後藤やきそば店

2014年3月22日

今回から3週間、津軽地方の焼きそばを特集いたします。津軽地方の焼きそばと言えば黒石のつゆやきそばが有名ですが、それ以外にも焼きそば専門店や焼きそばが目玉商品の食堂が点在しております。知名度は低いのですが個人的には日本でも有数の焼きそばびいき地帯だと考えておりまして。まずは青森市街から。


青森市街地を流れる堤川。その川を挟んで東西に2軒、老舗の焼きそば専門店がある。近所ということもあって良く比較され、青森市民もどちらが好みかを話のネタにしているらしい。丁度、長野県上田市の福昇亭日昌亭、あるいは石川県小松市の清ちゃん勝っちゃんの様。いわば青森焼きそばの東西両横綱というわけだ。

さてその一翼が今回紹介する後藤食堂、またの名を後藤焼きそば店。堤川の東側、青森市街地の中心部からちょっと外れた住宅街の角に店を構える。

青森市街 後藤食堂

訪れたのは一昨年の7月上旬。平日の11時に入店。客席はカウンター6席くらいとテーブルが3卓。うち2卓はインベーダーやパックマンの時代を髣髴とさせるゲームの筐体である。昭和である。

先客は一人。ワイシャツ姿でスポーツ紙を読んでいる。大を注文して待ってるらしい。その他にも持ち帰りの注文が多数入っているようだ。店主の女将さんが鉄板でジャカジャカ焼きまくってる。

後藤食堂 メニュー

壁のメニューによると焼きそばは小300円、並350円、大400円。卵焼きそばは50円増し。カウンターに腰掛けて「卵焼きそばの並(400円)、食べていきます」と注文。持ち帰りの客も多いので、ちゃんと断らねば。

お冷やはセルフサービス。卓上にはソースに紅生姜、コショウなど。やがて縁の青い皿に盛られて焼きそば登場。うーん、並なのに量が多い。小売されている麺なら二玉分はあるのではなかろうか。人気店は「安くて量が多い」という店が多いのだが、食べ歩いてる身にはちょっと辛い。

卵焼きそば・並(400円)

麺はやや太めで四角い断面の蒸し麺。原田製麺所という製麺所らしい。焦げ目も多少ある。見た目は黒っぽいが味付けはややあっさり目。具は千切りのキャベツと細かく刻まれた豚肉。トンカツの付け合せのような細い千切りキャベツなので、ちょっと珍しい。トッピングに薄焼き卵と紅生姜。それと卵の下に海苔もたっぷり掛かっていた。この海苔の風味が結構強い。卵と一緒に食べると、いわゆるオムそば的な味わいになる。量が多いが、食べ飽きない。最後に少し卓上のソースを掛けてみたが、これもまた目先が変わってなかなかいける。

お昼が近いこともあって、OLやサラリーマンが温かい焼きそばパックを次々と大量に持ち帰っていた。確実に地域の味として定着しているようだ。こういう店が、ソウルフードとして語り継がれるのだろう。

後藤やきそば屋

店舗情報TEL:017-741-6067
住所:青森県青森市茶屋町18-1
営業時間:10:00~18:00(土曜は17:30まで)
定休日:月・火
主なメニュー焼きそば 小 300円 並 350円 大 400円
卵焼きそば 小 350円 並 400円 大 450円