いわまつ食堂

2014年3月22日

さて、今回からあんかけ焼きそば特集です。前回特集したのが2011年の11月。あれからまた色んな店を食べ歩きました。まずは鹿児島・宮崎から。


鹿児島県大隈半島の中央に位置する鹿屋(かのや)市。車ならともかく、公共交通機関は便が良くないため、訪れる観光客もごく限られる街だ。その鹿屋市の大姶良(おおあいら)という地区に「いわまつ食堂」という店がある。市街地から離れた場所で周りは住宅と畑ばかりだが、あんかけの五目焼きそばが人気と聞いては行かずにおれない。

訪れたのは2月下旬の土曜日。鹿屋へは都城や志布志からの路線バスがあるが、今回は鹿児島市街から垂水フェリー経由の直行バスを利用した。鹿屋市中心部で坂元経由、根白・佐多・大泊行きのバスに乗り換えて大姶良バス停で下車。下調べしておいた地図の場所が間違っていたりして迷いながらも12時過ぎに到着した。

鹿屋市大姶良 いわまつ食堂

錦江湾側に目立つ大きな看板が置かれている。大姶良より一つ先のバス停の方が近かったが仕方あるまい。なにしろネットでは路線図すら見つからないのだ。

店舗と暖簾からは積み重ねてきた歳月と風格を感じる。引き戸のすぐ向こうに10人掛けのテーブルがどーんと置かれ、客席はそのテーブルのみ。既にほぼ満杯で、近所の現場の職工さんたちで賑わっていた。

奥さんに一つだけ残っていた空席へと促されて着席。壁の本棚は漫画で埋まり、魚拓や様々な物でゴチャゴチャと人の家感満載。客を選ぶ店だな。

いわまつ食堂 メニュー表面

メニューは中華系中心で、この日はラーメン系が多く出ていた。五目焼そば(700円)には「当店人気No.1メニュー」「あんかけ トロ~リ♡」との謳い文句が書かれている。当然それを注文。

お冷はセルフ 高菜はサービス

お冷とお茶はセルフサービス。凍らせたペットボトルから自分で汲もう。職人さんたちは常連なのか、店主ご夫妻と仲が良さそうだ。しばらくして高菜漬けとお箸、その後に大きな皿が運ばれてきた。

五目焼そば 700円

麺は太麺で外側はカリッと揚げられている。餡の具は白菜、人参、椎茸、ピーマン、玉葱、そして豚肉。醤油風味か、色は薄めの茶色系。麺も餡もボリューミー。餡の色は異なるが麺の太さは山形屋の品を髣髴とさせる。

とりあえずカリカリの麺を箸で崩して餡を絡めて一口。ふむふむ美味しい。餡は甘過ぎず、塩っぱ過ぎず、粘度も標準的で無難に旨い。卓上の酢をたっぷり掛けるとさらに美味しく感じる。

外はカリカリ、中はやわらか

餡に隠れた真ん中辺りの麺はまだ柔らかく、ついそちらを先に穿り出して食べたくなる。終盤は野菜の甘みが前面に出てきたがそれもまた良し。完食して腹一杯。やはりあんかけ焼きそばは満腹感が半端ない。鹿屋にはもう一軒候補の店があったのだが、さすがにハシゴは無理だな。

食べ歩いての印象だが何となく鹿児島と宮崎でチャンポンを置いている店は、皿うどんではなくあんかけ焼きそばの方が多い気がする。長崎からチャンポンが伝播する際に変容したのだろうか。山形屋含めて良く判らぬ。

お会計の時も明るい笑顔で応対していただいた。店舗も焼きそばも飾り気は無いが味わい深くて良い店だった。ちなみに霧島ヶ丘公園レストハウスに支店があったようだが、今は別の店が入っているらしいのでご注意を。

いわまつ食堂

店舗情報TEL:0994-48-2935
住所:鹿児島県鹿屋市大姶良町768-1
営業時間:11:30~14:00、18:00~20:00
定休日:日曜、祝日
主なメニュー五目焼そば 700円

ラーメン 500円 チャンポン 700円
チャーハン 450円 スタミナ定食 800円