ほんま門 (東京都中野区)

野方駅北原商店街の北端近くに「ほんま門」というたこ焼き屋がある。開業は確か2006年くらいだったと思う。たこ焼き以外にも大阪風のコナモン全般を提供していて、店内でそれをつまみに飲むこともできる。地元民なら誰もが知っているリーズナブルな店だ。

野方 たこやき ほんま門

私も開店当初からときどき通っている。こないだの冬からずっと長期休業でどうなることかと心配だったが、この6月に無事に営業再開して、ホッとしたところだ。ちなみに最近改めて調べたら、母体はなんと包装資材の会社らしい。今さら知って驚いた。

野方 ほんま門 メニュー

8月に入ってから土曜の夜に軽く一人飲みで訪れてみた。リーズナブルと書いたが、本当に価格が安い。たこ焼きは一人前(1舟・6個)で200円(税込210円)。お好み焼きの豚玉が390円(税込424円)。焼きそばが450円(税込486円)。食べ物だけじゃなく飲み物も安い。キンキンに冷えたジョッキで提供されるアサヒ・スーパードライの生は390円。サワー・酎ハイは290円から。

アサヒ・スーパードライ 390円

私としては安さばかりを強調したくないのだが、「味だけやなく値段も大阪のほんまモンでっせ」という意気込みを感じる店なのだ。席数が限られているためいつも混んでる。まあ、この価格なら仕方あるまい。

たこ焼きを店頭で常に焼いている

で、肝心のたこ焼きだ。店頭で常に焼いていて、持ち帰りの客がひっきりなしに訪れる。ひと玉が手ごろなサイズで、外はフワッと、中はトロトロの完全なる大阪スタイル。もちろんひと玉ごとにタコもちゃんと入っている。焼きたてを一口で頬張って火傷したことも何度かある。今回はソース味を注文したが、醤油やポン酢、ネギマヨなど味のバリエーションが豊富なのも嬉しい。

たこ焼き 200円

開業時はこのたこ焼きが一人前なんと150円だった。その後段階的に値上がりして今は200円だが、それでも安すぎる。知り合いの飲食店主が野方に出店する際に、地域の価格帯調査でこの店を知ってショックを受けたと言っていた。そりゃそうだ、普通なら倍は取ってもおかしくないもんなー。

焼きそばやお好み焼きを手際よく焼いていきます

2杯目にウーロンハイ(290円)。それとオムそば(550円)を注文。麺を鉄板に乗せ、蓋を被せてじっくり焼く。しばらくして麺をほぐす。その傍らで野菜も水を少量加えて蓋をかぶせる。スライスした豚バラ肉を焼き、一口大に切り分け。混ぜ炒めて焼きそば用のソースで味付ける。

オムそば 550円

完成した焼きそばを鉄板に盛り付けてから、薄く玉子を焼き上げて焼きそばを覆う。マヨネーズとソースを格子状にトッピングして出来上がり。卓上に置かれた魚粉と青海苔を、お好みで振り掛けてみた。

モチモチ太麺と濃厚ソース

麺は太麺。一時期、細麺に代わってしまったが、大阪の焼きそばならやはりもっちり太麺と濃厚ソースが王道だろう。シャキシャキの野菜とフンワリした玉子焼きで美味しさ倍増。普通のソース焼きそばが450円なのも安いが、100円増しでオムそばにできるのも実にお得だ。

お好み焼きも大阪の王道スタイル

この日はサクッとこれで切り上げた。お会計は税込み価格を足し上げて1538円。ちなみにお好み焼きもみじん切りのキャベツをたっぷり使い、時間を掛けてじっくり分厚く焼き上げた、いかにも大阪という品だ。ほんまもんの大阪風コナモンで飲みたいなーって時にぜひ利用してほしい。

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新大久保 アジア屋台村 (東京都新宿区)

8月に入ったばかりの平日のこと。メシコレ・キュレーターでもあるカレー細胞・Matsuさんから「今夜、空いてませんか?」というお誘いがきた。何やら新大久保にマニアックな屋台村があるらしい。

新大久保 アジア屋台村

ほいほいっと承諾してその夜に訪れたのが、新大久保アジア屋台村。広いフロアのフードコート的な造りの店だ。4店舗が出店していて、それぞれがインド・ネパール、タイ・ベトナム、シンガポール・マレーシア、韓国・中国と各2ヶ国を担当。合計8ヶ国の料理が楽しめるという。店の前は何度も通ったことがあり気になっていたが、こういう業態だったのね。

新大久保 アジア屋台村 店内の様子

フットワークの軽い方々が5~6人集って、まずは乾杯。生ビールはプレミアム・モルツ。他にアジア各国のビールももちろん用意されている。

まずは乾杯

周りのテーブルからは日本語はほとんど聞こえない。つまり、各国の出身者も納得できる、現地の味ってわけだ。屋台村なのに凄い。

新大久保 アジア屋台村 メニュー

メニューは国ごとにページが分かれている。もちろん焼きそばも各国の品が揃っている。タイのパッタイ、ネパールのチョウミン、シンガポールのホッケンミーやチャークェイティアオ。中国の五目海鮮かた焼きそばもある。

フォー・サオ・ボー 790円

こちらはベトナム料理のページからチョイスした牛肉やきそば(ベトナム/790円)。ベトナム語だとフォー・サオ・ボー(Pho xao bo)だ。平たい米麺=フォーを野菜と炒めたもので、モチモチの食感が癖になる。

マトン・チョエラ 600円

Matsuさんのオススメはネパール料理のマトン・チョエラ(Mutton choila)。メニューには「マトンのスパイス和え(600円)」という名で載っている。前回来た時にアタリだったというだけあって、間違いない美味しさ。スパイシーでビールが進む。

ラープ・サラダ 850円

他にもいろいろ食べたので、駆け足でざっと紹介していこう。タイ料理の定番、豚ひき肉を使ったラープ・サラダ(Larb salad/850円)。ミントとレモングラスが効かせてあって、しっかり辛い。こんなフードコートっぽい店なのに本格的で侮れない。

カエルの炒めもの 850円

これはベトナム料理で、カエルの炒めもの(Ech xao lan/850円)。これまでカエルは何度か食べたことがある。骨が多く身は少ないが、癖のない肉質で食べやすい。今回はしっかり揚げられた皮の部分が特に美味しかった。

ホッケンミー 900円

せっかくなので焼きそばをもう一品ってことで、ホッケンミー(Hokkien mee/900円)。ここのはシンガポール式でビーフンと卵麺の2種を混ぜ炒めてある。ちなみにマレーシアのクアラルンプール式のホッケンミーはうどんのような太麺をダークソイソースで甘辛く味付けした黒い焼きそば。ペナン式のホッケンミーはエビガラ出汁のスープ麺。同じホッケンミーでも地域差が大きいのが面白い。

ヤンニョム・チキン 680円

東アジアも食べておきたい。こちらは韓国ピリ辛唐揚げ(Yangnyeom chicken/680円)、ヤンニョム・チキンだ。辛さは思ったほどでもなく、甘めの濃厚な味付けだ。ここまでで牛・羊、豚・鶏・蛙と色んな肉を食べてきたが、その種類の多さに驚かされる。ヒンドゥ教徒もいるだろうに、同じ厨房で牛肉使って良いのかと少し心配になる。

ジャガイモとビーフンの炒め物 550円

これはネパール料理のページに載っていた、ジャガイモとビーフンの炒め物(Aalu fin/550円)。スリランカや南インドでビーフン(イディアッパム)を食べるのは知っていたが、ネパールでも食べられているとは思わなかった。”Aalu”が「ジャガイモ」で、”fin”が「米粉(ビーフン)」か。語感からすると中国語の「粉(fěn)」が由来だろう。マサラ風味で乙な味だ。

スクティ・チリ 750円

もひとつ羊でネパールのスクティ・チリ。メニューには「干しマトンのスパイシー炒め(Sukuti chili/750円)」の名前で載っている。経営がネパール人らしいので、どうしてもネパール料理に寄ってしまいがちだ。

写真を撮り忘れたが、チベットモモ(Tibetan momo/650円)もいただいた。同じモモでもネパールとチベット、さらにスープモモの3種があり、別々に紹介されている。さらには中国の小籠包に焼き餃子、韓国のマンドゥ、シンガポールのカレーパフもある。ここ一箇所で、各国の餃子系料理を食べ比べできてしまうのだ。うーん、凄い。

お会計は一人だいたい4000円

途中で抜けたり、後から参加したり、人が入れ替わりつつ楽しく食べて飲んで、お会計は一人だいたい4000円。アジアを周遊旅行した気分になって、5000円でお釣りがきてしまう。例えばビリヤニと麻婆豆腐とか、シンガポールチキンライスとトムヤムクンとか、ハチャメチャな組み合わせもできると考えると、楽しみ方が無限に広がりそうだ。ヤバい店を知ってしまった。マニアックかつ度量の広い知り合いを誘って再訪せねば。

2軒目はミャンマー・カラオケ

ちなみに2軒目は隣の駅の高田馬場に移動し、なぜかミャンマー料理店でカラオケするという、なんともカオスな一夜だった。ミャンマー・カラオケは別にまた腰を据えて紹介したいと思う。

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green glass (東京都新宿区)

「屋号の由来は競馬のあのグリーングラスですか?」
「それもあるんですが、蕎麦の実を剥くと緑色(green)なんですよ」
「ほお」
「それと日本酒を入れるグラス(glass)に引っかけて……」
「あー、それでRの”grass(草)”じゃなくて、Lの方の”glass”なんですね」

西武新宿線中井駅から徒歩7~8分の住宅街に、「green glass」という屋号の蕎麦屋さんがある。手打ち蕎麦と静岡の日本酒、静岡おでんが売りの店。2016年に開業して2年余りだが、ミシュラン2018のビブグルマンに選ばれている実力店だ。友達の勧めもあって訪問してみた。

手打ち蕎麦と静岡酒 green glass

「この道で合っているのかな」と不安になりながら店に到着。玄関先で靴を脱いで奥へと上がる。土曜の20時過ぎだが、台風による荒天で先客はおらず。カウンターに着席してメニューを眺める。

green glass おつまみメニュー

酒の肴には静岡おでんの他にも気の利いた品々が並んでいる。とりあえずサッポロラガー(580円)と静岡おでんのおまかせ盛り合わせ(1250円)をお願いした。

サッポロラガーと静岡おでん

盛られているのは静岡名物の黒はんぺんに玉子・大根・竹輪・昆布。串に刺さっているのは豚巻きトマトだ。練り辛子代わりの粒マスタードと甘味噌が皿の端に添えてある。静岡県出身の自分としては懐かしい味だ。味が良く滲みてる大根が特に美味い。

静岡おでん おまかせ盛り合わせ 1250円

店を独りで切り盛りしているご主人は静岡市出身。あれこれ話してみたら共通の知り合いがいることが分かり、会話が弾んだ。なぜ静岡おでんのだしが黒いのかとか、そんなやり取りも。ちなみに私の出身地の掛川周辺では、モツの代わりに鶏皮を入れ、出汁粉は削り粉のみで青海苔は入っていないことが多い。

green glass 日本酒メニュー

ビールが空いたので、お代りに日本酒をいただく。日本酒は黒板にリストアップされ、銘柄ごとに酒質と製法を整理してある。選んだのは掛川が誇る地酒「開運(780円)」だ。

開運 誉富士特別純米 無濾過原酒 780円

この日の開運は誉富士特別純米、無濾過原酒だった。無濾過原酒なのに火入れしてある、とても貴重な一本らしい。原酒なのでアルコール度数は17度と高いが、すっきりとした口当たりで飲みやすい。

焼き蕎麦 700円

おつまみは焼き蕎麦(700円)。そう、こちらにはなんと蕎麦を使った焼き蕎麦があるのだ。油を引いたフライパンに、茹で上げた蕎麦を丸く広げ、両面をじっくりとカリカリになるまで焼き上げる。仕上げに塩を振りかけ、一口大に切り分け、皿に盛る。小口切りのネギと花ガツオを散らして出来上がり。

両面をカリッと焼き上げたシンプルな品

箸で一切れつまみあげて頬張り、ポリポリと噛み締める。蕎麦の風味が香ばしい。蕎麦屋のつまみで揚げ蕎麦はよく見かけるし、これまで和蕎麦を使った焼きそばをあれこれ食べてきたが、こういう提供の仕方は初めてだ。

細部にまで配慮が行き届いている一皿

油脂の風味で味わいが増している。蕎麦粉本来の香りを損なわない油を選び、薬味のネギも水に晒すことで辛味を抑えてある。細部にまで行き届いた配慮に唸らされる一皿だった。

もり蕎麦 二産地食べ比べ 1020円

そして、〆はもちろん看板メニューの蕎麦だ。「もり」は2つか3つの産地食べ比べが用意されているが、今日は「二産地食べ比べ(1020円)」のみとのこと。品種はどちらも「常陸秋そば」で右が栃木産、左が茨城産。蕎麦は「挽き立て、打ち立て、茹で立て」のスピード命。写真を撮るのももどかしく、「一口目は何も付けずにどうぞ」と勧められるままに啜ってみる。

産地ごとに食べ比べるという趣向

ふーむ、さすがに蕎麦が香り高い。こうして食べ比べると風味の違いが分かりやすい。栃木の方が群馬より細目に切りそろえられているせいかも知れないが、群馬の方が粘り気がある。栃木は噛み応えがあり喉越しが良い。香りの違いは言葉に表現しづらいが、塩や麺つゆを付けるのが勿体なく感じる。ネギやワサビなどの薬味をつけてないのも、蕎麦の風味を尊重してのことだろう。

蕎麦湯で〆

ペロリと平らげて蕎麦湯をいただいて、お会計。とてもストイックな、蕎麦への求道心を体現したようなお店、ご主人だった。黒板に書かれていた「カレー味の焼き蕎麦」も気になるし、他に食べてみたい肴も多いし、もっと他の産地の蕎麦も食べ比べてみたい。今度は予約して訪問させていただこうっと。

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【お知らせ】価格.comマガジン「カップ焼きそば徹底比較」

WEBメディア『価格.comマガジン』の「カップ焼きそば徹底比較」という記事が公開されました! 大手メーカーのメジャーなカップ焼きそば6品を食べ比べ、味の違いを検証してみました。地域によって好みが大きく分かれると思いますが、ぜひお読みください〜。

ペヤングとU.F.O.はどう違う? カップ焼きそば6大定番を達人が徹底比較!

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青柳 (東京都新宿区)

一年ほど前、牛込神楽坂あたりの大久保通りを通りがかったときに、青柳という店を見つけた。早朝からやってる甘味処で、食事処も兼ねているらしい。創業年は不明だが、かなりの年季が入ってそう。

牛込神楽坂 甘味 食事 青柳

場所は大久保通り沿いで、牛込中央通りの交差点から少し早稲田寄り。店頭には食品サンプルの入ったガラスケースが置かれ、緑のフードには「甘味・食事 青柳」の文字。趣のあるファサードだ。

牛込神楽坂 青柳 店内の様子

店内にはテーブルが5卓。訪れたのは日曜のお昼時で先客はいなかったが、あとからぞろぞろと3組くらい入ってきて、テーブルはほぼ埋まってしまった。「ビール小といつもの」なんて注文もしてる。さすが、しっかり地元に根付いているらしい。

牛込神楽坂 青柳 麺類メニュー

メニューの片面にはラーメン・うどん・そばなどの麺類が並んでいる。裏面には御飯と味噌汁とおかず、そして甘味類。定食もあるし、甘味処というよりは食堂寄りっぽい。

牛込神楽坂 青柳 食事・甘味メニュー

ちなみにつけ焼きってのは、いわゆる磯辺焼きらしい。朝6時から営業しているということは、駅前の立ち食いそば的な利用のされかたが多いのかな。

ソース焼きそばとミニカレー

注文したのはソース焼きそば(550円)とミニカレー(360円)のセット。厨房から炒める音が聞こえてくる。やがてお盆とウスターソースの入った醤油刺しが運ばれてきた。

ソース焼きそば 550円

焼きそばは太めの蒸し麺を使っている。具は豚肉、モヤシ。天辺に青海苔と刻んだナルト。脇に紅生姜。ややオイリーで、あっさりしたソース味の味つけだ。

もちっとした太麺が特徴的

オーソドックスな焼きそばだが、もちっとした太麺が特徴的だ。刻んだナルトのトッピングは中野の四川東家静岡市の松竹と同様、それだけでノスタルジーを感じさせる。

ウスターソースを後掛け

そしてウスターソースを後掛けすると、味がさらにピシッと締まる。これもなかなか美味い。

終戦直後は砂糖が統制品だったため、ソースには人工甘味料が使われており、加熱すると苦味がでてしまう。それを避けるため、その時代の焼きそばはソース後掛けが一般的だった。時代は下ってもその名残を留める焼きそばが結構残っているものなのだ。

ミニカレー 360円

セットのミニカレーライスはマイルドな家庭的タイプだ。過不足のない、カレーらしいカレーで食べ飽きない。カレーソースを焼きそばに掛けてもなかなかいけた。

焼きそばとカレーを平らげたあと、クリームみつまめ(580円)を追加注文してみた。「あんみつ」じゃなくて「みつまめ」の方だ。

クリームみつまめ 580円

アカエンドウ、寒天、パイナップル、ミカン、アイスクリームにシロップ。見た目も涼やかだ。猛暑にはぴったりの締めとなった。

お会計は合計で1490円。ラーメンやそばも美味しそうだった。今度は早起きして出勤前の朝食にでも寄り道してみたいなあ。

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【雑誌掲載】シティリビング7.20号「女子のYAKISOBA」

オフィスで働く女性のための情報誌『シティリビング』の7.20号で「女子のYAKISOBA」という特集が組まれています。

シティリビング 7.20号

そこで紹介されているお店選びと最近の焼きそば事情について、協力させていただきました。

シティリビング 7.20号 2・3ページ目

先週の水・木曜に配布され、エリアも限られているようなので入手は難しいかも知れませんが、内容はWEBでも公開されています。良かったらお読みくださいませ~。

読者においしいプレゼントも! 今夏に食べたい・作りたい女子のYAKISOBA(焼きそば)

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和食居酒屋みつぼし (東京都中野区)

昨年末、野方に和食居酒屋みつぼしという飲み屋がオープンした。場所はヤッホーロード商店街で、2016年10月に閉店したみはる食堂の斜向かいの位置だ。みはる食堂がなくなって嘆いていた地元の呑兵衛にとっては、おあつらえ向きの店である。

野方 和食居酒屋みつぼし

みつぼしは開店早々に塩見なゆさんがSyupoでも紹介していた。1階は立ち飲みで2階にはテーブル席が並ぶ。私はほとんど1階での一人飲み。この日も常連さんに混じってワイワイ飲んだ。

生ビール 480円

まずは生ビール(480円)をグビッと一杯。瓶ビールはキリンとアサヒが用意されている。その他、日本酒に焼酎、ウイスキー、サワー。なんでもござれ。甘めのサワーが好きなら、みつぼしレモンサワーなんかがオススメ。

食べ物メニューの一部

メニューは海鮮系を中心にバラエティに富んだ品揃えだ。刺身、焼き物、揚げ物、炒め物。おでんも一年中やっているのが嬉しい。私はあまりやらないが、おでんの出汁で日本酒を割ることもできる。

お刺身3点盛り 750円

定番はお刺身3点盛り(750円)。この日は4種の魚介からブリ、アジ、タコを選択した。開店以来何度も来ているが、ここのブリがホントに旨くて唸ってしまう。刺身の下に敷いてあるのは大根ではなくワカメで、この一皿をつまみにかなり飲める。ビールからチューハイ(300円)へ移行。

ハムエッグ(5個) 450円

続いてハムエッグ(450円)。なんと玉子の量を1個から5個まで選べて同料金。普段は2個なのだが、この日は調子に乗って5個頼んでしまった。爆盛りで有名な居酒屋 花門のベーコンエッグ(MAX9個で400円)には及ばないが、圧巻の盛り付けだ。3個食べてもまだ2個残ってるとは。こいつで焼酎の水割りを2杯くらいもらったはず。

食事系メニュー

ハムエッグで腹が膨れてしまったが、締めに焼きそばもいただいた。手元のメニューにはソース焼きそば(450円)が載っているが、2階の黒板に書かれているピリ辛塩焼きそば(500円)を注文。席によって気付けないメニューもあるので通わねばならない。

ピリ辛塩焼きそば 500円

キャベツとモヤシ、蒸し麺を手早く炒め、塩と豆板醤で味つけした野菜たっぷりの焼きそばだ。「良心的な居酒屋の焼きそばは野菜がたっぷり」という持論に符合する品で、メニュー名の通りピリ辛で癖になる美味しさだ。ボリュームが予想より多かったので、同席した地元の飲み仲間にもシェアして食べ終えた。

豆板醤の辛さが癖になる

この日は思ったより長居をしてしまって、会計は4000円を超えた。普段は2000円以内で収まっている。紹介した以外にも気になるメニューばかりで、いつも目移りしてしまう。やきとん屋が多い野方には、貴重な店だ。今度は何を食べようかな。

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海員閣 (神奈川県横浜市)

8月8日、焼きそばの日まで、あと一ヶ月を切りましたねー。皆さんも焼きそば食べましょうね。


横浜中華街の香港路にある老舗の広東料理店、海員閣。「海員」とは船長を除く船員さんのこと。国際的な港町らしい屋号だ。公式サイトによると昭和11年(1936年)の創業という。

横浜中華街 海員閣

横浜中華街でも指折りの人気店で前々から訪問してみたかったのだが、代替わりに伴うリニューアルで昨年6月末で一旦閉店し、長期休業に入ってしまった。どうなることかと心配する声もあったが、今年5月29日に無事営業を再開した。

海員閣 営業再開のお知らせ

当面はランチタイムのみで客席も1階10席のみ試運転営業らしいが、とにかくめでたい。7月上旬の日曜、13時半頃にに訪問してみると、20人ほどの入店待ちができていた。リニュ―アル前と同様の人気ぶりだ。1人客ということで2組ほど飛ばして案内していただけたが、それでも20分近く待った。

海員閣 メニュー

1階は壁に面したカウンターが10席あり。唯一空いていた椅子へ案内されて着席。メニューはご飯類や麺類などに限定されている。その中から揚州炒麺(五目かたやきそば/850円)と焼売(シューマイ/500円)を注文。

厨房からゴォォォ……という音が聞こえてくる。こちらはコークス窯が有名だったが改装を期に廃止されたそうだ。それに代わる強い火力のガスレンジを使っているのだろう。

揚州炒麺と焼売

っと、7~8分で焼売が来た。焼きそばと一緒に食べようと手をつけずにおいたが、焼きそばが出てきたのはそれから30分後。すっかり冷えてしまったが、現在厨房は1人で廻してらっしゃるそうなので時間が掛かるのは仕方がない。

揚州炒麺(五目かたやきそば) 850円

揚州炒麺はパリパリの揚げ麺を使ったカタ焼きそばだ。麺の揚げ方によるものか、最後までパリパリだった。具は豚肉・イカ・エビ・ナルト・モヤシ・キャベツ・玉ねぎ・さやえんどう。味付けは淡白なスープがベース。割と甘めに味付けしてある。

揚げ麺は最後までパリパリ

以前、コラムで詳しく書いたが、戦前の支那料理店で焼きそばと言えば、この揚げ麺に餡を掛けたスタイルが標準だった。特に「揚州炒麺」という呼び名も往時を偲ばせる。「揚州」の意味については諸説あり、揚州商人の富貴にあやかって「豪華絢爛な」という形容を込めているという説もある。

揚州炒麺の餡は、アメリカ中華のチャプスイ(什碎)がルーツなのだが、この店には什碎飯(五目うまにごはん)や什碎麺(五目うまに麺)も置いてあるのが珍しい。具は豪華だが広東らしい淡白な味わいで、安心できる美味しさだ。

焼売(シューマイ) 500円

そしてお土産としても人気の焼売。「肉塊」という表現がしっくりくるボリューム感で食べ応えのあり。ちゃんとグリンピースが埋められているのが面白い。今回は卓上にあった酢と醤油とカラシでいただいたが、近代食文化研究会さんの調査によると、戦前は焼売にソースを掛けて食べることも多かったようだ。

肉の塊、食べ応え充分

しかも、かた焼きそばにウスターソースを掛けるレシピも見つかったというから面白い。現代でも長崎皿うどんでは同様の食べ方をするし、松阪の不二屋でもウスターソースが定番だ。お好み焼きからソース焼きそばが派生する前に、中華料理店で焼きそばとソースの出会いがあったというのはとても興味深い。

そんな感じで支那料理の揚州炒麺からソース焼きそばの誕生に想いを馳せつつ完食。この日のお会計は1350円。「お待たせしてしまって、すみません」という言葉に恐縮してしまう。現在はランチのみの営業だけど、いつかディナーでしか味わえない名物の一品料理も食べてみたいなー。

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隆意小吃店 (東京都杉並区)

とある週末、高円寺でランチを食べようと南口をウロウロしてたら線路沿いに気になる看板を見つけた。

高円寺 隆意小吃店 店頭メニュー

羊肉の串焼きや麻辣烫(マーラータン)などの品揃えからすると、中国の東北料理店らしい。焼きそばもある。

高円寺 隆意小吃店

店の名前は隆意小吃店(ロンイーシャオチーディエン)。新大久保や池袋西口の周辺だとそんなに珍しくも無いのだが、高円寺にまでこういう店が現れたとは。

高円寺 隆意小吃店 店内の様子

狭い階段で2階へ登り、店内へ。奥に長い造りで厨房に面したカウンターが7~8席。一番奥の窓際には4人掛けのテーブルも一つある。カウンターの頭上にもメニューが幾つか貼られていた。

高円寺 隆意小吃店 日本語メニュー

手元のメニューは表面が日本語で写真付き、裏面が中国語で書かれている。初めて訪問した日は店頭の看板にあった羊汤包子(ヤンタンパオズ・600円)を注文した。

羊汤包子(ヤンタンパオズ) 600円

「羊汤」はラム肉スープのこと。あっさり出汁で豆腐とラム肉を煮込み、香菜を浮かべたシンプルな品。滋味あふれる味わいだ。

手頃なサイズの肉まん 3個

「包子」は肉入りの饅頭。手頃なサイズ3個を蒸篭で温めなおしてくれた。芯の方はまだちょっと冷えていたが、ホカホカで美味しい。千切ったのをスープに浸して食べても美味い。

そして2週間後くらいに再訪。今度は焼きそば(500円)と焼き魚(380円)、生ビールを注文。

高円寺 隆意小吃店 中国語メニュー

焼きそばは中国語メニューで「炒方便面(チャオファンビェンミェン)」と表記されていた。「方便面」とはインスタントラーメンのことで、袋麺で使われるタイプの麺を使った焼きそばなのだ。

焼きそば(炒方便面) 500円

こちらでは茹で上げたインスタント麺を水で締めてから、具と炒めていた。中国ではインスタント麺は「意麺」とも呼ばれ、通常の麺と同様に使われる。特に香港では日本の出前一丁が人気で、通常のインスタント麺より高くなる場合もある。

野菜と玉子のシンプルな焼きそば

使われている具は具は玉子、モヤシ、青菜、玉葱、人参。味付けは中華醤油がベースで、ちょっとだけスパイシー。ゴマ油が香る乙な味の焼きそばだ。特に玉子が全体の味わいをベースアップしている。シンプルだが美味い。ビールにもあう。

焼き魚(烤鱼) 380円

焼き魚は中国語で「烤鱼(カォユィ)」。カワハギっぽい白身魚を串焼きにしている。味付けはタレを塗って、ゴマとクミンシードを塗してある。スパイシーだが白身魚の淡白な風味を殺さない程度の控えめな味付けだ。小骨が多めだがこれも美味しかった。

ネットで調べたところ、お店の方は黒竜江省の出身で、昨年2017年の9月ごろにオープンしたらしい。店員の女性は日本語が喋れないようだが、調理担当の男性は日本語も達者だ。エスニック料理が充実している高円寺に、東北料理店が増えたのはとても嬉しい。また夜にでも訪れて、他のメニューも試してみたいなー。

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鉄板家シュウ (東京都渋谷区)

渋谷の並木橋で営業している真打みかさ・渋谷店が、2月末に「鉄板家シュウ」へと屋号を変えた。自由が丘店も同様で、そちらは昨年8月に先んじて変更されている。

並木橋 鉄板家シュウ 渋谷店

これまで通り、自家製麺を使った焼きそばを提供するとともに、ディナータイムは鉄板焼系のメニューも加わったのが主な変更点だ。いろいろツマミに飲んで、締めに焼きそばという楽しみ方ができるようになった。

屋号変更の経緯

鉄板家シュウを最近訪れたのは先週の木曜日。店頭に券売機があるけど、飲む際は口頭での注文もOK。

厚切り牛上タン 1,400円

この日は生ビールと厚切り牛上タン(1,400円)をいただいた。柔らかく分厚い牛タンをワサビと塩でいただく。シンプルに美味い。

いいだこ焼き 600円

店主が韓国出身なので韓国系のおつまみも多い。日本ではあまり見かけない、いいだこ焼き(600円)なんて品もある。ピリ辛でコクがある。玉ねぎとの相性ばっちり。

ハラミ 1,000円

以前いただいたハラミ(1,000円)も絶妙な焼き加減で美味しかった。自由が丘の方は常連さんもついていて人気らしいが、渋谷も飲み屋としての使い勝手も良さそうだ。

鉄板家シュウ メニュー

焼きそばは前と変わらずソース味と塩味があり、中盛・大盛の値段も同じ。この日の締めは塩焼きそばの中盛(750円)に、スライスチーズ(100円)をトッピングしてもらった。

塩焼きそば(中盛750円)+スライスチーズ(100円)

その場で茹で上げた自家製麺のモチモチ食感は相変わらず。モヤシやネギのシャキシャキした歯応えに、トローッと溶けたチーズと卓上に置いてある辛味の唐辛子が風味を増す。

溶けたチーズが風味を増す

以前いただいたソース焼きそばも変わらぬ美味しさだった。ここで私からのお願いが一つ。「神保町・みかさ」と「高田馬場・真打みかさ」と渋谷のここは同一視や混同をされがちだ。しかし実際の焼きそばはだいぶ異なる。どこか一ヶ所を食べただけで、みかさ(あるいは真打みかさ)の焼きそば全体を評すべきではない。できれば食べ比べて欲しい。

ソース焼きそばも変わらぬ美味しさ

この日はビールをガンガンお代わりして、お会計は5千円ほど。すぐ近所にある鉄板やきそば酒場・しぶやきや、宇田川町のホルモン千葉など、焼きそばを楽しめる飲み屋が渋谷に増えてきた。未訪問だが、ぼっかけ焼きそばを味わえる「3・6・5酒場」という大箱もできた。ほんの2年前に「渋谷のラジオ」へ出演した際に、渋谷駅周辺の焼きそば店が全く無くて困った頃とは隔世の感がある。どの店もこの地で長く愛される店になって欲しいなあ。

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