honeygrow, Brooklyn

長かったアメリカの焼きそばレポートもあと3回を残すのみとなりました。これまでに紹介しきれなかった各滞在地の品々を取り上げます。

それにしても週に3回更新ってのは、今の私の生活リズムだとやはりキツイですね。特にアメリカの記事は文章量や写真点数も多くなりがちで、1つの記事に時間が掛かっちゃいますし。残り3回のうち現段階でまだ今回分しか清書が終わっていません、そろそろ日本の焼きそば情報も出したいし、今週中に紹介し終えるように頑張ります。


ニューヨーク市ブルックリン。ファッションや飲食など、最先端の流行の発信源として注目を集めるエリアだ。観光としても、マンハッタン島からブルックリン橋を徒歩で渡るコースが人気である。

ニューヨーク、ブルックリン橋にて

今回紹介するのは、そのブルックリンにあるhoneygrowというお店。honeygrowは2012年にフィラデルフィアで設立された飲食チェーンで、フィラデルフィアやニューヨーク、シカゴやボストンなど、アメリカ東部を中心に約30の支店を展開している。

honeygrow, Brooklyn, NY, US

honeygrowのブルックリン店は地下鉄・Borough Hall(ブルックリン区庁舎)駅から徒歩1分の距離にある。オーガニックやフェアトレードなどを強く意識した経営方針と斬新な食体験というコンセプトがこのブランドの特徴だ。この動画を見ると、なんとなく方向性が分かるのではなかろうか。

斬新な食体験という点では、例えば注文方法からして独特だ。店内にはタッチパネル式の端末が用意されていて、ここで注文を行う。

honeygrow 注文カウンター

客はスマホアプリの要領で端末を操作し、品物や味付け、好みのトッピングを指定する。決定して、クレジットカードを通せば、そのまま会計まで済ませてくれる。

honeygrow 端末のUI

具体的なメニューは頭上の壁にも貼りだしてある。大きく分けて”Stir-Fry”と”Salads”に区分される。”Stir-Fry”は食材を文字通り混ぜ炒めたもの。”Salads”はサラダ。そのまんま。”V”や”GF”の記号は、ヴィーガン(絶対菜食主義者)向けやグルテンフリーを示している。

honeygrow メニュー

食材は食物繊維が豊富だったり、高淡白・低カロリーだったり、総じてヘルシー志向だ。例えばStir-Fryに加える炭水化物だけでも、玉子麺・全粒麺・玄米・ライスヌードル、さらにケール入りの麺などが用意されていた。麺を選べばStir Fry Noodles。つまりは焼きそばだ。

今回の注文票

他の食材や味付けも自由にカスタマイズ可能だが、オススメの組み合わせも用意されている。今回はその筆頭、スパイシー・ガーリック(Spicy Garlic $10.49)と”green is good($5.99)”というドリンクを注文した。

honeygrow カウンター

端末で注文した内容は厨房へ自動的に送られる。”stir-fry”と呼ぶだけあって、調理は中華鍋を使っていた。ちなみにスタッフの福利厚生が充実しているのもhoneygrowの売りのひとつだ。

honeygrow 飲食スペース

客は料理が出来上がるのを飲食スペースで待つ。この空間もスタイリッシュだ。区分としてはファストフードなのだろうが、それを感じさせない。今回は開店直後の口開けだったので先客はいなかったが、ピーク時はかなり混雑するらしい。

番号の呼び出しはクラシカル

料理が出来上がるとレシートに記載された注文番号で呼ばれる。その仕組み自体は他でも良くあるが、ここの番号呼び出しはとてもクラシカルな表示だ。デジタルとアナログのギャップが面白い。

調味料も置かれてます

「カシャカシャカシャ……」っと番号が表示されたら、カウンターへ行ってトレイを受け取る。先ほどの番号表示のところに調味料や箸・フォークなどが置かれているので、必要なものを取ろう。割り箸もあったが、今回はあえてフォークを使用。あとシラチャソースを小カップで貰った。

Stir-Fry: Spicy Garlic & green is good

こうして受け取った、Stir-Fry: Spicy Garlic。パッと見はカラフルな焼きそばだ。器が変わった形で、どんぶり状だが縁が2ヶ所向き合う形で凹んでいる。箸を置くための窪みか、はたまたレンゲ用か。分からん。

Spicy Garlic $10.49

麺は中細の自家製玉子麺。生茹でかと思うほど、コシが強い。あらかじめ固めにボイルした麺を、軽く湯掻いているのかな。自分で解しながら食べないと、具と絡んで玉になってしまう。

麺は中細の自家製玉子麺

具は鶏肉、赤玉ねぎのみじん切り、ほぼ生のピーマン、ブロッコリー、パセリ、そして角切りのパイナップル。鶏肉もただの鶏ではなく、防腐剤などを含まない無添加の鶏肉(all-natural chicken)だそうだ。メニューに食材が全て書かれていると、メモを取らなくていいから助かるなあ。

味付けはSpicy Garlic Sauce

味付けはSpicy Garlic Sauce。具体的な内容は謎だが、スパイシーというだけあって辛い。ソイソース・ケチャップマニス・シラチャソースあたりが頭に浮かぶ。パイナップルの味を全面に出ている一方で、動物系の旨味は感じず。未経験の不思議な味で正直あまり好みではないが、「こういうのもありか」とも思わせる。何度も味わうと癖になるのかも知れない。

green is good $5.99

“green is good”というドリンクは、文字通り緑の野菜を中心にしたジュースだ。緑の他に、赤とオレンジもある。キュウリの青臭さが最初は気になったが、飲むうちに慣れてきた。ビタミン不足になりがちな旅なので助かる。

全体的に麺や肉より野菜が多く使われているのが印象的だった。欧米で創作系の焼きそばを食べると、大量の麺にそれと同量の肉が入っているケースが多かった。honeygrowの場合は健康志向の強い客層をターゲットにしているのと、ブルックリンという土地柄もあってのことだろう。

スタッフも親切で好印象。他の店でも感じたことだが、今のニューヨークに飲食系で受け入れられるためには、健康志向であることが不可欠に思う。あとは見た目や食べ応え、体験としての食事という観点かなあ。焼きそばのみならず、飲食のこれからの方向性を考えさせてくれる示唆的な店だった。東京にも出店しないかな。

minigrow, W29th St & 7th Ave

ちなみにhoneygrowにはminigrowという持ち帰りメインのブランドもある。そちらはどんなものだろうとマンハッタンの7番街(7th Ave)西29丁目(W29th St)の支店に行ってみた。

minigrowはこんな感じ

こちらも基本的なシステムやコンセプトはhoneygrowと同様だ。炒めていないので焼きそばではなく混ぜ麺・和え麺なのだが、味自体は美味しかった。興味のある方は両方チェックしてみてね。

店舗情報住所: 194 Joralemon St, Brooklyn, NY 11201
TEL: (347) 422-0714
営業時間: 10:30~22:00
定休日: 無し
ホームページ
主なメニューSpicy Garlic $10.49
green is good $5.99