稲葉商店

富士宮市街の北辺を横断する阿幸地青見線。整備されているこの環状道路沿いにあるのが稲葉商店。創業して50年近く経つ昔ながらの駄菓子屋さんだ。

富士宮市 阿幸地青見線沿い 稲葉商店

昨年の9月中旬、平日の午前11時くらいに訪問。暖簾も看板も無く照りも点いていないが臆せず入店。基本は駄菓子屋だが生活空間が店内を侵食している。「ごめんくださーい」と声を掛けると奥から女将さんが出てきた。だいぶ御歳を召していて足の具合も悪そうだ。

昔ながらの駄菓子屋さんです

「はぁ、やってるかぃねぇ?」
「はい、やれますよぉ」

方言丸出しのやり取りで営業中であることを確かめ、鉄板前の長椅子に着席。女将さんが照りを灯し、鉄板の火を点ける。

稲葉商店 メニュー

メニューは焼きそばとお好み焼のみ。焼きそばは350円から。最も高いのはしぐれ焼(モダン焼に相当)の大盛りで670円。

「玉子入り焼きそば(400円)ください」
「はいね」

麺と具を鉄板に広げ、小手で器用に混ぜ炒める。

慣れた手付きで調理する女将さん

「玉子は目玉焼きでいいだかね?」
「はい」
「紅生姜は?」
「お願いします」

ソースで味付けし、諸々トッピングして出来上がり。この店は鉄板から直接食べるスタイルだ。

玉子入り焼きそば 400円

麺は叶屋。ソースは鈴勝製のワサビ印ソース。具はキャベツと肉カス。紅生姜・目玉焼きがトッピングされ、だし粉は好みで後から掛けた。鉄板でよーく焼かれた麺は、ところどころカリカリしている。富士宮独特の歯応えにクリスピーな食感が加わって美味しい。ソースはあっさりマイルドな味わい。目玉焼きは程よい焼き加減で自分の好みだった。

鉄板から直接箸でいただこう

「皿だと食べるうちに冷めちゃうでね。熱したプレートも試したけーがダメだったで」

鉄板から直接箸で食べるこのスタイルにもこだわりがあるようだ。だいぶ御歳だけどいつまでも元気に続けて欲しいなあ。なお、訪れる際に大人数はなにとぞ避けてくださいまし。席は4~5人分しか無く、一度に沢山のお客さんを捌くのも大変そうですので。

※記事公開時点で食べログを見たら「閉店」になっていたので、訪問からの数ヶ月の間に閉店してしまったかも知れません。未確認。

稲葉商店

店舗情報TEL:0544-26-4792
住所:静岡県富士宮市朝日町22-27
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定休(月曜が多い)
主なメニュー焼きそば
 並 350円 大盛り 520円
 卵入り 400円 大盛り 570円
 イカ入り 400円 大盛り 600円
 肉入り 400円 大盛り 600円

しぐれ焼き
 並 420円 大盛り 670円