だ。

ジャスミン茶が美味しい

注文を告げると温かいジャスミン茶と箸が置かれた。箸を縦に置くのは本格的な中華料理店の証。少しマナーを覚えてきた。ジャスミン茶が美味しい。

店内を眺めながら待つこと15分ほど。混雑していたこともあり、配膳までに思ったより時間が掛かった。

上海焼きそば(上海炒麺) 1000円

麺は極細。やや歯応えのある麺で、焼き目がちゃんと付けてある。具は細切りの肉に小松菜、キャベツ、ニンジン、玉葱、筍、干し椎茸。ボリュームは少なめかな。

薄っすら上品な味付けの上海焼きそば

味付けは醤油とオイスターソースで薄っすらと上品に。油脂の風味が香ばしいが、パサッとドライな仕上がり。後を引く美味しさで味はとても良いのだが、量が物足りない。うーん、もう1~2品欲しくなる。

10%のサービス料が入って、お会計は1099円。食事より宴の〆に良さそうな焼きそばだった。というか、そういう注文が本来なのだろう。ハレの日のコースの締めにぜひどうぞ。

状元樓

店舗情報TEL:045-641-8888
住所:神奈川県横浜市中区山下町191
営業時間:11:30~22:00(金・土・祝前日:~22:30)
定休日:12月29日
ホームページ
主なメニュー上海焼きそば(上海炒麺) 1000円
上海小籠包 800円